31話 二股最低王子 蒼乃 佐伯 編
◇◆◇
「ねえ、まみちゃん、今日のお客さんってなんか極端だね。
アイドルのような美男美女のカップルが来たかと思えば、今度は立て続けに
キャップにサングラスにマスクのお客さんが5人連続。それにそのうち3人は女の子。それもあの人たち全員ずっとあのアイドルみたいな2人を見てるよ」
「多分、有名なアイドルとそれを追っかける文秋とかの記者じゃないの?
あのレベルのかっこよさはそうそういないしね」
「たしかに。何か面白いことでも始まるかな?私、定期的に近くのテーブル拭くなりして話を聞いてきて良い?」
「相変わらずそういうの好きだね。灰ちゃん。今日はお客さん少なめだし好きにしていいよ」
「さすがまみちゃん、私のことわかってる。隣町までバイトに来た甲斐があったわ」
カフェの店員もこの異様な光景に興味を引かれている。
ピンポーン カフェのチャイムが鳴る。
カフェの入り口に一人の美少女が立っている。
「いらっしゃいませ~」
灰がとっさに声を掛けてしまう。
(めっちゃ美少女!あのカップルの女の子に負けず劣らずかわいい)
「お客様は何名ですか?」
「先に友人が来てるはずなんですが」
「どのようなご友人様でしょうか」
(あのイケメンの取り合いとか始まったら最高なのに)
「あ、あそこにいる長い髪の女の子の席」
(きた~~!修羅場になるのぉ!?)
「ご案内します」
▽▼▽
「こちらのお席になります」
俺と水面の横に店員と女性が現れる。
「きたきた。座って」
水面がその女性に自分の席を譲り、俺の横に座る。
その女性が俺の目に入る。
「えっ!?花さん?」
「えっ!蒼乃くん?」
「なんで花さんがここに?」
「なんで蒼乃くんがここに?」
『水面(ちゃん)、説明して』
俺も花さんもハモって同時に流川さんに説明を求める
◇◆◇
ピンポーン
翠はカフェの入り口をとっさに見てしまう。
(なんてかわいい人。ボーイッシュだけどカッコかわいい)
「緋ちゃん、みて。超かわいい子が来たよ」
「翠、私たちはそれどころじゃないの。あの2人の一挙手一投足を逃しちゃダメよ」
「ごめん。あまりにもかわいかったから。って店員さんと一緒に2人の方に行くよ」
「待ち合わせ!?」
見守り続ける2人
◇◆◇
「花ちゃん、佐伯くんが私の彼氏です。そういうことだから理解してね」
「理解できるわけないじゃない。佐伯くんが水面ちゃんの彼氏な訳ないじゃん。
だってアレ(レズ)なんでしょ」
「そうだよ。でも佐伯くんと付き合っていることは事実だから。ねえ、佐伯くん」
(ちょっとまってぇ、花ちゃんに水面との仲介役頼まれたの俺なんだけど。でも彼氏役の約束もしたし......)
「うん。彼氏の蒼乃です、よ」
声がうわづってしまう。
「ひどい!蒼乃くんのうそつき!」
花ちゃんは涙を目に浮かべ大きな声を発する。
(ようやくわかってきた。花ちゃんは俺に相談する前から流川さんにもうプッシュしてたんだ。流川さんはそれを回避するために俺を彼氏役に仕立てたんだ)
◇◆◇
「ねえ、緋ちゃん。あのボーイッシュな子、泣き始めたよ。今の話の流れだとイケメンくんの取り合いみたいになってるね」
「そうね。ロングの美少女と付き合っているみたいだけどショートの子とも付き合ってたということ?二股?私の王子様が最低なゲスやろーだったの?」
「あれだけかっこいいとそういうことも有るのかもね」
「なんで私がこんなにショックを受けなきゃいけないの......」
緋の顔には悲壮感が漂っている。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ついに修羅場が始まりました!
ここから怒涛の展開が
楽しみの方は☆レビューをよろしくお願いします♪
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