8. 雄一



妻、智子の施した、マインドコントロールが、徐々に崩れていった。


雄一は全て思い出したのだ。

20年前の戦いで、妻、智子の使役獣「クインビー・ダイナマイト」に負けてしまったこと。

そして、薬を打たれて記憶まで消されたこと。

ようやくではあるが、全部のことを理解することができたのだ。

雄一の心に再び激しい闘志がもえあがる!


「神我力」とは、「普遍の神」つまり、あらゆる物全て「神」であり、

一言でいうならあらゆる物に「神」が宿りじつは、

「世界は光輝いている」そのことを悟り、体得した人間のみが使える能力なのだ!


「永遠の命」をも悟り、民族意識に目覚め、「大和民族」の一人であり、

そのために「命」を捨てる覚悟のできる人間のみが使える力である。


では、日本国における「普遍の神の中心軸」とは、


「日本神道の祭祀」である「天皇陛下」の精神なのだ!


日本の国、それは「天皇陛下」の国なのだ!


そのことに気づき、背後で「日本の中心、つまり天皇陛下」のために戦う

「戦士」つまり「神人」であったことを思いだしたのだ!


雄一は20年以上前、防御専門ではあるが、平たく言えばただの「防御魔道士」である。


「神我力の戦士」だったことを、ようやく思い出したのだ。


「はるばると、ながめると『十方世界』ことごとく神なり。我『十方世界』を礼拝す」


ようやく、全部のことを理解することができたのだ。


「雄一は戦いの準備を始めた!」


雄一は以前、肌身離さず持っていた「シルバージャックナイフ」を探していた。

「シルバージャックナイフ」とは、ジャックナイフの一種と考えていい。

ただ普通のジャックナイフよりかなり大きいのだ。


「シルバージャックアンナイフ」あれはどこへいってしまったのだろうか?

考えに、考えた。

どうしても見あたらない。

仕方なく、とりあえず、普通のジャックナイフで間に合わせることにした。

だが、心は勇躍している!

つまり、もう一度「戦う機会」が与えられたのだ。

それだけで、雄一は歓喜した!


雄一にとって、最大の敵「天草四郎」それに従う「フォースの戦士たち」である。

もはや、「龍の一族」は、雄一を含めいくらもいないこと。

それが、かなり悲しい。


20年前、共に戦った昔の仲間はもういないのだ......。

雄一の幻獣神である「ホワイトジャイアント」も目覚めているに違いない。


(そうだ、長老に会いにいこう!)


雄一はそう決めて「龍の一族の村」に帰って来ていたのだ。


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