第231話 夏休みの友
暁の肉体はギターを弾くために最適化しようとする。
普段は硬貨をピックにするが、場合によっては指や爪でも弾く。
弦を弾くのも抑えるのも、色々なやり方を試している。
これは父という教師が、既にかなりの技術を獲得していて、小さい頃から当たり前のようにあったものだ。
同じく一人で弾いていても、そのあたりが木蓮の及ばないところである。
だからといって暁が、木蓮を甘く見るとか見下すとか、そういうことは全くない。
ギターを弾いている人間は、それもタコが出来るほど弾いている人間は、皆友達なのである。
ボールは友達、とかいって蹴ってはいけない。
夏休みに入ってからは、ノイズのメンバーが完全に揃うのは、フェスやツアーの練習の時である。
もちろん暁は暁で、ちゃんと高卒資格を取るために、課題などを提出している。
そして自由になった時間で、ギターをとことん弾きまくる。
新曲を作成するためである。
俊は優秀なコンポーザーだが、同時に他者の楽曲も貪欲に求める。
曲の断片であっても、俊にとっては構成要素になりうる。
ツインバードなども最終的には、俊がアレンジして仕上げたものだ。
しかし作曲は暁と千歳になっている。
自分の功績はあくまでも、編曲として名を連ねるのみ。
それでも充分に、最終的には手を入れていると分かるのだ。
俊は無欲なのかな、と思ったこともある。
だが長期的な安定を、俊は求めていたのだ。
昔からバンドの解散する原因は、ほとんどが金銭的なものだという。
音楽性の違いというのは、あくまでも対外的に向けたものだ。
もっとも作曲者にばかり、圧倒的に印税が入るというのは、法律的に仕方がない。
だから俊は他のメンバーにも、作曲や作詞をしろと言うのだ。
収入が安定するということは、そして待遇がそれほど変わらないということは、バンドの安定につながる。
今のメンバーで音楽を続けることが、長期的に見ればとても理想に近いと、俊は判断しているのだ。
そして意外なことかもしれないが、曲の断片を持ってくるのは、暁よりも千歳の方が多い。
インプットの幅が、俊や暁は基本的に、スタンダードなロックからの発展によるからだ。
「千歳、それどこから持ってきたの?」
「うん、セーラームーンの変身バンクの音楽」
こんなノリである。
また、典型的な古いハードロックかな、と思ったらまた違った。
「これはね、不思議の海のナディアっていうアニメの、グラタンの音楽」
そのあたり全て、二人が生まれるはるか以前の作品である。
「そうは言ってもZガンダムのOPは、作曲ニール・セダカだよ?」
このあたり本当に、意外なところに意外なつながりがあったりする。
坂本九の「上を向いて歩こう」が全米一位になったように、日本の音楽がアメリカで全く受け入れられないということはないのだ。
このあたりは俊も、少し調べてみたことがある。
70年代中頃から90年代までのアニメの、OPやED曲ではなく劇中曲。
これはかなり音楽の系統として、独立しているように感じる。
ただ千歳の、固定観念に囚われないという点では、俊も脱帽することがある。
なんだかこれはどこかで聞いたはずだぞ、というギターリフを持ってくる。
首を傾げるみんなの前で「君が代じゃん」と言われた時には驚いた。
ロックの起こりは黒人のブルースからである。
それを考えれば日本の古い音楽から、何かを生み出すというのはむしろやり方としては新しくもない。
「津軽海峡冬景色の最初の展開とかも、ちょっとバラしたら演歌じゃなくてフォークにならない?」
フォーク・ロックというジャンルもあるというか、そもそもフォークは古い時代、ロックよりもよほど反社会的というか、平和を歌ったものであったのだ。
ロックは甘ったれたラブソング、という段階があった。
ボブ・ディランのような社会風刺とも取れる歌詞があったりもして、その可能性は無限に広がっていったわけだが。
ノイズで作ったグレイ・ゴーストはディープ・パープルの初期作を三つほど組み合わせたものだ。
こういったことは90年代ぐらいまでは、特にパクリということも言われることがなかった。
リフを一部だけ使うことや、コード進行は使いまわしても普通のことである。
限度がどこにあるのかは、ちょっとまた別の話になるのだ。
最近の千歳は、ようやく彼女なりのギタースタイルを確立しつつあるというか、一般的な単なるリズムギターから変わりつつある。
ただイングウェイ・マルムスティーンの影響じゃないのか、と思わないでもないリフを作ってくる。
イングウェイはクラシックをギターで演奏したりしたので、千歳もクラシックの知ってる曲から、リフを作ってみようとしたりしている。
しかしそのあたりは、俊が黙ったまま流した音楽を聴くと、ため息をついてしまうのだ。
俊は既に、クラシックをロックに導入することは、いくらでも試している。
そもそも70年代のボヘミアン・ラプソディがオペラをロックに組み合わせたものではないか。
和楽器でロックをするのは、和楽器バンドがやっている。
ボカロ曲の千本桜を、和楽器メインで演奏もしているのだ。
ただこういった試みを、ただただ折っていくのでは、創造性の芽を潰すことになる。
おおよその人間は誰しも、最初は模倣から入るのだ。
あの天才もクラシックの畑から出てきたが、即座にポップスに適応した。
そしてロックの歴史を紐解いていけば、また現在はR&Bに戻っていたりする。
ヒップホップはちょっとまた、ストリート系としては違うのかもしれない。
音楽は変化する。
そして再発見というものが、頻繁に起こるものだ。
あの徳島であっても、自分のものはともかくとして、他人の曲からはいくらでも要素を取り出して楽曲に入れている。
彼が避けるのは、自分の作品の縮小再生産。
基本的に過去の名曲を、再構成するのは誰もがやっていることだ。
あとは、歌詞の問題であろう。
「それじゃあ、今日はよろしく」
「よろしくお願いします」
「よろしくお願いします!」
暁は本日、木蓮を連れてガールズバンド、クリムゾンローズのスタジオ練習に参加していた。
彼女たちも既にデビューをし、何曲かをヒットチャートに乗せた。
爆発的な人気というわけではないが、しっかりとフェスなどには出ているし、ワンマンライブもそれなりのハコで行っている。
スリーピースバンドというと、どうしても今はMNRが思いつく。
正直なところ暁としては、MNRよりもクリムゾンローズの方が洗練されていると感じる。
ただMNRのドラムはパワフルでよく響き、ギターはスピード感がある。
そしてそれをベースが上手くまとめているのだ。
クリムゾンローズはそれに比べると、息が合いすぎて誰かが走るということがない。
そこが逆に、ライブ感が不足しているということになるのだろうか。
あと少し、ブレイクすることが出来ていない。
技術的なものはあるし、強固なファンも存在する。
楽曲もそれなりにキャッチーなのだが、結果としてノイズとはだいぶ差がついた。
活動期間で言うならば、MNRの方が短いのだ。
つまりあちらは、まだまだ伸び代がある。
暁のギターを入れてカルテットになると、どうしても不協和音になりかねない。
しかしこの組み合わせは、むしろそれを目指しているのだ。
だが暁も昔に比べれば、かなり合わせるのが上手くなってきている。
バンドとして成立しないような、そんな感じは全くしない。
なので、今日は木蓮を連れて来た。
「じゃあレンちゃん、入ってみようか」
「はい!」
クリムゾンローズのリーダー新城が促す。
暁はここまで炎天下の中、ギターとエフェクターボードを持って、スタジオまでやってきたわけである。
木蓮は備え付けのアンプを使って、音を合わせていく。
今日は暁であるが、他の日には千歳が、知り合いのバンド巡りに木蓮を連れていっている。
ノイズに七人目のメンバーは必要はないし、実際にポジションの空きがない。
千歳が事故でも起こしてステージに立てなくなったら、ちょっと代役はやらせていいかもしれない、
それでも本当に大事なステージなら、そんなこともさせない。
もちろん小さなハコであっても、本来なら全てのステージが、大切なものであるはずなのだが。
「レンちゃん、将来有望だね」
クリムゾン・ローズのリーダー新城佳奈は、そうやって真っ直ぐに誉めてくる。
「だけどまあ、サリエリの言ってることも分かる」
クリムゾン・ローズはこの三人で、長い間プレイしてきたバンドなのだ。
これに一人を加えるとか、交換で誰かを入れるぐらいなら、もう解散してしまってもいい。
暁ほどのギタリストと合わせた上で、そういう結論に至ったのだ。
それでもたまには刺激を求めて、他の誰かとセッションすることはある。
楽器はシンプルにギターとベースとドラムだが、楽曲の中にはストリングスや管も入れることがあって、それは事務所に手配してもらう。
電子音を使った曲も、少し考えてみたりはした。
だが本格的に爆発するような、キラーチューンを生み出すことは出来ていない。
そのあたりが限界であるのだろうか。
違う。
自分の限界というのは、諦めてしまったそこにあるのだ。
俊は絶望的な壁を前にしても、必死で迂回路などを探していった。
またその壁を乗り越えるために、必要な人材も発見した。
運が良かったとも言えるのであるが、その運を活かすためには、諦めずに行動し続けることが重要であった。
諦めてしまっていたら、出会いはなかったであろうし、その出会いに手が伸びることもなかったからだ。
諦めなかったから勝てた。
ただ、諦めることも重要なのだ。
全ての人間が、諦めずに勝てるわけではない。
自分は特別ではないと、自分で判断する。
そして社会の中の一員として、普通に生きていく。
偉大なアーティストは、確かに世界を変えるだろう。
ジミヘン、ジョン・レノン、カート・コバーンといったミュージシャン。
彼らはまだまだ生み出していく途中で、その命は失われた。
世界を変革させた後、まだまだその力は残っていただろうに、亡くなったアーティストもいる。
ミュージシャンだけではなく、日本なら手塚治虫などは死の直前まで、仕事をさせろと叫んでいたとか。
俊の父である東条高志は、完全にもう音楽のシーンから忘れられて、そこで死を迎えた。
だが彼は音楽ではなく、プロデュースのあり方などにおいて、大きな影響を音楽業界に残した。
人間は世界に合わせて自分を削るか、自分のままでいるために世界を変えるしかない。
そして後者の生き方が出来る人間は、本当に限られている。
俊でさえ周囲の力がなければ、変革の動きなどは出来なかっただろう。
ノイズの中では暁が、一番自分の力で、周囲を変えているように思える。
月子もまた、自分の力によって、生きにくい人生を変えることに成功した。
俊の協力があってこそだが、俊にそこまでさせたのが月子の力だ。
ビートルズ以前にも音楽はあり、プレスリーは確かに作曲などはしなかったが、スタイルは世界を変えている。
時代性までも変えてしまったという点では、ビートルズの方が上なのであろうが、そこまでのレベルになるとどちらが上かと言うのも野暮なものである。
革新的な人間であっても、その前には確かな時代があった。
時代を革新するためには、それ以前の時代を破壊する必要がある。
つまりそれ以前の社会を、正しく理解してその中で生きていたということなのだ。
誰もが誰かの影響を受けている。
そしてそれを取捨選択、換骨奪胎して、新しく見える何かを生み出すのだ。
今年はまず八月中旬に、フォレスト・ロック・フェスタが行われる。
郊外型と言うべきか、これまでノイズが参加してきたような、大規模な公園などを利用して行われるものではない。
野外の土地にセットから一から作り、100を優に超えるミュージシャンやバンドが、集まるフェスである。
参加数の多さから考えると、日本最大のフェスと言ってもいいだろう。
ステージも色々とあって、集まる人間も連日10万人を超える。
一つの街が、短期間だけ出来てしまう規模なのだ。
だが問題点というか、不便な点も色々とある。
交通のアクセスについては、バスなどのピストン輸送で、どうにかならないでもない。
問題はインフラの方と、あとは宿泊の問題か。
トイレや水道に、あとは風呂などといったものも、完全に客のキャパの限界を超えていて臨時にどうにかする必要はある。
もっとも演奏するミュージシャンの方には、さすがに近くのホテルなどが用意されているが。
ノイズは最終日、五万人が集まるメインステージで、ヘッドライナーの一つ前という順番だ。
今年のメインステージ最終日のヘッドライナーは永劫回帰。
ロックポップス路線でありながら、あえて日本語の漢字のみというグループ名。
リーダーであるゴートは、栄二がスタジオミュージシャンになるきっかけを作ったアーティストだ。
別に嫌がらせなどを受けたとかではなく、年下にあんなドラマーがいるのか、と少し心が折れたのだ。
今は一応、永劫回帰の時代と言っていいのだろう。
そしてそれを上回りそうなのが、MNRである。
ノイズはそれよりも、少しだけ格落ちになっている。
ただこれは初期からの宣伝に、力を入れていなかったからというのが大きい。
どちらもメジャーレーベルで、メジャーデビューして人気を爆発させたのだ。
ノイズは実は、未だに正確にはインディーズバンドである。
特大に売れる自信があるならば、別にインディーズで小金を稼ぐ必要はない。
白雪やゴートといったあたりは、既に今のバンドの前から、売れるだけの力を持っていた。
ノイズは俊が、とにかく石橋を叩いて渡るタイプであったのだ。
この業界は勢いで行ってしまった方が、一気に売れる業界である。
しかし俊は短く終わるつもりもなかったため、しっかりと土台を作っていった。
それでしっかり、二年で武道館に至ったのだから、地道な行動が結局は確実であったというところだろう。
近道に見えるそちらは、結局重い荷物を持ってはいけない。
蓄積した確かな人気は、もったいぶることによって上手く展開していった。
全てが俊の計算通りなどではなく、むしろこのペースは随分と早い。
彩には二年と言ったが、それは音楽の質の話。
人気を確実に出すのには、五年ぐらいはかかって当然と思っていたのだ。
ノイズの出番は最終日であるが、その前の日も普通にホテルは取ってある。
他の二日間は海外からも訪れる、レジェンドを見ればいいだろうという話だからだ。
参加者特権で、どのステージも見に行くことが出来る。
「フラワーフェスタは出ないんだね」
「花音単独なら可能だっただろうけどな」
月子の素朴な疑問に、俊としては当然の答えを返す。
フラワーフェスタは今、地味に人気が広がりつつある。
元々パフォーマンスというか、演奏技術は圧倒的であるのだ。
ただライブハウスでオーディエンスを熱狂させるには、技術だけではなくパッションが必要になる。
彼女たちはそういった部分のフィーリングも、しっかりと備わったバンドである。
時間の問題で、すぐに有名にはなっていくだろう。
ただ今はレコード会社から、さらに一人をオーディションで取ろうとしている。
「俊さん、レンちゃんは紹介しないの?」
ここのところ練習意外では、暁と千歳が彼女を、連日他のバンドに顔つなぎさせにいっている。
しかしその中に、フラワーフェスタは入っていない。
「フラワーフェスタは確かに、レベル的にも音楽の方向性でも、彼女には合うんだけどな」
オーディションは最終結果が夏休みの終わり頃なので、途中から押し込んでみてもいいと思う。
「だけどお互いにとって、悪い結果になると思うんだ」
このあたりの俊の感覚は、月子にとってもちょっと分からない。
だが自分で音楽を生み出すよりも、他人の音楽を理解する方が、俊は得意である。
自嘲するように言うが、俊が売れると言ったミュージシャンは、ほとんどがすぐに売れ出す。
フラワーフェスタは花音一人で売り出すよりも、むしろ難しいことは分かっていた。
それでも花音がバンドにこだわっているなら、そうさせるしかないだろう。
彼女の才能は、あまり俊の好きな言葉ではないが、間違いなく天才だ。
生来のセンスというものが、根本的に他者とは隔絶している。
また育った環境も、圧倒的に優位なものであった。
花音は確かに天才であるし、フラワーフェスタも卓越した能力の集団だ。
それに対して木蓮は、あまりにも歪なのである。
表面的なものを見るだけなら、確かにあの年齢であの技術は、そうそういないものであろう。
だがそれでも、まだフラワーフェスタには足りないものだ。
いっそのことアメリカから、同じような年齢の少女を連れてくればいい。
あちらはギターの本場なだけに、女子でも凄腕がそれなりにいる。
もっとも年齢制限が、ネックとなるのは確かだ。
彼女たちの持っている、明らかにノイズをも上回るストロングポイント。
それは無鉄砲な若さだ。
そしてその無鉄砲を通してしまう実力だ。
ただフラワーフェスタは、物事の本質を深く、読み取る能力はさすがにないと思っている俊だ。
下手に木蓮を彼女たちに合わせると、お互いをスポイルする可能性がある。
木蓮にはまだ、音楽で食っていくという意志さえも、しっかりとは持てていない。
彼女のような人間関係の苦手な人間は、それでも許される業界に入った方が、むしろ生きやすいのであろう。
しかし両親が離婚していて、保護者である母親は本格的な音楽活動になど、全くの理解がない。
せめて大学生にでもなって、自由な時間を確保出来るようになれば、また違った生き方を模索してもいいのだろう。
あと三年経過しても、まだ18歳。
そこまでは腕を磨いて、他のメンバーと合わせることを出来るようにするべきだ。
あまりにもお節介であるのは承知の上だが、センスや才能も正しく磨かなければ磨耗するだけだ。
そして俊は、才能が無駄に潰れるのを、見るのが耐えられない人間である。
自分たちのライバルになると思っても、それは切磋琢磨する相手になるだけだ。
ライバルは強い方が、より自分たちも輝ける。
ダイヤモンドを磨くのもまた、ダイヤモンドの役目なのだから。
そんなことを考えていた俊は、いよいよフェスへの準備も佳境になってきた時、また千歳に連れられてきた木蓮と会うことになった。
そして彼女から相談を受けてしまったのだ。
「セッションしてたら、そこのマネージャーさんみたいな人が、ガールズポップロックのオーディションを受けてみないかって」
渡された名刺は、ALEXレコードのものであった。
俊としてはちょっと言葉に詰まる。
オーディションをどういう過程でおこなっているのか、俊は詳しくは知らない。
だが既に途中までは進んでいて、一次選考などは終わっているはずだ。
しかしそんな段階で、誘っているということ。
これはまた中途半端な、A&Rに目をつけられたしまったと言うべきだろうか。
「そんな相談をされてもな……」
間違いなくフラワーフェスタのオーディションであるし、木蓮はしっかりと条件に合っている。
マルチプレイヤーが多い中、彼女はギターを弾けるだけだが、ボーカルとしても通用する。
会社人として考えるならば、才能を見つければ唾をつけておくというのは、分からないでもないのだ。
だがまだ育っていないものを、無理に世界に呼び込んでしまう。
それで潰れてしまう人間も、確かにいるはずなのだ。
「自分で考えて、自分で決めなさい。とは言っても、アドバイスぐらいはしておこうか」
結局最後には、自分で決めることなのだ。
俊が彼女に与えている機会は、あくまでも彼女の技術を高めて、顔を広げておくためのもの。
実際にやってみたら、案外あっさり通用するということも、ないではないのがこの業界だ。
結局のところ、誰かが発掘してしまうのか。
そもそもメジャーやインディーズ、実力派のバンドのところに出入りしていれば、情報が拡散するのは当たり前のことだ。
「下手に合格してしまっても、自分の人生の責任は、他人がどうこうしてくれるものじゃないからな」
ボンボンではあるがシビアなところも持っている俊は、それぐらいのアドバイスしかすることは出来なかった。
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