22話 レズ天使 流川 水面 編
そして初めての初顔合わせ。
俺だけがニセモノ俺以外はホンモノ。
緊張の中、ミーティングルームに足を踏み入れる。
「佐伯くんだ。はじめまして〜」
「蒼乃、よろしく!」
「蒼乃さん、よろしくぅ」
声をかけてくれたのは順番に、
流川 水面さん、堀田 曙くん、剛力 花さんだ。
「曙くん、花ちゃん、衣装直し入りまーす。別室まできてくださーい」
あいさつも束の間に曙くんと花さんの2人は呼び出されてしまった。
流川 水面さんは名前のように透き通った白い肌、繊細なスタイル、ウェーブのかかった綺麗な長い髪、そして少女漫画のヒロインとして出てきそうな美しさとかはかなさがある。一瞬、天使が舞い降りてきたかと勘違いをおこしそうだ。まさにレズが似合いそうな雰囲気を醸し出している。これは男性ファンだけでなく、女性ファンも多くが虜になりそうだ。
「ねえ、蒼乃くん。学校はどこ通ってるの?」
両肘を机について両手に顎を乗せながら妖艶な雰囲気で流川さんが聞いてくる。
学校名は正直答えづらい。学校内はモブキャラで通っているし、素性は隠したい。
でも流川さんはレズだ。僕とは縁がない女性。
「ねえ、きいてる?」
俺は流川さんの質問に対して無言を貫いてしまっていたようだ。
「はい、ごめんなさい。ぼーっとしてました」
「私の学校で、蒼乃くんみたいなイケメンは見たことないから違う学校だね。きっと」
(よかった〜、流川さんの方から俺とは通っている学校が違うって情報をくれた。これで安心だ)
「俺は堀超学院に通ってますよ」
「ええ?堀超なの!?ぜんぜん知らなかった」
(なんだ!?この驚きようは)
「まあ、俺は目立たないんで学校ではおとなしい方かと」
「こんなイケメンだったらみんな騒いでいるはずなのに不思議だね。何年何組?」
「1年A組です」
「ええぇ〜!それは話題のクラスだね」
俺は何が話題なのかわからない。
「話題なんですね。俺は関わらないのでよくわからないです」
「私は2年A組だよ。よろしくね!」
「ええぇ!?同じ学校?」
「なんでそんなに驚くのよ。私と一緒は嫌だった?」
「いえ、そういうわけじゃないんですが。ちょっとびっくりしちゃって」
「ねえ、今度クラスに遊びに行っていい?1年A組は知り合いとかいないとなんか行きづらくて。でも有名だから行ってみたいクラスじゃん。蒼乃くんいるなら行ってみたいな〜」
「俺はクラスにいないですよ。来てもらっても俺とは会えないと思いますし」
もちろん、学校では僕の状態だ。見つけられるはずもない。なぜなら俺はいないんだから。
「ええ!?やっぱり私のこと嫌なんだ?それともレズ女には興味がないってことかな?私じゃ蒼乃くんのこと喜ばせてあげられないからね.....」
「い、いえ。来てもらってもいいんですが俺は休み時間いないこと多いんです。それに流川さんは今まで見た女性で1番綺麗です。レズじゃなかったら俺も好きになってますよ」
相手がレズだとわかっていると気が楽だ。多少のリップサービスも変な方向へは行かない。むしろ好感度が上がって仕事もしやすいはずだ。
「やったぁ〜、じゃあ今度行くね!」
「はい、いなかったらごめんなさい」
「それとね、今度デートして欲しいな」
「はあ?」
俺は驚きのあまり変な声を出したしまった。
「えっと、レズなんですから俺なんかじゃなくて女の人と行ってはいかがでしょうか?」
「だって蒼乃くんてバイでしょ?男の人も好きなんでしょ?」
「男の人なんてすきじゃない...わけじゃないです。はははっ、好きです。好きですよもちろん」
(あぶねぇ〜、いきなり暴露するとこだった)
「..............」
流川さんがじーーっと俺の方を見てる。
「そうだよね。なんか男の人が好きな雰囲気を蒼乃くんから感じなかったから見つめちゃった。ごめんね」
「はい、気にしないでください。どこか行くならお付き合いしますのでまた声かけてくださいね」
「うん、よろしくね〜」
ガチャ
タイミングよく堀田くんが入ってきてくれた。
「流川さん、俺と化粧直し交代ですって」
「わかった。行ってくるね」
流川さんとの2人きりが今度はゲイの堀田くんとの2人きりになった。さっきの流川さんよりはまだマシか。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
あとがき
天使の流川さんです。
彼女が一気に表舞台に出てきますのでお楽しみに。
☆レビューよろしくお願いします♪
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