観察対象:地球

one man writer

観察者の音声

「ふむ…地球もなかなかに技術が発展してきたようだな」

「そうだな。このままいけばいずれ我々の存在にも気づくだろうな。」

「人間とフレスタンの交流もすぐそこか…。」

「しかし、初期に送った、シンヴァリウムがここまで観察に役立つとは思わなかったがな。」

「そうだな。地球の生物と体の構造は同じようなものにしたがどうにも動きだけはカクついてしまっていたからな。妥協してその状態で送ったがまさかここまで役に立つとは…。」

「初期に送ったのが逆に良かったのかもしれないな。昔からいる「鳥」として親しまれているようだぞ。たしか、地球では「スズメ」と言ったかな?」

「ああ、それは地球でも日本人という人間が呼んでいるものだな。地球は昔の我々と同じで国によって言語が違うからな。まあ、いずれは我々と同じで言語が統一されるだろうな。ああ…それにしても…また休んでいる間に顔ぶれが変わっている…。ずいぶん地球の生物は短命…なのだな。1000年以上生きる生物がほとんどいない。おかげで優秀なものも早々に死んでしまっている。」

「まだまだ医療の技術が低いからな、確かカムセルから送られた情報に何体かいた程度だったな。その生物を見つければ人間の技術はかなり進歩するはずだ。少なくとも寿命は跳ね上がるだろうな。」

「カムセルはかなり良く作れた生物だ。外敵から襲われにくいように迷彩型にして森に放ったが…思った通りの活躍をしてくれているな。地球ではなんだったか…」

「カメレオン」

「そう、カメレオンだ。」

「いい名前だ」

「ああ…そうだな。我々もこれからは「カメレオン」と呼ぶか?」

「やめておこう。すでにカムセルで我々の記憶に染み付いている。今変えても、なかなか適応できないものが現れるだろう」

「それもそうか。そういえばカムセルと同じ迷彩型の生物がもう一体いたよな。」

「ああ…イカの事か。」

「そうそうイカといったな。あれは地球でもイカと呼ばれているのだろう?」

「ああ、偶然の一致だ。まさか人間が同じ名前を付けるとはな、知ったときは笑ってしまったよ。」

「私もだ。イカもかなり観察に役に立ってると聞く。」

「ああ…なんせ人間が好んで食べているからな。様々な種類の人間の体内まで観察できているよ。そういえば深海の観察用にと作ったイカから最近、巨大生物の情報が送られてきたよ。少なくとも1000年以上は生きている。人型でなかなりの巨体だ。」

「ほう…そんな生物が地球にも…面白い。その生物がさらに観察できるように生物を開発しましょう。」

「それは心強い…よろしく頼みますよ星外生命観察センター生物開発部署署長。」

「お任せください…生物観察部署署長」



 

 ※この物語はフィクションです。実在の団体、人物、生物とは何も関係ありません。

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観察対象:地球 one man writer @tondani_pee

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