16話 巨乳グラドル 長谷川 茶子 編
「こんにちは、じみ...、長谷川さん」
「こんにちわ。茶子ちゃん。どうしたの?」
七瀬さんは顔は笑っているが2人の時間を邪魔されて目は笑っていない。
「ちょっと佐伯くんに用事があって」
長谷川さんはなぜか両手を僕の机について少し前屈みになって話している。シャツの上のボタンが外されていて胸の谷間が見えてしまう。
この前の事件で見た下着姿の巨乳を思い出してその胸をガン見してしまう。
「イテテテテッ」
「もう!女の子の胸を覗くなんて最低だよ」
七瀬さんは長谷川さんの胸に見惚れていた僕の頬をつねってプンプンと怒っている。
「見てもいいですよ。佐伯くんには前にも一度おっぱいもブラジャーも見てもらったことあるのでたくさん見てください」
(ちょーっと!そんな誤解を生むようなこと言わないでぇ。確かに見たけどあれは不慮の事故で......)
「ええ!?佐伯くんて茶子ちゃんに手を出したの!?」
七瀬さんはショックのあまりほっぺに両手を添えてムンクのような表情をしている。
(これは!これなら僕は七瀬さんから嫌われてハッピーエンドになるのでは)
「相変わらず大きいおっぱいだねぇ、また今度じっーくり見させてもらおうかな」
変態風に長谷川さんに話しかける。
(ごめん、長谷川さん。不快かもしれないが僕のために犠牲になってくれ)
「ふふっ、みるだけでいいの♡?触ってもいいよ」
(え!?なんで乗っかってくるの?)
わけがわからなくなりふと向かいの七瀬さんを見ると頭のてっぺんから湯気が出ている。
完全にカンカンだ。
(かえってこれはこれで好都合だ。このまま僕のことを嫌いになってくれ)
バンッ!
七瀬さんが立ち上がり両手で机を叩いた。
(きたー!怒り爆発。『不潔な男は嫌いよ』なんて言われてもいい!さあ、カモーン)
「ねえ、見て!わたしのおっぱいも」
机についた両手で胸を挟み込んで前屈みになっている。七瀬さんなりの巨乳を表現しているようだ。
「わたしも負けないくらい成長するんだから!茶子ちゃん、あなたには絶対に負けない!だから佐伯くん、私のおっぱいを揉んでおっきくして。2人の共同作業で茶子ちゃんに勝ちましょ」
(まさかの逆効果〜〜!!)
「じゃあ、わたしはお邪魔かな。七瀬さん、あなたの近くには横取りする泥棒猫が数人いるわ。それも親友よ。せいぜいNTRないようにね」
「そんなことされないよーだ。わたしの親友はわたしの親友だもん」
訳のわからないロジックで応戦する七瀬さん。
長谷川さんは帰るかと思いきや、僕の耳元に口を近づける。そしてささやく。
「佐伯くん、いや、蒼乃くんかな、わたしはぜーんぶ知ってるんだよ♡」
ギクーッ!!
「なんでぇ!」
バンッ!今度は僕が両手で机を叩いて立ち上がってしまう。
普段温厚な僕が机を叩いて取り乱したので1番ビクッとしたのは七瀬さんだった。
「ふふっ、またね」
長谷川さんは意味深な笑みを浮かべて席に帰って行った。
なぜばれたのだろうか、なぜ知っているのだろうか、僕の本当の姿を。そんなヘマをした覚えはない。でもあれは間違いなく知っている。
「佐伯くん、わたし頑張るね!だから茶子ちゃんに浮気しちゃだめだよ。わかった?」
「浮気をする気もなければ誰ともそんな関係になるつもりはありません」
「いい子いい子。わたしだけしか眼中にないのね」
なぜか七瀬さんに頭をなでなでされる。
この人は自分のいいように解釈を変えているのか。すごくポジティブだ。
七瀬さんが席に戻った後、紫尊くんが声をかけて来た。
「佐伯くん、顔色悪いよ。大丈夫か?七瀬さんとラブラブしてるのにそんな表情してるとこのクラスの男をみんな敵に回すよ」
そう言われると顔色が悪い原因が七瀬さんですとは答えづらい。適当に理由を探す。
「最近、いつも誰かに見られているようで。
家に帰ると向かいのアパートからいつも覗かれてもいるみたいなんだ。なんか幽霊にでも取り憑かれているみたいで気分が憂鬱なのさ」
「そういう時は視力検査のマークを画用紙に書いて覗き魔に見せつけてやるのさ。覗き魔スナイパーは視力検査に無我夢中になって墓穴を掘るさ」
さすが芸人、考えることがぶっ飛んでいる。でも確かに視力検査のCのマークが見えたら僕でさえもやってしまいそうだ。
「そして相手との距離感が詰まって来たと感じたら即座に自分の携帯番号を書いた紙を見せつけてやるのさ。そうすれば相手は電話をかけたくなっちゃうはずさ」
あまりにも紫尊くんの回答がぶっ飛びすぎてついていけない。そんなことで電話をかけてくるはずがない。
「これでスナイパーも佐伯くんにメロメロさ」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
あとがき
地味子ちゃんに正体がバレている佐伯くん。
今後どうなる??
☆が枯渇しています。まだの方、よろしくお願いします♪
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