28話 肉食天使 流川 水面 編
「翠、注意した方がいいわ。流川さんのあの目は佐伯くんのことを好きな女の目よ。なぜこんな男に気を持つのか流川さんの気が知れないけど」
白木緋は先ほどの流川さんの行動に疑問を持っている。
「やっぱり!私もちょっとそう感じてたんだよね」
もうすでに翠ちゃんは流川さんを敵認定している。
「翠ちゃん、私も流川さんのあの目と佐伯くんへのあの触り方は好きな男にするものだとおもってるのよ。なんでこんな男が好かれるのかわからないけど気をつけて」
(おいおい、緋さんも桃ちゃんも僕をディスるのはいいけどそれはすなわち僕のことを好きな七瀬さんに対してあなた趣味悪いよって言っているようなものだぞ。それに流川さんは僕に対して恋心は一切皆無だ。なぜならレズだからだ)
▽▼▽
「佐伯くん、流川さんが美少女だからって変な気を起こしちゃダメだよ。それに私とのデートよりも先にデートされるのも悔しい。いつ行くの?」
「来週の土曜日だけど」
「何時?」
「13時に駅前集合」
「その日の門限は18時だからね」
「いやいや、門限決められても。そもそもそんな時間まで一緒にいないし、用事終わったらすぐ帰るよ」
「やった!やっぱり私のことが1番なのね。
私とのデートは門限解除でいいからね♡」
「いや、ランチしたら帰るよ」
「くぅ〜、やはり佐伯くんはガードが堅いね」
七瀬さんとよくある一連のやり取りを終えたら緋さんが割り込んできて七瀬さんを連れ出した。
「翠、ちょっと、作戦会議を開きましょう。今日の夜、白木荘でやるわよ。桃もね」
(ちょっと待って、それは僕に対する会議でしょうか?)
「佐伯くん、やるねぇ!七瀬さんだけでなくて流川さんまで手を出してるのか。これは上級生も黙ってはいないだろうな。くれぐれも急に誰かから刺されないようにね」
「刺されるって流川さんてそんなにもモテるの?」
「そりゃそうさ。あそこの3人が入学するまでは流川さんがこの学校の男子生徒の人気を独り占めにしてたらしいよ。女らしさも男らしさも、繊細さも大胆さも、かわいさもかっこよさも全て兼ね備えている SSR美少女だからね」
「別にそんな人と仲良くなりたいわけじゃないんだけどなぁ。刺されたらもうそのままあの世にでもいこうかな」
「本当にありえそうだから気をつけなよ。それとさっきの写真、俺にもちょうだい。 SSR美少女でかつ四天王が一同に会した写真なんてなかなか手に入らないよ。本当に佐伯くんさえ写真の中に入っていなければプレミアムもんって思うけどね」
「同感だよ。僕も入りたくなかったよ。モブキャラがあんな美少女ばかりに囲まれてたら笑いもんだよ。もしくは生け贄かな」
「佐伯くん、ナイス自虐!」
▽▼▽
白木荘の住人の3人、緋、桃、翠はホールで緊急ミーティングを行っている。
「翠、流川さんはやばいわ。中学時代にあの人は気に入った男は必ず落とすって有名だったの。だから佐伯くんは危ないわ」
「私も嫌な予感がするの。でもどうすることもできないし」
「なぜかわからないの...... 翠が佐伯くんを好きになった理由は聞けば多少は納得できるけど、流川さんがどうしてあのモブキャラに興味を持ったのか。それと真珠おばあちゃん、いや、理事長がどうしてこの白木荘に.......、じゃない、理事長も佐伯くんのことを気にかけてる節があるの」
(危ない、翠の前で佐伯くんが白木荘に住んでいること言いかけてしまった)
隣で桃が鬼の形相をしている。
「わたし、頑張る!私の愛で流川さんに勝ってみせる」
純粋純愛アイドル七瀬さんはガッチリ流川さんとぶつかり稽古をするみたいだ。
「でも翠ちゃん、流川さんの行動も読めないし、待ってると佐伯くんが毒牙にかかっちゃうかも。ここは攻めましょう」
「そうね。今度のデートで何をするかわからないから尾行をしてもいいかもね」
「ええ!?尾行するの?でもそれってストーカーじゃない」
(おまえがいうのか!)
緋も桃も心の中でつっこんでいる。
「取られていいの?翠」
「いやだ」
「じゃあ覚悟しなさい。あなたが佐伯くんを守るのよ」
「私1人じゃ心許ないよぉ」
「じゃあ私もついていってあげるから。桃は来れる?」
「ごめん、その日は来週のキャンプの準備があって。再来週の土曜日に彼とキャンプに行く約束してるの。だから完璧なキャンププランを実行しなくちゃいけなくて」
「じゃあ、翠と私の2人で尾行しましょう!」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
あとがき
名探偵(名ストーカー)緋と翠が誕生しました!
次回以降お楽しみに♪
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