第3話辟易する生徒と変態教師
ふぅー、と溜め息を漏らす私に、正面で向かい合って座る教師が焼きそばをズルズルすすりながら顔を上げて見つめてきた。
パチパチと瞬きをしながら、溜め息を吐いた私を見据える変態教師は何食わぬ顔で焼きそばを平らげようとしている。
「食べないの、凪沙?食べられないくらいにバテた?」
焼きそばが口内から無くなった頃に、バテた元凶だと自覚のないトーンで心配をした言葉を掛けてきた彼女。
「そう、ですね……変態教師に振り回されて、バテました」
「変態教師って……褒めても何もないよ、凪沙ぁっ!?」
「褒めてないですよ。一ミリも。どうしたら、私離れしてくれるんですか……?」
上機嫌で身体を左右に揺らし、勘違いしている彼女の発言を即座に否定する私。
「凪沙から距離を置く……?そんな
「怖っ……怖い怖い怖いっ……!」
彼女が捲し立てた言葉に、思わず上半身を後方に引いた私。
「ちょっ……凪沙ってば、そんな距離を離そうとしないでっ!ねぇっ、ねぇってばぁっ!」
私が彼女から距離を離そうと懸命に背中に面した壁に近づき避難しようとするのを、好狭野が上半身をのり出して肩に掴みかかろうとしてきた。
彼女に捕まるまいと懸命に抗い、壁に背中を押し付ける。
つくづく彼女は、変態だと思う。
私に対する執着を誰かに移してもらいたい……一刻も早くに。
彼女が私に抱く執着は——受け止めきれない。
気持ち悪い、とすら感じているレベルであるのだ。
電車の乗車賃も海の家での昼食代も奢ってもらってはいるが、そういうことではないのだ。
私は、好狭野晶の変態性に辟易する。
ペディキュアやビキニについても、彼女がしつこくねだってきたので、彼女が好む物にしたのだ。
普段なら、まず有り得ないのだ。
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