第18話オカ研の秋
皆様こんばんは!
すっかり辺りも秋めいて来ましたが…皆様の所はどうでしょうか?
さて!本日の怪奇譚はオカ研部長が何か悩みを抱えているようで。
◇
◇
◇
「はぁ~~~~~~~~~~~~っ。」
俺は最上輝也…このオカ研に無理やり入部させられた悲劇の主人公…そして……。
「はぁ………………………………。」
先程からこの部の部長である藤野涼子さんが深いため息をついている。
俺はそんな部長のため息を先程からスルーし続けている。
すると部長はソファーから立ち上がる。
スタスタ歩き何故か俺の前にきてしゃがみこむ。
俺の顔を覗き込む部長。
「はぁ…………………………………。」
「いや!さっきからどうしたんですか?部長??」
「おお!輝也か?いや!気のせいだよ?」
「へぇ!そうなんですね?気のせいですか…それなら俺はちょっとやる事あるので…」
「はぁぁぁっ。あーあ。」
「えっ??だから何か悩みでもあるんですか??」
俺の問いに部長は一瞬目を輝かせたかにみえる。
「部長??」
「ん…いや…なんだ……輝也は私の悩みをどうしても聞きたいのか??」
うわ!この人めっちゃめんどくさいな!
俺はそう思ったのだが部長はこれをずっと続けそうなので俺は答える。
「はい!き…聞きたいです。」
思わず手に力が入ってしまうと部長はニヤリと笑みを浮かべ続ける。
「そうか…お前は流石だ!!」
「えっ!?」
「実はな…お前がオカ研に入る前はずっと私の悩み事は仁が聞いていたのだ…それがな…一ヶ月、二ヶ月と立つとあやつは私が悩んでる時に限りすぐ用事とかで帰ってしまうようになったのだ…それから私の話を聞いてくれる人は全くいなくなってしまったのだよ?」
部長は悲しそうな表情へと変わる。
俺は、そんな部長の話を少しくらいは聞いてあげようと思いその口を開こうとしたその時。
俺は背中に悪寒を感じてしまったのだ。
これから始まる恐怖が俺を待っていたんだ。
◇
◇
◇
「いいか??」
「え?ぶ……部長??この目隠しはなんですか??」
「いいからいいから!では始めるぞ??」
「あ…はい。」
◇
私の悩みというのはな。
部長はそう呟いた瞬間!!!
ガチャリと音が聞こえたんだ。
音がしたと同時に俺の手足の自由がきかない。
「えっ!?部長??これって??」
「ふふ……くくく。」
「えっ!!??」
「ふふ……さぁ!動けない気分はどうだ??輝也??」
「えっ!?ええっ!!??部長?」
「実はな輝也…私はかねてから人の臓器に興味を持っていてな?今日は輝也…私の悩みを聞いてくれるのであろう??」
ニヤリと笑みを浮かべる部長の表情は美しくも恐怖の笑顔だったんだ。
「なんですか??これは??ちょっと冗談が過ぎますよ??」
「そう怒るのではない!輝也??そこを見て見ろ??」
部長が指をした方向を俺は見てみると。
なんとそこには臓器が剥き出しで苦しんでいる仁の姿。
「えっ??ええっ!!??仁??部長??こられは??」
「ふふん!あまりにも煩いのでな?お前の前に動けないようにしておいたのだよ?」
すると部長はどこからか取り出したメスを手にしていた。
俺は動けない状態でいる。
狂気の表情で俺の元へメスを手に近づいてくる部長。
「うわ!うわっ!!うわぁぁぁーーーーーっ!!」
◇
◇
◇
「おい!おい!おい、輝也!??」
部長の声で俺は目の前が開ける。
「はっ!!??部長!!??」
「どうしたのだ?」
俺が見た部長は何事もなかったかのようにキョトンという顔をしている。
「ふぅ!良かった!部長!部長は部長のままだ!!」
「なんだ?お前当たり前だろ??変なやつだな?」
「変でもいいです!部長がいつもの部長で!」
俺は、そう言うとふと、部長の手にきらりと光る何かが見える。
「部長!!!???それって!!??」
「ん?これか??これは…むぐむぐ…美味い!」
「えっ??それって??」
「これは医療用のメスだ!私の趣味で肉を食べる時のナイフがわりさ!」
「えっ!!??えーーーーーーーーーっ!?」
俺はこの秋一番叫んだと思う。
「うーーーーーん!やっぱり食欲の秋だな?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます