49. 小烏丸とソハヤノツルキ

小烏丸(こがらすまる)、平家の名刀。

普通の日本刀とは違い、太刀である。

直刀から、湾刀への過渡期に作られた太刀。

切っ先、のみ両刃という独特の形状がある。

平安時代、名工天国作である。


とにかく古い刀だった。


「平将門討伐」の際に、平貞盛が朝廷より拝領されて以降、

平家一門の家宝となった。

「壇ノ浦の戦い」で海に沈んだとされていたが、

江戸時代に発見され、明治維新後に明治天皇に献上。

現在は「御物」として宮内庁で管理されている。

はずである。


だが、「小烏丸作り」の太刀はそれだけでは無く、

実はいくつもあり、その一本が「龍の一族の村」にも伝わっているのだ。


信じられないことだが、村の「天神様」の御神体がそうだったのだ。

境内で遊んでいた子供が発見。


つまり、菅原神社の御神体の刀なのである。

なぜ、小烏丸が御神体なのか?

おそらくは、「平家の落人」がこの村に来たと黒田と雄一は

推測した。


大体、神社の御神体には、鏡もしくは刀が使われることが多い。


おそらく、小烏丸は天神様の「御神体」に、ソハヤノツルキは「抜かずの刀」としたのだ。


ソハヤノツルキほどではないが、霊験あらたかな刀に違いない!


大戦士長、黒田は有無を言わせず。

自分の物とした。


(内心は、狂喜していた!)


(これで、雄一と対等にわたりあえるのだ!)


雄一も自分にソハヤノツルキがあるので文句が言えない。

これが、黒田の悲劇の始まりだと自分で気付かなかったが……。

黒田と雄一の激突は避けることができなくなったのだ!


「源氏の刀」と「平家の刀」が二つ揃ったのである。

時がときならば、天下をとった刀なのである。


ちなみに、豊臣秀吉の愛剣「一期一振」は、このお話しに出てくるのか、分かりません!

というより、羽柴秀吉の頃の彼は素晴らしいのですが、

豊臣秀吉になってからは、ただの「お爺さん」となり、

関東の雄だった北条氏を全国の大名で、袋叩きに潰したからです。


ちなみに、北条氏の年貢は四公六民であり、秀吉の年貢は、

二公一民で、秀吉の年貢は馬鹿高いのです。

歴史に詳しい雄一は、秀吉は確か農民出身の武将のはず、よくこんなことができるな~と反感を感じていたのだ。


しかし、ソハヤノツルキではあるが坂上田村麻呂の愛刀を

刀工である光世が写したものであり,

パワーダウンしているのは間違いない……。

そういう意味で言うなら、神宮寺の持つ大典太光世は兄弟剣なのである。


もし小烏丸が本物であったら、ソハヤノツルキと同等の霊力のレベルなのだ。


さらに、次の「龍の一族」の総会で雄一も大戦士長に選ばれることになっているのだ!


その前に長老とテムジンの葬儀が控えている。


「死とは、最大の許しである!」


それよりも朗報だ!

日本中から、いや世界から「龍の一族」の村へ「異能の持ち主」が集結し始めた。

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