24話 実行力爆発ゲイ 堀田 曙 編
みんなが控室に揃った。バラバラな嗜好の4人だがなぜか相性がいい。違和感なく一緒にいることができる。
「はーい、じゃあ、今日はプロモーションの写真撮影しますね。スタジオに入ってくださーい」
美男美女の4人の宣材撮影は絵になった。
線は細いが細マッチョで繊細な顔立ちのイケメン佐伯。
がっしりとしてスポーツマンタイプで中性的な顔立ちが魅力的な曙
女神のような美しさと天使のような可憐さを兼ね備えた美少女の水面
かわいらしいがボーイッシュで整った顔立ちなのに妖艶な花
それぞれがそれぞれの特徴を身体に備えている。
「はーい、水面ちゃん、花ちゃん、2人のツーショット撮りますねぇ。お互いハグして密接しようか」
『はい!』
2人はハキハキと返事する。
2人とも社交性があって話しやすくてよかったと思ってしまう。
「じゃあ、見つめ合ってそのままキスするくらいまで顔を近づけようか」
天使のような流川さんとボーイッシュな剛力さん、本当の美しいカップルみたいだ。
「ちょっと、花ちゃん。お尻揉まないでね」
「だって水面ちゃん、緊張してるんだもん。ほぐさなきゃね」
「2人ともキス直前くらいまで顔近づけようか。目は瞑ってね」
2人の顔の距離が近づく。
「いいねぇ、絵になるよ。美しいショットだ」
「きゃっ!」
流川さんが驚いた声を発して後ろに後ずさる。
「ごめんね、水面ちゃん、唇あたっちゃったね」
「う、うん。大丈夫。ちょっとびっくりしただけだから」
(わざとだ。花ちゃん、絶対わざとだ。最近、花ちゃんエスカレートしてきてる)
「最高だね!水面ちゃん、花ちゃん。ドンピシャでキスした瞬間撮れました。すごくいい感じだよ。ありがとうね。では佐伯くん、曙くん交代でーす」
「はい」
(俺はキスしたくないぞ。野郎とは絶対にやだ)
「じゃあ、同じシチュエーションでいくよぉ」
俺と曙くんがハグをする。
俺よりも少し背が高い曙くんを見上げる形になる。
「いいねぇ。女の子のファンも男の子のファンも両方つきそうだね」
(ん?なんか違和感が.......
え!!この下腹部に当たる硬いものは!)
曙くんの興奮した下半身が俺の下腹部を圧迫する。体勢を変える仕草に合わせて擦り付けてくる感触がある。
(これが痴漢に遭う女性の気持ちか、気持ち悪いの一言だ。最悪だ。え!?今度は......)
曙くんは自分の下半身を擦り付けるだけではなかった。曙くんの太ももが俺の下半身をまさぐる。
(おいおい!俺の股間をふとももで擦るんじゃない)
俺は曙くんから離れようと腰を引いてしまう。
「佐伯くん、もっと密接しようか。キスするくらい近くまで顔を寄せ合って」
(密接に顔を寄せ合う。地獄が始まった)
カメラマンから見えない位置の目をうっすら開けて不測の事態に備える。下半身はもう仕方ない。曙くんの好きにさせる。男相手に俺の下半身が反応することはない。
「ねぇ、佐伯くん。おっきくしていいんだよ」
曙くんが耳元でささやいてくる。
無視だ。ここで反応したらこのあともエスカレートする。
無視をすると今度は顔を必要以上に近づけてくる。
曙くんは明らかに俺の唇を狙っている。
薄目を開けている俺は全てのキス攻撃をすんでのところで躱しきる。
「はーい!じゃあ、ラストは美男美女の王道の2人でとりますねぇ、水面ちゃん、佐伯くん」
助かった!曙くんから離れられる。
ふぅーっと一息ついた。
たしかに流川さんはかわいいし綺麗だ。贔屓目に見ても俺もかっこいい。2人が絵になるのは容易に想像できる。
「じゃあ、本当の彼氏彼女みたいにハグしてくださいね」
流石に仕事とはいえここまで綺麗な女性とハグをするのは緊張する。腰が引けてしまう。
「佐伯くん、遠慮しないでぎゅっとしていいよ」
流川さんが耳元で囁いてくれる。
(流川さんめっちゃいい匂いがする。野郎とは違うよ。やっぱり流川さんは天使だ)
「うん、行くね」
ぎゅっ
「あんっ」
耳元で流川さんの喘ぎ声が漏れたのが聞こえる。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
あとがき
蒼乃くんはついに男に目覚めるのか?
それとも……………
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