4話:衝動 ~吾輩は浮竹である~
「――君ッ、いっ君!!」
(ん……この声は……あー子?)
その日、
最愛の彼女“だった”
(そうだ、ラブホに入ったあー子を追って、自販機にぶつかって……)
情けない。
己の不甲斐なさと悔しさに身を焦がしつつ、ゆっくり開けた瞳には半泣きの
その背後には世界を茜色に染める夕日が顔を出し、それはつまり、
(……クソッ)
1時間以上、
その意味がわからない筈も無い
「触るな!! 俺を裏切った癖に……ッ」
「裏切る? 何の話? それよりいっ君、額から血が出てるよ。消毒しないと」
「辞めろッ、今更俺に優しくするな。俺じゃない男とラブホに入ったくせに……ッ!!」
「えッ……見てたの?」
驚愕に目を見開く
幼馴染みだった
真相を求めた彼が誰よりも傷付き、涙と共に今まで感じることの無かった衝動が芽生えた――その時。
「なぁ一ノ
「あ?」
不意に届いた第三者の声。
今まで
亜子とラブホに入った執事服のイケメンかと思ったら、違う。
そこに居たのは執事服の男ではなく、紙袋を手にしたパンツスタイルの長身女性で、しかも、同じクラスメイトの――
「……
*次話、最終話です。
短い物語ですが、最後までお付き合い頂ければ幸いです。
(なるべく明日の早い時間に投稿します)
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