第42話 宝探し~伍~
「ん? 俺は……何で、生きてるんだ?」
「あれ……頭も痛くない。あいつに……銃で、頭を撃ち抜かれたはずなのに……」
あれは一生もののトラウマになるな……と、
すると、
『よかった……
「あぁ……あの記憶は消したいが、結果オーライ、だな」
読み終わると、またフゥ、と息をつく。
「何か……すごい情報量多いな。だけど、要するに誰かが復活させてくれたってことだな……」
生き返れてよかった。
とりあえず
(にしても、俺の脱落はきっとタブレットで知らされているだろうが、近くで見たのは……
———
「何で……建物が、破壊され………?」
あの身のこなしは、普通の能力者の域ではない。
ゲームマスターレベルとしか……。
(
そんな
何か、見落としているところが、こちら側にあるというのだろうか。
そう———我々が見つけ切れていない「欠陥」が。
すなわち「抜け道」「穴」。
なんとしてでも、それを見つけなければならない。
この計画が頓挫したら———。
「復讐の機会が、奪われてしまう、からな」
「―――ったく……神も、厄介な枷をつけてくるな」
これは、
だが、近くで巨大なエネルギーを感知すれば、瞬く間に
もうすでに、この呪いをかけた神は殺されているが、この呪いは、
しかし、それなら能力を使わなければいい話だ。
背中にしょった大きな刀を、無言で
—―――
「………………」
相変わらず黒いマントをかぶっている。
そして、1人の時でも決してしゃべろうとしない。
そんな謎の存在。
ただ、ひとえに強い、ということくらいしか。
その口元はずっと笑みしか浮かべず、何百年も前から、「少年」という姿。
異様な気配を感じさせられる、光のない片目と少し濁った蒼色の髪は、ずっと変わっていない。
「…………」
そして、火の玉として形を作ると、その火の玉は口を開けてケタケタと笑う。
一言で言い表すなら、「不気味」。
明らかに異様。
人間なのか不思議に思えてくる。
「ん~……なかなかつかないね、『花』エリア」
遠くの方から、誰かの声が聞こえてくる。
「そうだね。結構遠いはず」
「……って、伏せて!」
どうやら2人のようで、1人が危険を感じて叫ぶ。
気づいたもう1人も慌ててしゃがみ、何とか攻撃をかわした。
ビュッ!
その「刃」が通ったところの木が、いとも簡単にスパスパと切れていく。
「誰……?」
「もしかして、鬼陣営?」
恐る恐る近寄ってきたのは、
2人とも気配察知に長けているため、すぐに攻撃に気づいた。
「…………」
2人が初手をかわしたことに気づいた
その時ようやく、2人は
「…………」
何の動作もなく、三重に重ねられた目に見えない斬撃が、光の速さで飛びぬけていく。
「キャッ………」
流石に能力「倍視覚」と「倍聴覚」があるとはいえ、近距離で放たれた光の速さの真空の斬撃をかわすのは無理だ。
2人は死を覚悟する。
そこに飛んできたのは。
「何か邪悪な気配感じて見れば………戦いか」
『颯爽と来て、一瞬で敵を倒しちゃう
「お世辞はそれくらいにしてくれ」
参加者陣営、
そして、片手には日本刀。
気づくのが遅れた
「……っ、あ、ありがとうございます……」
突然の乱入、それに目の前のグロテスク描写に声がかすれながらも、
「まぁ、仲間を失うわけにいかないからな。ここは倒したから、さっさと———」
瞬間、シロの後ろに常にいた少女が、声を荒げる。
『
「……っ⁉」
ドンッと、シロが突き飛ばされる。
そこに、斬撃が飛んできた。
当然、シロをかばった少女は、もろに斬撃を喰らう。
「‼ おい⁉」
『だ、大丈夫です、
少女は苦し気にそういうと、サラサラとどこかへ消えていく。
いつの間にか、シロが「解除」と唱えていた。
シロの能力によって、生み出されていたものらしい。
それは当然だ。
シロの能力は「妖精」。
自分で想像した妖精を生み出し、戦ってもらったり、能力を増やしたりできる、とても強い能力なのだ。
そして———斬撃を飛ばした張本人、
それも、口から血が流れているのに、笑ったまま。
目に揺らぎもなく、別に体が斬られたことをなんとも思っていない様子。
簡単に言えば、感情が何も感じられない。
その不気味な笑みを絶やさないまま、
一瞬の瞬き。
本当にそれだけだったのに。
地面に落ちていた手も、
何度か動かして問題ないことを確かめると、
勿論、笑顔のままで。
感情がこもっていない———笑顔のまま。
経過時間:1日3時間11分
残り時間:8日20時間49分
参加者:50/18
鬼:10/7
てるてる:1/1
復活イベント終了まで、残り4時間49分
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