第9話最上輝也!オカ研の夏
皆様こんばんは!
あ!本日は皆様の中で連休というものに入ってる方もいるとか。
それで私の店に来てもらったのですね?
わざわざありがとうございます!
えっ?あ!怪奇話ですね!ええ!もちろん。
ではそちらにお座り下さい。
では。はじめます。
◇
◇
◇
さぁ!本日は本格的な夏休みに入った彼ら。
最上輝也君達オカ研の話。
◇
◇
◇
みーんみんみんみんみーん。
夏の風物詩であるこの声の正体とはセミ。なのだがこの声を聞くと余計に暑く感じるのは俺だけではないはずだ。
「あっちぃーーー!」
俺は自室で扇風機をつけアイスを頬張りながら叫んでみた。
「しっかし暑いな…暑すぎる。」
そう呟くと突然スマホが鳴る。
「ん?」
スマホを確認するとその番号の正体とは。
さぁ!読者様誰でしょうか?笑
◇
◇
◇
◇
◇
「やぁ!最上!」
「ん?誰?」
「おい!その冗談は…やめておくのだ!最上!!」
「正解は……」
「私だ!!お前が前に恋したであろう部長だ!」
「はいはーい…部長?それで、何の用ですか?」
「とりあえず…こんなに近くにいて電話で通話してるのもなんだ…出てこんか?」
「えっ?」
俺がまさかと思い窓から下を見下ろすとそこには手を振ってる部長と友人仁の姿だった。
◇
◇
◇
ガチャッ。
「よっ!?」
「おはよう!最上!」
「ああ!二人とも早いですね!どうしたんですか?」
部長はその長い髪をかきあげると口を開く。
「今日なのだがな?こないだ仁のオススメスポットに行ったんでな?今回は私のオススメスポットに行こうと思うのだがもちろん最上も誘わないとと思ってな!?」
「えっ?」
「あ!だからな!輝也?これから部長のオススメスポットへといくんだよ!空気読めよ!」
「えっ?はぁぁぁーーーーーっ…また俺もか。」
◇
◇
◇
こうして俺達が向かったのはこの街の有名な山ここには全国でも有名な霊山で霊場でもある。
そして、現在の時間は午後二時。
本日はここに泊まるらしい。
そしてここは夜には霊場を歩いても良いという観光スポットにもなっているようだ。
なので俺達はここで肝試しをする事になったのだ。
霊場になっているここの本堂の裏にはまるで地獄の様な天国の様な全国の霊が集まってくると言われる湖があり、そしてその周りには霊達を供養する『石塔』がある。
だからこそここは霊場と呼ばれているのだ。
死者の帰ってくる場所。
黄泉の世界への入口とも呼ばれるこの場所は確かに辺りは静かで湖の湖面は風が吹いた時くらいしか揺れる事はない。そこは火山で出来たカルデラ湖で生き物も生息できない湖である。
木々も一切生えず何の音もない言葉で表すならば『無』の世界。
「お前達…どうだ?ここは凄いだろう?」
俺にもその光景は恐ろしいと言うより…言うならば黄泉の世界に連れてこられた…そんな雰囲気なのだ。
「はい。下見ですけど雰囲気が凄いですね。」
すると。
ぐぅぅぅーーーっ。
突然鳴り響く空腹の音。
俺でもそしてどうやら仁でも無さそうだ。
俺は部長に視線を向けていくと夕日に映ったその表情は赤く染ってるようにも見える。
思わずドキリとしてしまった俺がいた。
「ぶ…部長!そろそろ戻ってまた夜に来ましょうか?」
「あ!ああ!まあそうだな!ナイスアイディアだ!輝也!ではそうするとしようか。」
こうして俺達は時が来たらまた来る事にしたんだ。
だがこの時俺達はまだこの場所の本当の恐ろしい話そしてこのツアーの恐ろしい話がある事を知らなかったんだ。
◇
◇
◇
俺達は夕食そしてゆっくりと疲れをとる。
◇
◇
◇
そして。
「さぁ!いくぞ!お前達!!」
ガラッと部屋のドアが開くとそこに立っていたのは既に戦闘態勢が整っている部長の姿。
「ん?うぁ?」
「僕も眠いですよ部長~。」
俺達の目に映った部長は夕食時までは見られなかった程の色々な御札などを身体中に装備した部長の姿だったのだ。
◇
◇
◇
俺達が今いるのはお寺の裏だ。
そして時間は深夜一時を回っていた。
「さぁ!お前達!これからこの寺の裏にあるという湖!そしてその供養塔を見に行くぞ!」
「うええええーーーっ!?」
「部長!!あれはやばいですよ!本当に何考えてここにきたんですか?」
そう言った仁はガタガタと震えている。
「いいか?輝也は話を知らないと思うのでな?私がその話をしようではないか。」
供養塔を見上げる俺達。
そして部長は口を開いだのだ。
◇
◇
◇
この塔は
昔から人の恨みつらみ怨念等は魂の一部になりそれが大きくなると人の目に現れると言われている。
昔から呪いの藁人形というのがあるであろう?あれは色々と問題があるという事でここへ来て人々の念を込めてください!
という流れで出来た塔だったのだ。
まああくまでそんな人々の思いをぶつけて!っというまあ簡単な話ストレス解消の為に作られたようなものなのだよ!
だから効果など本来はあるはずも無いのだが。
いつしかここで本当に霊障が起こるようになってしまったのだ。
とある男はこの塔に来て恨み言を呟き、吐き出しまるで本当に呪いをかけるかのようにここで祈りそして。
去っていったのだ。
その後。
その男の願いと言うより呪いというものが発動したかのように呪いの先であるその女性は消えるかのように亡くなってしまったのだ。
男は彼女に浮気されその恨みをこの塔へ吐き出したのだ。
すると女性の元へ。とある夜に突然鬼が現れた。
◇
◇
◇
「さぁ、そろそろ寝ようかしら?」
男に恨まれたその女性はいつも通り寝る準備を整えると布団に入った。
すると突然耳に何かの音が聞こえてくる。
「何かしら?」
不思議な音が気になり中々寝付けないその女性。
すると次第にその音は彼女の部屋に近ずいてくる様な気がしたのだ。
彼女のアパートの階段をカツカツと何かが上がってくる音が聞こえてくる。
「なになに?怖いんだけど?」
彼女は布団を頭から被りその現実から逃れようとする。
すると彼女の部屋の目の前でその足音がとまる。
次の瞬間!!
ガチャガチャッ!!
ドアノブをガチャガチャと回す音!!
女性は怖くなりますます布団に潜り込む。
「ええっ!?だれ??なんなの??」
怖かったものの彼のイタズラだったと考え始める女性!!
すると徐々に腹が立ってくる!!
「『君?』!一体どうしてこんなイタズラするの!?」
ドスドスと玄関先に歩いていく女性。
そして文句のひとつでも言おうと。
つい。ドアを開けてしまったのだ。
「きゃーーーーーーーーーーーーーーっ!!」
女性の叫び声が響いたのだ。
その後。
ガリっ!!バキッ!!!
くっちゃくっちゃ。
バリバリという音とくちゃくちゃとはその女性の四肢を喰ってる鬼の咀嚼音なのだ。
女性は気を失いそうな程の痛みに口から声も漏れる。
「あがっ!!んぎゃっ!!いだぁぁぁーーーっ!!!??」
ガブッ!!!くっちゃ、くっちゃ。
次第に鬼の咀嚼音は聞こえてるが…女性の声は聞こえなくなったのだ。
◇
◇
◇
「とまぁ…この塔にはその男の呪いというか恨みつらみが宿り、そしてその相手先の女性はここから向かった鬼によって喰われて亡くなったといった変死が過去にあったらしいのだ。」
俺も、そして仁も声は出なかった。
部長はふぅ〜っと一息つく。
「だからお前達!ここでの呪い事は禁止!!であるからな!!分かったか!?」
「やだなぁ!部長!俺達がそんなことするわけないでしょ?」
俺と部長はそうして笑い合う。
すると仁は何かを塔に祈っている。
「………………ように!!」
「なんだ!?仁!!??何言ってるんだ??」
「仁!?あまりの恐怖でおかしくなったのか!?やめるのだ!!おいっ!!??」
俺の声も部長の声も発狂混じりに塔に何かを唱えてる仁の耳には届いて無さそうだ!!
「……………………♪ロ◇○◇」
「何を言って!?」
「えっ!?部長!!??」
俺はつい目に映ったものに指をさす!!
そして部長も振り返る。
そこにいたのは…………。
「「うわあああーーーーーーーーー!!」」
◇
◇
◇
こうして俺達の夏休みのイベントはとてつもなく恐ろしい経験をしたのだった。
◇
◇
◇
「ふぅ~中々今回も彼らは楽しい経験をしたみたいですね。」
「あれ?そんな顔して大丈夫ですか?涼しくなりましたか?」
「………………………………。」
「あれ?もしかして?あまりの恐怖に固まりましたか?」
「では皆さんも素敵な休日お過ごしください!そしてまた遊びに来てくださいね!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます