第11話体験してみませんか?とあるトンネル
さて!皆様こんばんは!
私はこの黒の怪奇譚のストーリーテラーの黒乃と申します。
本日お越しいただいたのはあなたですね?
ではそこにお座り下さい。
これからあなたを誘うのはとある『トンネル』
さぁ。あなたにこれからどんな事が起こるのか。
そのスリルを存分に味わいそして。
あ!大丈夫ですよ!では。
始めましょう。
あなたは今とあるトンネルに来ています。
トンネルに立ち見渡すと辺りは真っ暗な闇。
そして。
このトンネルは遥か昔に使われていたトンネルで現在はこのトンネルは車道にはもちろんの事歩道にも使われてはいないのです。
さて、それではなぜここに今あなたが来ているのか。
それは。
ここではかなりの確率で霊が出ると言われています。
このトンネルは某ダムがある向こう側に存在し今ではそこへ行く目的でもなければ誰一人立ち寄らなく完全なる心霊スポットとなっている場所なのです。
そして、ここでの話、なのですがある日このトンネルの怪奇話の噂を聞きつけ行ってみる事にした数名の学生。
ところが順番で一人一人このトンネルを歩き肝試しをすることに。
そしてトップバッターがあなたと言うわけであなたはここに一人立っています。
ささ!では、どうぞトンネル内へとお進み下さいませ。
かつて使用されていた旧トンネルです。
今では照明もつかずトンネル内は真っ暗なタダの闇です。
あなたが一歩足を踏み入れるとあなたの足音がコツ…コツ……と聞こえるだけです。
もちろんトンネル内なのでその音すらもトンネル内へと響いていきます。
さぁ…更に奥へと進みましょう。
コツ…。
コツ………。
今、あなたの足音だけがこのトンネル内には聞こえています。
あ!!
そんな事を言っていたら…そよそよと。
あなたの肌に風が吹いていきましたね。
どうですか?
夏とはいえトンネル内には若干冷たい風が吹くので本来涼しいはずなのですが。
生あたたかい風ですね。
一歩一歩歩いていくあなたの身体も次第にじんわり汗ばんできたみたいですね。
嫌な空気にも感じますが進みましょう。
さぁ…大分歩いてきましたがまだここは中盤。
何せここのトンネルの全長は200メートルくらいはありある程度深いトンネルともなっております。
あなたは歩いているとじとっと空気に水分が混じってくる様な湿気のあるジメジメした生あたたかい空気が感じられます。
そして。
ぽたりっ。
あ!
しーっ!声を上げてはいけません。
えっ?水滴が落ちてきたんですか?
まあ暗い中でもあるこのトンネルの中心部へと差し掛かってきましたしそんな場所もあるでしょうね。
おや?
どうしました?
顔色も先程までと違い少し悪くみえますが。
こんな所にいたのでは『なにか』にあなたは見つかってしまいます。
出口まで行かなければ。
えっ?
なにかってなんだって??
まあまあ!とりあえず先を急ぎましょう!!
あなたはそのまま奥へ奥へと進んでいきます。
が、安心してください!この道は確実にゴールまで一本道のトンネルなのですから。
あ!そうそう。
ここで起きてる怪奇現象を話しておかなければですね。
失礼しました。
ここを通った一人の運転手。トンネルの怪奇話ここでは霊が出るという話を聞きその方は来てみました。
そして中心部。
そう丁度あなたが今立っている辺りまで来ると突然車のエンジンの回転数が落ち。
そしてなんと。
ここで車のエンジンが停止してしまいその後中々エンジンがかからないという自体に陥ったそうです。
その方はエンジンの様子を見ようとボンネットを開け懐中電灯を手にしエンジンを確認し始めたのです。
そもそも車の計器にも異常も出ない。
ゆえに車の機械的な不調は有り得ないのです。
その方は車に乗りこみエンジンをかけてみる事にしました。
すると。
突然車の天井におかしな音が聞こえてきます。
トントン。
おかしいと思い運転手はじっとします。
すると。
トントン。
また天井から誰かがノックしてるかのような音がします。
天井を見ていたその方が一息つきフロントガラスをみると。
目の前には頭から血を流し目は見開きこちらを凝視している何かの姿が!!!
っていう話があったようですよ?
あれ?
聞いていますか?
あーあ。
いつもこうなんですよ?
どうやらもう私の声も届かない所まで走っていっちゃったみたいですね。
でも彼の背後に迫るなにか。
私にはどうしても見えているのですよね。
さぁ。
皆様も是非この夏に私のこの様なツアーに参加してみませんか?
私がとっておきのスポットを案内。
紹介いたしますよ。
◇
◇
◇
お読み下さりありがとうございました!!
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