25話 四天王筆頭 流川 水面 編

「大丈夫ですか?」

「うん、大丈夫だからもっと密着していいよ」


ぎゅうっ


(すごい!大きい!流川さんのおっぱいの感触が俺の体に伝わってくる。こんなに細いのにどこにこんなに弾力のあるおっぱいが隠れているんだ)


目と目が見つめ合う。

近すぎて恥ずかしい。


流川さんがアドリブで俺の首に手を回してくる。


「ふぅ〜っ」

俺の耳に小さく息を吹きかける。

「あっ、」

俺は小さくその吐息に反応してしまう。

流川さんの匂いも吐息も全てが官能的だ。


「佐伯くん、おっきいよ」

耳元で囁きながら俺の股間に流川さんが腰を押し付ける。


(やばい!股間が爆発しそうなくらい大きくなってる。そんなにグリグリされたら果ててしまう)


「ごめんなさい。これは生理現象で」

「いいよ。だって私で反応してくれてるんだもん。うれしい」

さらに流川さんは下腹部を擦り付ける。

「んっ、だめ」

「ふふっ、かわいい」

「流川さん、撮影に集中してください」

「じゃあ、最後キスの寸止めして終わろっ」

「はいっ」

2人は見つめ合いながら顔を近づける。


「いいよー!2人とも。いい絵だ。そのままもっと近づいて」


ちゅっ


一瞬、触れた!

流川さんの唇が俺の唇に触れた。

あまりにも一瞬すぎて誰も気づいていない。

ドキドキが止まらない。


「心臓もあそこもバクバクしてるよ♡」

耳元で妖艶な吐息と共に流川さんのささやきが聞こえてくる。


カァーーー/////

俺は顔を最大限赤らめて下を向いてしまった。


(なにが?何がしたいんだ!流川さんは。レズなんでしょ?俺を誘惑して何がしたいんだ!

はっ!レズだからこそ男子高校生には興味がない。だからこそ俺に意地悪して楽しんでいるのか!?天使と思いきや小悪魔か!レズ情報がなかったら勘違いしかしないぞ、こっちは)


「いいねぇ!いいよ、Avop。これなら発表と同時に若者受け間違いないだろうね。昭和vs平成令和の構図が見て取れる。昭和生まれはこのコンセプトは受け入れられないだろうけどな」


「お疲れ様です。黒石さん」

みんなが声を揃えて挨拶をする。


このユニットの創設者でプロデューサーが黒石さんだ。


「じゃあ、来週から歌とダンスの練習だね。1ヶ月後にはデビューだ。初っ端から『Lステ』だ。一気に全国を駆け上るぞ」


「やったー!」

「Lステなんてすごい」

女の子たちは大喜びだ。

アイドル志望で陽の目を見ずに消えていった人間は五万といる。

一般的にはLステからの武道館が成功の王道ストーリーだ。


「各自交流を深めたい場合は全て経費で落とすから親睦を深めてくれ。じゃあ、解散」


▽▼▽


「佐伯くん、七瀬さんとは別れたの?」


「ぶっーっ」

お茶を吐き出してしまった。

急に話しかけてきたのは紫尊くんだった。


「なんでそんな話になってるの?」

「急に佐伯くんの席にも来なくなったし、帰りもそんなに一緒に帰ってなくない?七瀬さんはもう飽きたんじゃないかってもっぱらの噂だよ」

「そうなることを願うばかりだよ。実際は生徒会長に怒られて自制してるらしいよ。僕にとってはありがたいけどね」

「じゃあ、家に帰ったら毎日電話とかしてるの?」

「いや、電話番号知らないし、かかってこないよ」

「ええ?携帯交換してないの?本当に七瀬さんに興味ないんだ。あんなにかわいいのに。 SSRでさらに四天王だよ」

「僕にはそんな肩書きいらないしね」

「佐伯くん、君は俺の心の友だ。いや、全校生徒の友だ。七瀬さんになびかないなんてみんな大喜びだよ。七瀬枠が空いたまま。いまだ全ての四天王には彼氏がいない説が継続中か」

「そうなんだ。四天王には彼氏がいないんだね」


「おっ!佐伯くん、みてみて!噂をすればあそこに四天王筆頭、流川さんがいるぞ」

へぇ〜、と思いながら指を刺された教室の出入り口を横目で見る。


!!!


流川 水面だ!


え!?まさか、四天王の最後の1人って流川さんなの?


確かに絶世の美少女だけど......


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


あとがき


ついに学校で流川さんが登場です。

ここからいろんな人を巻き込んで流川さんがややこしくしていきますよ。


☆レビューよろしくお願いします♪

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