第5話変態教師に染められていく透明な蒼
「痺れてるんじゃないですか……足。そろそろおりま——」
「痺れてない痺れてない。気にしないで。そのままでいて」
「でも……あの、先生っていつから……こんな感じなんですか?」
グラウンド側の窓の壁際に寄せられた机の椅子に腰を下ろす私の太腿に申し訳なさと嫌悪感が入り混じった様子の汐嶋が座り直す。
「こんな感じ?」
「その……恋愛対象が、同性なのか……って」
「たまたま好きになった相手が
「気持ち悪い……」
「そう?凪沙の気持ちよくなった顔はさぞ美しくて可愛いんだろうなって思うけど」
「いかがわしいことなんてしませんっ!先生となんて絶対っっ!」
「またまた〜ぁ凪沙ってば素直じゃないな〜ぁ。ヤりたいんでしょ、私と。エッチぃ〜ことしたいって顔にかいてあるよ〜ぅ!」
「誰がそんなことッッ!変態教師だけですよ、そんな淫らな行為を嬉々としてるのはっ!」
「心外だな〜凪沙ぁー。凪沙だって気付いてるはずでしょ〜身体の変わりようにさぁー!」
「やめっ……お腹をやらしく撫でてくるなっ!おい、やめっ、ろぉっ……ぅぅ」
素直にならない汐嶋に対し、ブラウス越しに彼女の腹を撫でる。
腹を撫でられた汐嶋が、身体をビクっとさせ、抵抗を試みるが手に力が入っていない。
「ひっ……はぁはぁ、ひっ、卑怯ぅ……先生ぇ、サイテー」
「凪沙が認めてくれないから。素直な子供はなにもされないでしょ。素直に認めてさえいれば、今のようにならなかったんだよ」
「素直に認めたところで、手ェ出してたくせに。もっと過激なことしようとしてたの、バレバレだよっ!」
涙を浮かべた汐嶋が睨みながら、抗議する。
「私のこと、ようやく意識してくれるようになったんだね。初めての頃みたいに焦らせないかぁ……」
「ポジティブすぎぃ……」
私はうっすらと汗ばむ彼女の身体を片腕で支え、床に倒れるのを防ぐ。
秋へと移ろいだ季節の今日だが、夏の暑さがまだ漂う十月の上旬の放課後の空き教室は、心地良いものだった。
私が汐嶋凪沙の身体を抱けるのはいつになるだろう。
そんな妄想を抱いて、彼女の身体を床に横たわらせて、汗ばむ彼女の首に手を伸ばそうとした——。
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