第43話 宝探し~陸~
「………なっ……なんで、討伐者で斬られても死なないんだ……? 絶対、死ぬほどの傷だろっ⁉」
流石のシロも、慌てた声で日本刀を構える。
しかし、「討伐者」の使用可能時間である5分が経過して、光の粉となって日本刀は消えた。
2分間、ここから攻撃を耐えなければいけない。
「『妖精』!」
すると、どこからか光が集まり始め、1人の人物の姿となって形作った。
黄色の髪をして、小さな羽を生やし、二刀流の小刀を構えた少年だ。
『ん?
少年も、息を荒げるシロと、状況の異常さに気づいたようだ。
そして、キッと
『お前か!
「…………」
そんな態度にイラついたのか、少年はそのまま
「あまり攻めすぎるな!」
シロの言葉にハッとなったのか、飛んできた斬撃を体をひねってかわす。
しかし、掠ったのか、まとっていた服の切れ端がピシッと切れた。
『ちっ……ちゃんと躱したと思ったんだが………斬撃が伸びた?』
少年は舌打ちしながら、素早く後ろに回り込み、そのまま小刀を振り下ろす。
「………ククッ」
その瞬間に、少年の腕が切り裂かれる。
『グッ———っ⁉』
ピンチを感じたシロが、体力を能力の方に流し込む。
すると、その力で、少年の腕が再生される。
少年も、腕を抑えながら、一旦シロたちの方へと退く。
『何で突然……切り裂かれて……』
「見えました……」
「私も聞こえた!」
同時に、
「白い糸みたいな斬撃が……何重にも重なって、飛んで行ってた。凄まじい速さで。まるで……触れたら斬られる、蜘蛛の糸みたいに」
「うんうん」
やはり、
それに、「討伐者」というゲームシステムをはねのけているのも怖いところだ。
「…………」
「ッ………」
放たれる圧倒的な威圧感に、全員身がすくむ。
瞬間、全員の首が飛んだ。
「はっ……?」
重なる斬撃に完全に切り裂かれ、殺される。
ただの肉片と化した、
「………クスッ…………」
すると、片目をしっかり隠している前髪が、風で揺れた。
—――ボッ
火の玉が宿った。
そして、
そのまま、
結局、片目は見えないままだった。
—――
「やっぱり……ゲームシステム、突破されちゃうかあ」
なぜなら———。
「
その恐ろしいほどにぎらつく目には、闇が宿っている。
バサバサッ!
周りに囲むように置かれていた書類が、大きな音をたてて舞い上がる。
そして細かく切り裂かれたかと思うと、
「……ッ」
一瞬、
ポロポロと涙が零れ、必死に拭う。
ビリビリに破れてしまった書類は、力なく地に落ちた。
「うぅ……っ。お姉ちゃん……」
つぶやくと、力を振り絞って、書類に触れる。
すると書類が復元されていき、元の場所に戻り、先ほどの空気はなくなっていた。
「………絶対に許さない…………」
「私の姉を奪った
静かに、苦し気にわめく。
その声を、ドアの向こうから、
経過時間:1日3時間30分
残り時間:8日20時間30分
参加者:50/15
鬼:10/7
てるてる:1/1
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