M晴荘の日常
M晴荘に住むようになってから数ヶ月後、僕は夜勤の警備員をしていた。
一晩中、緊張感のある現場に派遣され、ヘトヘトになって始発で帰宅する。
コンビニで酒を買い、どうでもいいようなツマミで寝るために酒を飲む。
そんな生活を続けていた。
昼夜逆転の生活。
これから寝るぞ、酔いも回ってきたぞ、というときにドアを叩かれた。
こんなときになんだよ、もう寝るぞ。
酔眼をこすってドアを開けると、新聞の集金のおじさん。午前九時くらいだったか。
なんでこんなに早くに来るんだよ。
うんざりしていたら、おじさんが疑問に答えてくれた。
「いま集金に回ってまして、朝早いかなぁって思ったんですけど、窓から彼女さんが手招いていたんで、お伺いしました。ありがとうございます。彼女さん髪が長いから、磨りガラス越しでも目立つんですよ」
こんなことが日常茶飯事だった。
いつも僕につきまとう髪の長い痩せた女。
この部屋で過去に起きたことは、近日、分かることになる。
しかし、それは謎と混乱しか僕に与えなかった。
辻褄が合わないのだ。
お前は、誰なんだよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます