15話 巨乳コスプレイヤー 長谷川 茶子 編
昨日のせいで相当疲れていたようだ。爆睡をかましてしまった。
(やばい、遅刻だ)
大急ぎで僕の準備をして2階のベランダから飛び降りる。
ササッ
また向かいのアパートの人影が隠れる。
(うーん、霊かなんかの類か?毎回僕に反応するんだよなぁ。でもそれよりも学校だ)
走る、走る、そして走る。
数百メートル先に校門が見えてきた。
(間に合った〜、ふう。あともう少しだ)
汗水垂らして走ったおかげでなんとか間に合うことを確信した僕は歩みをゆるめる。
ブルルゥ〜ンッ、キキィッ、バタンッ
僕の横をタクシーが通り抜け、校門にビタづけする。
(こっちは死ぬ気で走ったのにタクシー通学かよ。金持ちは違うな〜)
「え!地味子ちゃん」
タクシーから降りて来たのは隠れ巨乳の長谷川茶子さんだった。あの事件以来、僕の中では勝手に『地味子ちゃん』て呼んでいる。
長谷川さんは僕の方を見て微笑んだ。そして軽く会釈をして学校に入って行った。
(助けてあげたこと、覚えてくれてたんだ。感謝されるって気持ちいいなぁ〜.........って助けたのは俺だ。いまの僕ではない。なんだ、あの反応は?)
▽▼▽
「どうしたの?ギリギリだね?」
「寝坊しちゃってさ」
「わたしが朝ラブコールしようかな。携帯番号教えてもらっていい?」
朝から七瀬さんがハードモードに突入だ。でも七瀬さんは悪い子じゃないんだよなぁ。どうしようか考えていると突き刺さるような視線を感じる。
桃さんが僕の視線の先で両手をクロスしてダメ!とジスチャーしている。言いたいことは分からんでもない。電話番号を七瀬さんに教えることを避けたいのは僕も一緒だ。
さらに両手を引き伸ばすジェスチャーだ。これはよく分からない。
「もうちょっと仲良くなってからでもいいかな?僕のスマホはまだ家族以外の連絡先が入ってないんだよね」とりあえず断ってみる。
「じゃあ、わたしが初めての女の子になるね」
「それはなんか含みのある言い方だな〜」
キーンコーンカーンコーン
ショートホームルームのチャイムだ。
これだ、あのジェスチャーは。引き伸ばして回避しろってことだったのか。
▽▼▽
(あれ?今日は休み時間ごとに七瀬さんが僕のところに来ない!?ありがたいのはありがたいけどなんか変な感じだ。まあ、いいか)
キーンコーンカーンコーン
お昼のチャイムが鳴る。
僕はいつもの校舎裏に向かいたかったのにやはり七瀬さんが来た。
「お昼、一緒に食べよっ」
「七瀬さんはいつも白木さん達と食べてなかったっけ?」
「緋ちゃんから『神聖なる学校ではイチャイチャを控えなさい』って言われちゃったの」
(なるほど、それで休み時間は来なかった、いや、来れなかったんだ。でも昼休みは?)
「あの、昼休みはいいのかな?」
「緋ちゃんの命令にさすがの私も『無理〜っ』て言ったら『2日に1回ならOK』だってさ。だからその分、今日のお昼は濃ぉ〜い時間にしましょ」
(生徒会長、ナイス!2日に1回のお昼休みだけでも大前進だ。ありがとう、会長)
僕は上を向いて涙ぐんでしまった。
「嬉しい♡そんなに涙を溜めて私とお昼食べるの喜んでくれるなんて」
(しまった。好感度アップになってしまった。なるべくそれとなく嫌われるようにしないとな)
はたから見ると僕たちは付き合っているとしか見えないが、幸運なことに僕がモブキャラのおかげで誰もそんな風には思っていないようだ。
七瀬さんのバチバチ?いや、ラブラブのオーラのせいでが誰も僕たちに近寄らない。
相変わらず超ニコニコで一方通行で話しかけてくる。
でもまさかの出来事がおこった。
「こんにちは。佐伯くん、七瀬さん」
話しかけて来たのはなんと地味子ちゃんこと長谷川 茶子さんだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
あとがき
ついに天然ブルドーザーに対抗しうる巨乳スナイパーの登場です♪
長谷川 茶子 編をお楽しみに☆
翠ちゃん編で楽しめた方は☆レビューをよろしくお願いします♪
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