第16話オカ研仁君
一人の男が何かを読んでいる。
「あ!皆さんこんばんは!さぁ、すっかり秋めいて来ましたがいかがお過ごしですか?あ!そうそう…あのオカ研の彼らがですね?」
男はニヤリと笑みを浮かべる。
「聞いていただきましょうか?では。」
◇
◇
◇
「よう!輝也!?」
帰ろうと俺は放課後の玄関にいると知った声が俺を呼び止めたんだ。
「ん?あれ?仁もう帰ったんじゃなかったのか??」
「いやいや!お前が帰ろうとしてるからさ!声をかけたって訳だ!」
「そうか?じゃあ俺は帰るな!?」
「ん?ああ!またな…じゃなくて!!」
「どうした?仁!?」
仁は必死に俺を止める。
すると仁は俺の服を必死に握っていたんだ。
「仁…何かあったのか??」
「ちょっと来てくれ!」
俺の手をひく仁。
訳の分からないまま俺がついて行くとそこは。
「ん?オカ研の…部室??」
「………………………。」
無言でガラリと扉を開けると俺を中に入れる。
そして俺達が部室の中に入るとこそこには。
俺達の前に置かれていたのは鳥かご。
「ん??どうして部室内にこんな鳥かごが置いてあるんだ??」
すると俺に回り込んだ仁。
そして、俺を背中から押して、俺に鳥籠を見せようとしてくる。
「は??なんだよ!?ただの鳥籠だろ?」
「ちゃんと見てみろ??」
仁は必死に俺に訴える。
「んぐっ!!」
俺の目の前には何やら変わった顔をした一羽のフクロウの姿。
「これは……。」
「何か恐ろしい…何か……だよな?」
俺にはフクロウに見えている。
そこまで仁がこのフクロウの恐ろしさを訴える事の方が疑問だったんだ。
「俺さ、聞いた事あるんだよ?」
「なにを!?」
「昔話さ…。」
「昔話??」
「ああ…。」
すると仁は語りだしたんだ。
◇
◇
◇
昔、この街の深い森…今は県民の森と呼ばれてる森あるだろ?
あそこの話なんだけど。
昔一人の男が住んでたんだよ。
そして、そこは深い森の中…昔だし夜は当然闇の中だったんだよ。
ある時、男は普段通り山で木を切って家に戻って夜ご飯の準備を始めたんだ。
「今日は大きな魚が取れたからな!早速焼いてくうか。」
男はいそいそとご飯の準備をする。
拾ってきた木々に火をつける。
しだいにパチパチと音を立て火がついてくる。
ふぅふぅと息をふきかけ火は更に燃焼する。
木に刺した魚を火にかけ焼き始める。
部屋の中にはいい匂いが漂い始める。
「おお…もう少しだな。」
男は火加減を見ながら魚を焼いていく。
「よし!そろそろいいか。」
男は火から魚を取り上げるとかぶりつく。
「おおっ!うめぇ!」
思わず声に出る。
そして男はたちまち魚を平らげると僅かな米を平らげる。
「ふぅ〜!食った食った…。」
男は今夜も美味しいご飯を平らげ満足感に浸る。
すると徐々にもようしてくる。
男のこの家は昔の家ではある。
しかも山の中だ。
もちろん用を足すのは外となる。
ガラッと玄関の戸を開け外に出る男。
辺りには誰も住んでる訳でも無く家などもない。
この場所を男は好んでここで生活をしていたんだ。
もちろん光などは無い。
たまに月の光が入ってくるが今日は月には雲がかかり辺りは真っ暗だ。
男の感覚からいつも用を足す大木の側へとやってきた男はそこで用を足し始める。
「ふぅ…今日はあんな大きめの魚が取れたしな…明日はもう少し先に行ってみるかな。」
男がそう言うと。
ほーーーっ!ほーーーーっ!
少し低めのその鳥の鳴き声の正体とは。
「ん?ああ……なんだ……フクロウか。」
ほーーーーっ。ほーーーっ。
男に呼応するように更に鳴くフクロウ。
こんな山の中にいるんだ。
フクロウの一匹や二匹くらいいるだろう。
用を足した男は家に戻ろうときびすを返す。
すると後ろからパキッと何かの足音の様な音が聞こえる。
「はっ!?だれだ!??」
男はその音に身構える。
すると足音は更に近づいてきてるように感じる。
パキパキっ。
「さ、さぁ、戻ろうかな。」
男は少し急ぎ足で家へと戻ろうとする。
パキパキっ!!!
ザッ!!!
男の背後に何かがこちらへ近づく足音!しかもその足音は早い!!
「はぁはぁ!!やばい!!早く家に!!!」
更に近づく足音!!
バキ、バキバキっ!!
なんだ!!クマか!!??
早く!!早く!!!
その時!男は足がもつれ転ぶ。
焦る男。何かの足音!!
もうダメだ!!!そう覚悟を決めた男!!!
その時。
ほーーーっ!ほーーーっ!
フクロウの声が聞こえて目が覚めたらしい。
そしてこの男はどうやら幻覚を見ていた。
この日男が食った物の中に幻覚を見るキノコ。
を食ってしまったらしい。
◇
◇
◇
「どうだ??怖かったろ?輝也?」
俺に問いかける仁はドヤ顔だ。
その時。
ほーーーっ!ほーーーっ!
俺達はビクッと驚く。
タイミングよくフクロウが鳴いたんだ。
その時。
ガラッと扉が開くと入ってきたのは。
「「ひいいいいいーーーーーっ!!??」」
「「部長ーーーー??」」
「ん?どうした?お前達?」
「部長どうしたんですか?」
俺は部長に問いかける。
「あーーー?私のペットを忘れてな…取りに戻って来たのだよ?」
「「あ!あーーーっ!」」
「どうしたのだ?お前達は??さぁ!帰るぞ『ほー』ちゃん♡」
俺達は部長の秘密をまた知ってしまったのだ。
これがホラーか!?
◇
◇
◇
あ!どうやら彼らも秋めいてきたようですね!ではでは私はまたお話を探しに行く事にしましょう!
またおいでくださいませ!
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