5. テムジンとテルジン

雄一は九州の「龍の一族」の村で、94歳の長老から「親孝行」の話を聞いている。


その人の背後には、紫色の穏やかに輝く「僧侶」の存在があった。


「本当の超能力者に会った!」


本物の超能力者は、人に「幸せ」を与える!


ちなみに、誰が言い始めたかは知らないが、

九州の「龍の一族の村」の山の地下で「清龍」が眠っている!

そう言われている。


青年が二人いる。

中国人留学僧のテムジンとテルジンの双子の兄弟だった。

二人共、頭を坊主に丸めている。

まさしく、修行僧だった。

拳法の乱取りをしている。


通背拳(つうはいけん)と蟷螂拳(とうろうけん)だ!


兄のテムジンの「通背拳」、弟のテルジンの「蟷螂拳」

二人はぶつかり合う!


「守護霊の強い方が勝つ!」


長老が断言する。


「そうですかな!」


大戦士長、黒田は異を唱える。


黒田の背後には激しく燃え上がり、怒り狂う「不動明王」の炎が見える!

背は高く、昔ラグビーをやっていたせいか、肩が広くガッチリとしている。

顔つきは、色黒で線が太い。


美男といえば、一応そうなのか?


とにかく、パワーを感じさせる、姿だった。


「守護霊」の力的には、兄のテムジンが上だ!

だがしかし、練習量では弟のテルジンだ!


「拳法の修行を通して、『守護霊』もまた修行しているのだ!」

やがては、


(弟のテルジンの方が確実に強くなる!)


大戦士長の黒田は見切った。

でも、今現在では兄テムジンの方が強い。


だが、その内に「逆転」してしまうだろうと感じた。

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