27話  SSR美少女記念撮影 佐伯 蒼 編

純粋・純情美少女 七瀬さんが流川さんの前に立ち、僕と流川さんを分断する。

ぷんぷんと怒った顔をしているがそれがかわいすぎて怒っているようには見えない。クラスの男どもはそのぷんぷん顔がかわいく見えて仕方がないようだ。

でれ〜んと鼻の下を伸ばしている。


「まぁ、なんてかわいい女の子。怒った顔も可愛すぎる」


ぎゅう〜っ


今度は流川さんが七瀬さんの顔を豊満な胸でうずめてハグをする。


『うらやましい!』

クラスの男どもは感情の一致団結をしている。


「ちょ、ちょっとやめてください」

「ごめんね、可愛かったからつい。その可愛さだし、あなたが噂の四天王の1人?」

「よくわかりませんがそう言われているみたいです」

「他の2人は今日はいるのかな?」

「あそこに座っている赤色の髪の毛の子とピンク色の髪の毛の子がそうです」

「うわぁ、かわいい!やっぱりかわいい子」

「そんなことより佐伯くんとはどういう関係なんですか?」

「ん〜?ねえ?佐伯くん、なんて答えるのがいいかな?」

「なんで僕に聞くんですか?」

?佐伯くん、なんでぼ...」

「わあぁあぁっと流川さん!」

僕の正体は絶対にバレてはいけない。僕は流川さんの口を手で押さえ話せないようにする。


「んんっ、離して」

「ごめんなさい。とっさに」

「ううん。わかった。そういうことね。

「流川さん、今度話しましょう。今日は帰ってくださいね」

「そうだね、来週だったね」


『なんでだ〜』

デートという言葉を聞いたクラスの男どもはみんな頭を抱えている。

七瀬さんもその1人だ。


「はーい、流川さん。佐伯くんのマブダチの倫太郎です。彼より俺の方が将来性ありです。ただいま乗り換え無料キャンペーン中ですよぉ〜」

紫尊くんがいつものことながら割り込んできて流川さんにアプローチをする。


「ないない」


まったくの無表情で一切の興味なく紫尊くんを切り捨てる。

この光景は何度見たことか。めげない紫尊くんはさすがメンタル強すぎだ。


「ねえ!それよりも私が帰る前に写真撮ろ?

はーい、そっちの赤髪のシャンクスと桃髪の各務原なでしこちゃん、こっちきてぇ」


学校一かわいい流川さんから声を掛けられたら断れるわけがない。生徒会長でさえも流川さんの方が力関係は上みたいだ。

白木姉妹は渋々流川さんに従っている表情だ。


「揃ったね、かわい子ちゃんたち。じゃあ、みんなで記念撮影しましょ。はい、これ私のスマホ、そこのシャッター押すしか芸がない君、よろしくね」


そう言われてモブキャラの僕はそのスマホを受け取ろうとする。


「佐伯くんはこっち。君も一緒に写るの。シャッター押すのはさっきの芸人くん」


流川さんは紫尊くんにスマホを渡して SSR美少女四天王と僕でなぜか記念撮影をしようとする。


「こら、佐伯くん、端じゃなくて真ん中来て。言うこと聞かないとその暗ーい感じの髪の毛をオールバックにするよ」


ギクッ


(流川さんは身体に悪い。いうこと聞かないと何されるかわからない。まさかこんなことになるとは)


ハイ、チーズ。カシャ


「おっ、いい感じに撮れたねぇ。芸人くん、なかなかいい腕だよ。倫太郎くんだったっけ?覚えておこう。じゃ、またね。皆さん」


流川さんは颯爽と教室を後にした。


「佐伯くん!どういうことか説明して!

なんで流川さんとお知り合いなの?それになんなのあの距離感。私じゃ不満ならそう言って」


(不満も何も僕たち何も関係持ってないよね?でも流川さんのあの行動には僕もびっくりしている......)


「いや、僕も何が何だかわからなくて。流川さんとはたまたま外で知り合っただけで......」

「じゃあ、なんでデートする約束してるの!」


(その通りだ。きびしいツッコミだ。返事のしようがない)


「えーっと、あの、たまたま流川さんの男友達が僕の知り合いでもあって、それで誕生日プレゼントをサプライズするために一緒に買いに行く約束したんだ」


「共通の友達がいてその子の誕生日プレゼントを買いに行くのね。まあ、それなら仕方ないか」

「そうなんだよ。僕は決して流川さんには興味はありません」


(流川さんもレズだから僕には興味ありませんのでご安心ください、と言ってもそれを伝えるわけにはいかないなぁ)


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


あとがき


流川さんが白木荘メンバーをかき乱し始めました!


今後はさらに乱しますよ。


ここまでで面白いと思っていただいた方は

ぜひ☆レビューよろしくお願いします♪

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