第16話 三人称で見る、ロレーヌ家VSフランシーヌ王家・貴族連合軍
「あああ~~~!!! 酔っ払いいい!!! ウイーーー!!!」
「フランシーヌ最高ぉぉお!!!」
「酒、うっめえええ!!!」
「おっげえええ~~~!!! ~~~!!! ~~~!!!」
盛大に酔ってるフランシーヌ王と貴族連合の兵たち。
ロレーヌ侯爵家が宴会しているということで、こっちも宴会だ! 余裕を見せつける!! と行われた宴会は、王族・貴族・平民関係なく。
全ての兵士たちを、悪酔いさせた。
まァ、平民は仕方がない。彼らが普段飲むのは、安いエールがせいぜい。そこで、最低クラスでもワインを振る舞われれば。もっと飲みてぇ!! っと、暴飲暴食。
撃沈するのは、道理である。
しかし、貴族と王族が酔いつぶれたのは。
「眠り薬と酔いつ潰し薬。聞きました」
「よし。では、さっそく取り掛かるぞ。暗殺と火薬。油設置。いけ!」
「「「「「!!!」」」」」
忍び込んでいたソーバーン族が、酒に混ぜた薬の効果であった。
そう。すでに、ソーバーン族は入り込んでいたのである。
これは、別に命令違反ではない。
サーシャの命令は、相手陣地への潜入、妨害。
ならば、それを実行する前に『下準備をする者』が、入り込んでいるのはセオリーである。
そのことはサーシャ事前に説明し、彼女も『あなた方の自由にやりなさい。成功するのが大事です』っと、許可をくれていた。
(本当に理解のある方だ。直臣にもしてくれたし。良い方に巡り合えたわ)
理解ある上司は貴重。
その上、地位や土地をくれた上、将来は血を混ぜて身内にする。
そう本気でおっしゃった侯爵令嬢の姿を思い出し。ソーバーン族の代表は、歓喜に震えた。
(この戦に勝てば、あの方はフランシーヌの王女となる。シャルル様が王となり、フランシーヌを自由にできる女王という地位に)
(見てみたい。元は孤児や食詰め物だった者たちを、強兵に鍛え上げ。スパール人からも忠誠を誓われる彼女が。フランシーヌを、いや、世界をどう変えていくのか。見てみたい!)
そして、その最初の一歩を! 自分たちが担当している。
その事実に、脳が痺れるほどの歓喜を覚えつつ。
けれども、仕事は絶対に失敗しないと己を律し。
「ういー。ヒック――斬! ぐえ!」
「あ~? なんか音が――ゴキ! グリン! ほげ!」
「スピースピーZZZ ――斬! がっへ!」
彼らは、敵兵を暗殺。
「油完了です」
「火薬、設置しました」
「ご苦労。すべて仕掛け終えたな」
指示通り、油と火薬を設置し終えたのであった。
そして。
「では、撤退! 合図を送れ!」
「は! 空に、火炎弾! 弾けろ」
――ヒュルルル! パァァァンンン!!!
全員が陣地から抜け出し。
合図を送る!
それを見て!
「! 合図だ!」
「よーし! 全員! 合図だ! 飛龍船に乗り込めぇぇえ!!!」
「「「「「おおお!!!」」」」」
ロレーヌ侯爵家・飛龍船団!! 出陣!!!
骨のドラゴンの翼を、大きく広げて、空へ舞い!
羽ばたきながら、隊列を組み!!
「行くぞ! 敵陣営に大砲! 発射ァァあ!!!」
「火炎放射だ! 爆弾投下だ!!」
「雷魔法! 風魔法! 斬撃魔法を放てぇぇえ!!!」
「「「「「ウイーーー!!!」」」」」
大砲! 魔法! 火炎放射! 爆弾投下!!
暴力的な目覚ましを!
国王たちに、たたきつけたのである!!!
その結果!!!
――!!! ド ッ ガ ァァあ!!!
「!? なに、ぎゃ!」
「ぐえ!」
「げへ!」
「ごっへ!」
「「「「「『『『『『ぎゃあああ!!!』』』』』」」」」」
フランシーヌ国王&貴族連合は、紅の地獄に叩き落された!!!
それはまさしく、死の世界!!!
起きた瞬間、兵が消え!
目を開けた貴族が死に!
眠ったままの大臣たちが、破壊され、燃やされ、爆発される!!!
全てが消される、煉獄の世界が! そこにはあったのである!!!
「!? な、なんだ!? 何が!?」
「敵襲か!? ぎゃ!」
「うわあああ!!! あああ!!!」
そんな現状である。
現場は、もう大混乱!!
「に、逃げろ! 勝てるわけな――ボォォォ!!! ぐえええ!!!」
逃げ出そうとする兵士は、ドラゴンの炎に焼かれ。
「こ、この! 降りてこい! 勝負しr――ドッガァァァ!!!」
立ち向かおうとする兵士は、降ってきた爆弾で荼毘に付した。
「う、うわあああ!! ドラゴンだァァあ!!! 爆破魔法! 斬撃魔法! 極大・爆破魔法ぉぉお!!! あああ!!!」
空にドラゴンがいることを見て、発狂した貴族が魔法で暴れ。
「ぎゃ!」
「ぐわ!」
「っが!」
―― ド ッ ガ ァ ァ ァ ンンン!!!
他の貴族を巻き込み自爆する!!
大惨事を、引き起こし!!!
連合は、崩壊寸前となったのだ!!!
そうして!!
「今です! 攻めなさい!! 敵を皆殺しにしろぉぉお!!!」
「「「「「「『『『『『『うおおお!!!』』』』』」」」」」」
真に、連合を滅ぼす! 主力が到着したのである!!!
そう! 馬に騎乗したサーシャ・ド・ロレーヌ率いる! 私兵・スパール人の騎乗部隊!
左右を、馬に乗ったリザ率いるメイド騎兵隊に! アルバーノ率いる執事部隊が!
全力で突撃したのだからァァあ!!!
フーーー!!!
「ひ、ひえええ!!!」
「た、助け!」
――突撃!! ドッゴォォォ!!!
「「「「「ぐえええ!!!」」」」」
そう! 逃げまどう兵士や貴族は、彼女たちの突撃で!
すべてを斬られ! 突かれ! 踏み砕かれ!
あっという間に、大壊滅ッッッ!!!
「こ、この娘を殺せば勝てる! やれぇぇえ!!!」
「「「「「うおおお!!!」」」」」
立ち向かおうとした、貴族たちも!
「あれが指揮官ね! それ!」
――魔力の弓矢HIT!
――鎧を貫き、相手は死ぬ!!
「ぐえ!? ――ボッガァァあ!!!」
「頭をつぶしたわ! そのまま、突撃ィィィ!!!」
「「「「「うおおお!!!」」」」」
――ドドドドドドドドド!!! グッシャァァあ!!!
『『『『『「「「「「!? ぐえええ!!!」」」」」』』』』』
お嬢様の、敵リーダー絶対殺す弓と!
通り過ぎるだけで、数百が死ぬ! 圧倒的な暴力の前に!
この世から、おさらばァァあ!!!
ウイーーー!!!
「お前貴族だな! 死ね! ――ぐえ! よし! 首とったりィィい!!!」
「こっちも倒したぞ!!」
「打ち取ったりィィい!!!」
「イエーーー!!!」
そして、その後も順調に! 有力貴族の首を取り! 兵士も皆殺しにしたことで!
フランシーヌ王&貴族連合は、消滅!!!
万を超える軍が、1時間で死に絶えたという!
歴史的大敗北を、喫したのであった!!!
「皆、よくやりました!! 我らの勝利です!!!」
「「「「「うおおお!!! サーシャ様ァァあ!!!」」」」」
『『『『『勝利! 勝利! 勝利!!!』』』』』
「「「「「「『『『『『『サーシャ様バンザイ! シャルル様バンザイ! ロレーヌ家! バンザイ!!』』』』』』」」」」」」
『『『『『「「「「「「うおおお!!!」」」」」」』』』』』
これには、さすがお嬢様!! お味方! 大勝利ィィィ!!!
っと、指揮官であるサーシャ・ド・ロレーヌ侯爵令嬢を称え、賞賛する声が溢れるのも当然。
逆を返せば、少数で万の王軍を殲滅したのである。
しかも、大きな損害はなしに等しい。
ものすごい大戦果だった。
っが!
「報告します!! フランシーヌ王と王子・ワイリー! 王妃や、マリアの首! 死体を探しましたが! 見つからず!!」
「陣の東西南北! 近くにある川や、森も見ましたが! ありませんでした!!」
「代わりに、王族の魔力の発生を検知! おそらく、ワープ魔法の模様!!」
「なるほど。ご苦労」
この偉大なる勝利に彼女は、浮つかず。味方の報告を聞く。
そして、フランシーヌ王と、王子! 王妃とマリアの首! 死体ががない!!
それを聞いた彼女は!
「王たちは、逃げましたね。では、このまま進め! 王都フランシーヌへ!!
フランシーヌ城を包囲しますよ!!」
「我に続けぇぇえ!!!」
っと、先導!!
「「「「「「うおおお!!」」」」」
『『『『『『進めぇぇえ!!!』』』』』』
「「「「「「『『『『『『イエーーー!!!』』』』』』」」」」」
万の敵を皆殺しにしても、疲れどころか! 士気が上がる!!
そんな、一騎当千の兵たち!
彼女が育て上げた、万夫不当の強兵たちを率い!
サーシャは、王都フランシーヌを目指したのであった!!
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