第3章
50. 雄一の過去
雄一は「強迫性障害」で悩んでいた。
実は、妻である智子のマインドコントロールなのだ!
「才能のある雄一を動けなくする!」
ということが目的なのだ!
何度も何度も「確認」を繰り返す雄一。
はた目から見てシンドイのが、よく分かる。
つまり、智子は雄一を「狂人」とすることに成功したのだ!
繰り返す「確認行為」。
分かっていてもやめられない。
さらに、加わる「洗浄強迫」
一日に、何十回も繰り返される「手洗い」。
「森田療法」の精神科医のもとに通う日々。
「苦しい」ここまでの「苦しい」のは始めてだった。
「入院森田療法」も考えたが、反対する医師もいる。
「君は、森田ではないと!」
揺れ動く心……。
「欲望と不安の関係」、欲望が強ければ不安も強い。
「生の欲望」に比例する、「不安の強さ」
そうなのだ!
「生きたいのだ!」
「それもより良く生きたいのだ!」
その感情にストップかける「不安」。
ここまで来ると、どうしようもない!
「確認行為」と「洗浄脅迫」繰り返される。
いくら、薬を飲んでも一向に良くならない……。
処方される「抗不安剤」
確かに、飲んだ瞬間はいっとき休まる。
でもそれは、ほんのいっときのことで、
すぐに「不安」からくる「確認」や「洗浄脅迫」が始まる。
仕事につくどころではなかった。
服薬による、喉の乾き。大量の水を欲しがる、体。
毎日が地獄の日々だった……。
いつ自分は、許されるのか……。
終わりのない病苦。
それは、全て、妻智子のマインドコントロールだった!
やがて、家に引きこもるようになった。
運動不足による「不眠」
「精神科医」から「睡眠導入剤」が処方される。
起きていれば、「確認」から逃れられない……。
「どうしようもない!」
そんな状態が何年も続いた。
「分かっている、そう分かっているのだ!」
それでも繰り返される確認行為。
やがてもたらされる朗報!
「抗うつ剤」のSSRI、SNRIの登場だった!
確かに、SSRI、SNRIは「抗うつ剤」として開発された。
しかし、「強迫性障害」にも良く効くとされている。
雄一に「希望」のようなものが見えた。
だが、しかしただの「希望」で終わってしまう……。
ようするに効かなかったのだ。
なにが始まったか?
「睡眠導入剤」による「寝逃げ」である!
一日の半分位、寝て過ごしたのだ!
毎日、10時間以上、眠る日々。
人にもよるが、アルコールに走る人たちも多くいた。
何が悪いのか?
全く、分からなかった。
「無為に過ごす」とはまさにこのことだった。
そうなのだ!
あの時、結界を解くタイミングがわずかに速すぎたのだ。
智子の毒蜂にやられた!
一瞬の判断ミス、これにやられた!
悔しいが自分が負けたのだ!
後は、智子にいいようにマインドコントロールされる……。
「アドラー心理学」のアドラーは、
「働きたくないから、神経症を発症するのだ!」
と説く。
「本当か?」
雄一のアルバイト生活が始まる。
ちっとも良くならない「精神病」
どうすれば良いのか?
「苦しい時は、ワラにもすがる!」
「新興宗教」が待っていた。
雄一は空白の20年を、妻、智子によって経験させられた。
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