第7話久しぶりのデート

「ねぇ、凪沙。あの頃からカキフライなんて食べてたっけ?」

「えっ、食べてましたよ。あぁ〜っと、センセーの前では食べてなかったっけ……いきなり何です、それ?」

汐嶋のポカンとした顔に、私は軽く片手を挙げて振った。

「ううん、急に気になっただけだから。気にしないで、凪沙。でさぁ、この後はどうする?」

「ふぅ〜ん、そぉーなんだ。帰って、寝たいかな……欲求不満な変態さんに絶頂かされそうだし、ラブホに連れてかれて」

汐嶋が訝しげな顔をしてから相槌を打ってから、素っ気なく答えて不安そうな顔をした。

「つれないなぁ、凪沙は。知らない人より、知った仲の相手の手で絶頂く方が幸せじゃない?私と離れて、相手してくれる誰かさんは居たの?」

「居ないって決めつけないでよ、センセェ。てか、センセーこそ私を捨てて他の誰かさんを捕まえて、キスでもセックスでもしたら良いじゃん。あの人とはどうなんですか?」

「彼女とはとっくに切れてるよ、凪沙。逢えないから、凪沙とシたいんじゃん!もちろんね!」

不貞腐れた彼女が話題を逸らそうとしたが、すぐさま話題を戻す私。

皿に残っていたひと口のパンケーキをホイップクリームを付けて口に運んだ彼女が、渋面を作っておえーと、わざとらしくえづく。

「私はシたくないですって、センセーとなんて!卒業してもセンセーの相手をしなきゃなんてまっぴらですっ!」

「凪沙は卒業した今も、強情なとこは変わってないな〜ほんと」

「はぁー、ほんと変態の相手は疲れるぅ……」

彼女は額に片手を当てながら、ため息を吐く。

「一年後には、酒を酌み交わそうって約束した仲なんだから良いじゃん!凪沙ぁ〜付き合ってよぅ〜!」

「来なきゃよかった……」

「またまたぁ〜」

私はファミレスで向かい合って昼食を食べ終え、デザートも胃に収め、会計を済ませて汐嶋とファミレスを後にする。

13時過ぎの街中を乗用車の助手席に汐嶋を乗せ、彼女のマンションを目指して乗用車を走らせた。


車内では私は上機嫌で、彼女は不機嫌に流れる景色を見ていた。

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