19話 純愛ストーカー 長谷川 茶子 編
「かわいかったよ。1人えっち♡」
カァーーーー/////
僕の顔は一気に赤くなる。
まさか窓の外から部屋の中までのぞかれていたのか!?
長谷川さんの目が見れない。
「佐伯くん、恥ずかしがらなくていいよ。男の子はみんなそうだもん。それにわたしも一緒にイッたから一緒だよ♡」
カァーーーー/////
長谷川さんもしてたの?ますます目を合わせられない。
なんなんだ、この時間は。
こんな辱めを受けるためにここにやって来たのか?
「ぼくをからかうためにやっているんですか?」
「ちがうよ、さっき言ったじゃん。好きだからだよ。あ、でも好きな子はいじめちゃいたくなるって言うし、それもあるのかも......」
「なんでこんなダサい僕なんですか?」
はっ!そうだ、長谷川さんは《僕》と《俺》の2人を知っている可能性がある。今日のお昼に意味深なこと言われていたんだ。それにさっき僕と俺の両方でベランダにも出てしまった。
「ダサくなんかないよ、蒼乃 佐伯くん。それか俺くんて呼んだ方がいいかな?」
なんでアイドル名と変身している時の一人称を知っているんだ!?
なんで?まさか地味子ちゃんの一芸は、名探偵地味子ちゃんなのか!?
「ちょっと待って。なんでそれを知ってるの?いや、今の《僕》が《俺》ってバレる訳ないし」
「だって俺くんが私と生徒会長を助けてくれたじゃん。それで一目惚れしちゃったの」
「でもなんで《俺》が《僕》に結びついたんだ?」
「だってあのあとすぐに佐伯くんを追いかけたの。そしたらトイレに入っていくの見たの。どうしてももう一度話しがしたくてトイレの外で待ってても出てこなかったの。出てきたのは佐伯くんだけだったの。いつまでたっても俺くんは出てこなくてトイレの中には誰もいる気配がないし、チャイムもなったから男子トイレの中に入って確かめたの。そしたらもぬけの殻。それで佐伯くんを疑い始めたの。それが始まりかな」
「でも、あのあと長谷川さんの前で《俺》になったことないよね?」
「えっと、道路でヤンキーと揉めてたおばあちゃんの時でしょ、キャンプ場で桃ちゃんがおじさんに襲われてた時でしょ、七瀬さんから逃げるためにトイレの中でまた俺になった時でしょ」
「ちょっ、ちょっと!なんで!?なんで全部知ってるの?」
「そんなの全部見てたからに決まってるでしょ?」
「え? え? ええぇ??.......... まさか双眼鏡でのぞいてたのって毎日ずっと......?」
「もちろんだよ。佐伯くんが寝るまでと佐伯くんが起きる前からだよ。今日はびっくりしたの。佐伯くん、大寝坊だったじゃん。流石に佐伯くんの全力疾走には追いつけないからタクシー使っちゃった」
(そういうことか。だからあの意味深な会釈があったんだ)
「えっと、それって助けたその日からずっとのぞいてたの?」
「うん、楽しいよ。だって《俺》と《僕》を使い分けてるし、緋ちゃん、桃ちゃん、翠ちゃん、関わる人みーんな佐伯くんのこと好きになってるのも見てきたよ。でもウケるよね。みんな片方の佐伯くんしか知らないから。本当の佐伯くんを知ってるのは私だけ。私だけなの。これって優越感じゃない?」
「いやいや、それってもうストーカーだよね」
「純愛だよ♡」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
あとがき
地味子ちゃんのストーカーっぷりはいかがですか?これがかわいいと思える男子、いたらドMですね♪
地味子ちゃんが好きな人は☆レビューお願いします♪
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