第239話 少し北へ

 信吾のルーツとなる土地は、宮城県の県庁所在地である仙台である。

 東北地方最大の街で、人口は100万人を超える。

 とは言っても東京ほどの極端な都市部が広がっているわけではない。

 田舎と言えるほどではないが、農地などもそれなりにあったりする。

 ちょっと車を飛ばせば、ちゃんと田舎っぽくなってくるらしい。

 俊の想像する田舎というと、本当の田舎になるのだが、それは都会っ子の想像の限界であろう。

 100万都市仙台であっても、本当の都会は中心部にある程度集中しているのだ。


 信吾はここで生まれ育った。

 父と兄と妹という家族構成で、母親は妹が小さい頃に病気で死んでいる。

 父親は忙しく、兄が親代わりになってくれたものだが、その兄が就職すれば今度は信吾が妹の親代わりとなった。

 そしてそろそろ親離れするかな、という頃に信吾は音楽を始めた。

 中学生の頃、父親がそのまた父親からもらった、アコギが最初の接点である。


 比較的身長が高い信吾は、バスケットボールなども少ししていた。

 だが妹の世話をすることなどを考えると、集団競技などは向いていない。

 それでも目立つことが好きだったので、ギターなどを始めてみたわけだ。

「こういうことは初めて話すな」

「そこからどうしてベースになったんだ?」

「高校は軽音に入ったんだけど、ギターは多すぎてな。備品のベースがあったから、それを使うことになったんだ」

 なるほど、と言えなくもない。


 楽器の花形は、なんだかんだ言ってギターであろう。

 弾き語りが出来るのは、ギターの他にはピアノぐらいで、ピアノは持ち運びが難しい。

 電子ピアノなら出来なくはないのだが。

 そんな中でベースを使うのが回ってきて、そしてそれが性に合っていた。

 ベースの音は目立たないが、ないとものすごく楽曲が薄っぺらくなるし、グルーヴ感を出すのに丁度いい。


 なお本当にいいバンドを作るなら、まずドラマーから探すべし、とも言われる。

 ボーカルは個性さえあれば、さほど上手いかどうかは問題ない、などという暴論もある。

 俊にしてもリズム隊は、バンドやスタジオミュージシャンで、経験の多い人間を選んだ。 

 特にノイズの場合は、月子と暁だけだと暴走するので、せっかく面白い打ち込みを作ったとしても、グルーヴ感が出てこないのだ。

 おそらくシンセサイザー使いとしては、現場に合わせて調整する技術において、俊より上回る人間はいないのではないか。

 とは言ってもこの楽器は、本当に様々な使い方が出来るものであるのだが。




 移動に関してはもう、ほとんど定番のものとなっている。

 ノイズメンバーの楽器などは、暁がギターを離さない以外は、設営のために一緒に運んでもらう。

 俊のシンセサイザーも一緒であるが、ノートPCは離さない。

 これとソフトに、ヘッドフォンさえあれば、どうにか作曲をすることが出来るのだ。

 前日入りして、翌日帰還というのは、かなり余裕のある日程である。

 この仙台公演は信吾の要望に応えたようなもので、利益はぎりぎり赤字にならない程度のもの。

 どのみちこれまで西にばかり行っていたノイズは、認知度を北でも上げる必要があったのだ。


 どうせならこの夏場に、北海道でも行けばよかったのでは、と思わないでもない。

 もっとも最近は北海道でも、夏場は充分に暑いのだが。

 比較すればそれでも、東京よりは涼しい。

 ちなみにメンバーの中では、月子が寒さには弱い。

 東京の寒さなどは、別に全然寒くないと思うが、それでも寒いのは嫌いだそうだ。

 山形の寒さを、経験しているからであろう。


 余談だが京都なども、夏は暑く冬は寒い。

 盆地のゆえであるが、それでも東北ほどに雪が降ったりはしない。

 京都でも北のほうは、また別の話になるのだが。

 月子が住んでいたのは寒くて暑い、京都の市内なのである。


「その気になれば、うちに泊まっていくことも出来るんだけどな」

「そんなに広い家なのか」

「いや、東京と違って仙台は、ちょっと都心から離れれば、それなりに広い家になるんだ」

 このあたり俊はナチュラルに失礼であったりする。

 ボンボンだと分かっているので、信吾が不快に感じたりすることはないが。


 信吾はノイズの中では、俊と一番年齢が近い。

 そしてお互いの価値観が、お互いを排除しようというようには、働かないようになっている。

 年下の年頃の女の子たちをまとめる上で、妹がいるという信吾の言葉は、それなりに役立ってくれることもある。

 妹は生意気でやかましいという印象があるのが、彼が年上の女性にばかり手を出す理由なのか。

 それを訊いたこともあるが、単純に経済力のない女性の、ヒモにはなれないということであった。

 実際のところは年下の女の子は、妹と重なって可愛くて恋愛対象にならないらしい。

 シスコンめ。


 この日も信吾は、少しぐらい実家に帰ってもよかったのだが、俊が不調である今は、バンドを離れたくはない。

 栄二と二人でノイズの音を、土台のところで支えているのだ。

 ここがしっかりとしているからこそ、姦しい女の子たちが暴れても、どうにかちゃんとステージが成立する。

 バックミュージシャンを使ったり、打ち込みを使ったりするのではなく、しっかりと演奏を入れていくバンドには、ドラムとベースの安定感は絶対に必要だ。

 ファンキーと言われることはあまりないが、信吾のベースは重くて深い。

 なのでベースソロのパートなどが、入っている曲もあったりするのだ。




 信吾がこれまでに作った曲は、まずバーボンである。

 ラブソングとまで明確には言えないが、バラードであることは間違いない。

 本来ならこういう曲は、彩のようなややハスキーな声に合うのだ。

 しかしノイズの場合はツインボーカルを使えば、表現の幅は一気に広がっていく。


「せっかくだし、知り合いのバンドとか見ていくか?」

 信吾がそう言ったのは、現在の仙台の音楽シーンを、ある程度は知りたかったからである。

 なんだかんだと上京して五年、ほとんど里帰りすることはなかった。

 単純に金がなかったため、東京でうろうろとしていたのだ。

 ノイズに入って少しだけ余裕が出来て、帰ってみれば妹が随分と大きくなっていたりもした。

 それでも仙台の新しいバンドの動きなどは、あまり確認していない。


 さすがに東京とは比べ物にならないが、仙台にも300人規模の大型ライブハウスはそこそこある。

 信吾はそんなところへ、ノイズのメンバーを連れて行く。

 300人の規模を、対バンでスリーマンで埋めるあたりが、一つの基準であろうか。

 このあたりの人気があると、一応バンドだけで食っていける。

 もっとも実際は、食い続けていくことは出来ない。

 なのでバンドは、常に上を目指していかなければいけないのだ。

 ノイズの規模になっても、まだ安心とはならない。

 安心していいのは、それこそコンポーザーの俊ぐらいである。


 ただバンドを続けていくだけなら、チケットを五枚買ってくれる人がいればいい。

 もちろんそれはバンドを続けていくだけで、生活のためにはバイトなども必要となる。

 正直なところ確かに、東京では多くのバンドが存在していた。

 しかし都会部分から少し離れていたとはいえ、実家というアドバンテージは重要なものだ。

 そのあたり信吾は、生活全般を女に面倒を見てもらうという、かなり自分の顔面に頼った営業をしていたものだが。


 それでもヘルプには積極的に入り、腕を鈍らせることだけはないようにしていた。

 いよいよメジャーデビューが見えてきたが、そこで見たのがノイズである。

 本当にメジャーで通用し、しかもただデビューするだけで終わらないのは、ああいった存在だ。

 そう思ったからこそ、信吾はギターをまたベースに持ち替えて、ノイズに加入したのだ。

 ギターも経験していたことから、ノイズの当時抱えていた問題は、なんとなく分かっていた。

 あのままではギターが強すぎるということだ。


 仙台のライブハウスの中でも、キャパ250人という、信吾が顔パスで入れる場所がある。

 久しぶりに行ったそこは、今日も賑わっていた。

 対バンを組んでいて、三つのバンドの一つ目の途中。

 信吾はそこに入って、見慣れた顔をバーカウンターに見つける。

「よう」

「あら、凱旋公演前に、随分と余裕ね」

 どこか怪しい感じがするが、別にいかがわしい過去などはない。


 ステージの上でやっているバンドは、ハードロックに近い。

 だがメタル要素やオルタナティブ要素など、かなり混じったものとなっている。

 そもそもロックなどというのは、型にはまったものではないだろう。

 そういう意味では本当に、ロックらしいロックと言えた。




 このキャパのハコを、ちゃんと埋めることが出来るのは、トリのバンドが強いからであろうか。

 ただその前のバンドも、かなり実力を持っているのは確かだ。

 そういうバンドをしっかりと集める、そういうライブハウスなのである。

「オーナーに会ってく?」

「今いんの?」

「隅っこで見てるはずだから、終わったら戻ってくると思うけど。最後まで見ていく?」

「時間的には大丈夫だけど」

 そこで信吾は俊に確認する。

「明日のセッティングとリハは昼からだから、特に問題はないぞ」

 もちろん飲みすぎて二日酔いなどというのは言語道断だが。


 このハコはキャパが大きいが、かなりオーナーの趣味でやっているところがある。

 ビルの地下で他の階にはテナントが入っているなどということはなく、完全にライブハウスのみだ。

 これで採算が取れているはずはないよな、と思うのが守銭奴の俊である。

 本人としては守銭奴と言われるのは、他の人間が金に無関心すぎると思うだけだが。


 演奏するバンドを見ていったが、レベルはまずまずと言うよりも、何か突出したものがある。

 少なくともルックス売りはしていないし、ミスはあってもフィーリングが強烈だ。

 ただこれを商品にするのは難しいな、と考えてしまうプロデューサーの俊である。

 これはインディーズで力をつけて、そして自分たちで売っていくしかないだろう。


 曲や歌詞に関しても、かなり尖ったものはあるが、バランスが悪すぎる。

 それでも刺さる人間に刺さればいいのだろうし、そういう刺さる人間が250人ぐらいはいるというわけだ。

 ただトリのバンドに関しては、いきなりバラードから入っていって、かなりテンポも遅い。

 前のバンドが二つとも、アゲアゲの曲をやっていたからというのもあるだろう。

 あえて一度は落とした上で、そこからまた上げていくというわけだ。

「春歌秋祷ね」

 これはメジャーを視野に入れて曲を作っているな、と思えるバンドだ。


 それにしても最近、漢字四文字のバンドが前より多いな、と俊は思っている。

 だいたいロックなどというのは、英語かカタカナのバンド名であって、ノイズであってもそうなのだが。

 おそらく永劫回帰の影響なのだろうと思うと、今のメジャーシーンはまだあそこのままなのか。

 まだと言うよりはむしろ、伸び代が残っているような気さえしている。

 先日のフェスにしても、ヘロヘロにはなりながらも、少しは見ていたのである。

 荒々しいボーカルに、多様なテクニックを使うギター、そして女だてらにボンボンと激しいベース。

 そういったものの全てが、ゴートのドラムの上で踊っていた。


 いいバンドには必ず、いいドラマーがいる。

 そんなことも言われるが、確かに間違ってはいないだろう。

 ドラムはリズムを支えるもので、打ち込みなどを別とすれば、ここがしっかりしていないと他の楽器もふにゃふにゃになる。

 それを言うならこのバンドも、ドラマーがかなり強く叩いてしかも正確である。




 前の二つのバンドは、ドラムが少し弱かった。

 なので演奏も歌も、上手く伝わってこなかった。

 比較すればはっきりと分かるが、今のノイズはどうであるのか。

 栄二はメジャーデビューが決まっていたバンドのドラマーで、そこからスタジオミュージシャンになった。

 スタジオミュージシャンというのはとにかく、ドラムを叩きまくるのが仕事だ。

 バックバンドとしてある程度、ツアーなどに帯同したこともある。

 ともかくプロとしての経験値が、ノイズの中では圧倒的に多い。


 ドラムパターンなども、相当に豊富なものである。

 本当に人間が叩けるのか、というレベルでもしっかりと叩いてくる。

 ただドラマーの宿命とでも言えるのだろうか。

 主体的に曲を作ってきたことがない。


 確かにドラマーは、あまり作曲はしないイメージがある。

 作曲をするのはドラマーでも、マルチプレイヤーであったりする。

 ただビートルズではリンゴが作った曲はあるし、QUEENは四人全員が作曲が出来た。

 作曲はギタリストのブライアン・メイであるがWe Will Rock Youなどは終盤までほどんとリズムだけで成立している曲である。


 これは栄二にも曲を作れ、という命令ではない。、

 栄二の作った曲もあれば、俊自身の限界を突破する契機になると感じているのだ。

 このあたり俊は、いい意味でエゴイストである。

 何かを生み出すためならば、手段を選ばないというところがある。

 犯罪に走っていないだけ、充分に立派であるだろう。

 酒も麻薬もほとんどやらないのであるから、充分に健康な範囲内だ。


 ただその分、あまりにもロジカルで作っているという部分はある。

 フィーリングが重要であり、そのフィーリングの部分を白雪によって、かなり壊されてしまったという状態だ。

 本人もそれに気づいていないが、そもそも白雪はコンポーザーとして、俊よりも圧倒的に実績と経験値が多い。

 俊が作ってきたわずかなアレンジにも、まだまだ甘いところがある。

 それをステージの上で修正されるというのは、まさに公開処刑であろう。

 そこからであっても、まだ曲を作ろうというあたり、充分にタフな人間ではある。

 ボンボンではあるが、甘えたところがないのが、俊の長所なのであろう。


 ライブハウスのオーナーとも、ライブの終わりに話す機会があった。

 打ち上げなどにも誘われて、信吾はうっかりと付いて行きそうになっていたが、こちらは明日が本番なのである。

 夕方のステージまでに酒が抜ければいいというものではなく、あの衝撃のフェスから最初の大きなステージだ。

 万全の状態で臨むというのは、リーダーとして当然の判断である。

 仙台にやってくることがあれば、うちはいつでも歓迎だと言われた。

 確かに最初から、ほぼセットが揃っているここならば、費用があまりかからないであろう。

 またバンを使った貧乏ツアーをするならば、悪くない話である。




 ノイズは大きくなった。それはいい。

 だがいいことばかりでもないのだ。

 しっかりと利益を出すためには、それに相応しいハコと企画が必要になる。

 もちろん都内であるならば、他の要素をかなり排除して、チケットだけで黒字にすることは出来る。

 だが仙台までくるとなると、その前後の日程も必要となる。

 ローディーを手配するならば、その費用もかかるのだ。


 ただ、俊は貧乏ツアーも考えてはいる。

 来年の夏、千歳が大学に合格していれば、全国津々浦々を、バンで回ってツアーをしたいのだ。

 大きなホールだけではなく、地方の小さなライブハウスを入れてもいい。

 とにかく30箇所以上を、北から南まで制覇していく。

 さすがに全ての都道府県、というのは無理であるだろうが。


 ノイズの方向性はどうするのか、という問題である。

 手の届かないスーパースターか、それとも近くに感じられるものか。

 スーパースターになるには、もっとエキセントリックな路線が必要になるかもしれない。

 ただ現在のネット社会においては、フィジカルな存在であるということが、人気の理由になるだろう。

 アイドルが東京ドームを三日間埋められるのは、その音楽のみにあるわけではない。

 もっと他の、何かが必要なのである。


 単純に売れる要素は、三つあると言われている。

 一つは演奏と歌唱の、純粋な音楽的能力。

 また一つは単純なルックス。だがこれは美形であればいいとかではなく、人目を引くものであるというものだ。

 そして最後の一つであるが、これは運とかタイミングとか、あるいは時代性というものだ。

 この三つめをしっかり掴むのが、ほとんどの人間にとっては大変に難しい。


 プロデューサーはこのあたり、時流をしっかりと判断して、どう売っていくかを考える。

 実力があるのに売れなかった、というのはここに当てはまるものである。

 ただこれには逆のことも言える。

 自分たちで時代を作り出してしまう、というような存在もいるのである。

 プレスリーやビートルズは、間違いなくそうであったろう。


 俊の父は、時流に上手く乗った例だと言える。

 シンセサイザーによる電子音の多様性が、バンドミュージックを上回っていた頃だと言えよう。

 もっとも電子音はその後も、普通に流行曲に使われている。

 ボカロPの時代である。

 日本の場合はバンドの時代と、電子音などによるソロの時代が重なっていると言えるだろうか。

 今でもバンドは男の場合が多く、そしてボカロPはたいてい女性とユニットを組む。

 女の声は自分では出せないというか、そもそもボーカロイドが女性曲が多いというところから発生している。


 ノイズは上手く時代に乗っている。

 ただ時代を一つで変えるほど、巨大な存在ではない。

 これは単純に、俊の実力不足であるというところが大きい。

 もっとも売り方からして、巨大資本を初期に投下しなかった、というのも影響しているだろうが。

 逆に初期に一気に投下したのが、MNRである。

 永劫回帰もすぐに人気が出た方であるが、MNRなどはおそらく社運をかけて売り出したのではないか。




 ノイズのイメージ戦略は成功したと、阿部なども言ってくれている。

 音楽のスタイルと、外見的なイメージ。

 月子だけはちょっと特別で、そのくせ顔出しをしないという路線。

 もっともこれは俊にとってみれば、Vのことが頭にあったため、普通に考え付いたことなのだが。


 美人があえて顔を隠す。

 そのくせ楽屋や業界人の間では、それなりに事実が浸透している。

 写真などで明らかにはならないが、美人であることは普通に伝わっていく。

 ならばどうして隠すのか、というと、隠された方が人間は興味を引くからである。


 あとはノイズの中では、ロックな暁とカジュアルな千歳、という対比もある。

 どこかのバンドTシャツを必ず着ている暁だが、佳境に入ってくるとそれを脱ぐ。

 小さいのに大きい、というギャップがそこにはある。

 これは別に俊が指示したわけでもないので、本当に偶然が重なったものである。

 その偶然の重なりというのが、重要なものであるのかもしれないが。


 ホテルに戻ってきた俊は、ライブを見て昂ぶっている自分を感じていた。

 音楽というのは上にばかりではなく、下からも迫ってくるものなのだ。

 果たして年末のイベントが、ゴートの考えている通り成立するのか。

 そこはもう俊の感知するところではない。

 だが永劫回帰とMNR、そして花音と一緒にやるというのは、それだけで同じレベルにはいる、という証明になる。


 日本のポップスの、頂点近くには達している。

 それでもさらに先へ、高みへ、行きたいとは思っていた。

 ただそれが白雪の手によって、身の程を知れと言われた気分になっている。

 もちろん俊としては、それで諦めるほど殊勝な性格はしていない。


 基本的にはエゴイスティックで、そして自分の目的のためには手段を選ばない。

 ただ実際は、手段を選んだ方が目的には近づく。

 そういった小賢しいところが、俊の欠点ではある。

 自分の欠点を正しく理解し、そしてそこをどう突破していくのか。

 俊はなかなか、眠れない夜を過ごすのであった。

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