第11話 新聞と訓練と才能とマッサージ。ときどき、砂の海
――新聞
・衝撃!!! 大公夫人・暗殺未遂! 犯人は、彼氏とその元カノ!!
・犯人であるドグマーとメアリー! 公開処刑! 民衆の前で、投石刑と串刺し。生きたまま焼かれて、解体される!!
・傷心のアメリア大公夫人! 友人であるフランシーヌ侯爵家令嬢・サーシャ様と、お茶会を行い。回復の傾向にあるとのこと!!
・サーシャ様、本日イタリアーノを出国! 次は、沙漠の国ミラージュへ!
・お見送りパーティーは盛大! 抱き合うアメリア大公夫人とサーシャ侯爵家令嬢様に、感動の涙!
「盛り上がってるわねー。新聞」
まァ、アメリア大公夫人と、めっちゃ仲良くなったのは事実だけど。
うん。落ち込んでる彼女と一緒に遊んで気晴らしし、前を向いて歩けるようになったみたい。
イタリアーノ出国の時には、いっぱいお土産をもらったわ。
特に!
「しかし、凄いですね! この城! 別荘! デカすぎィィい!!!」
「ほんと、大きくて凄いわ。説明書だけで分かる。さすが、元大公様の持ち城」
「設計図で言うと、キッチン5か所に、風呂10か所! プールに劇場に、ゲストホール。商人を招いて開く市場まで!」
「魔法図書館や天体観測装置もあるわ。あ、絵画の部屋もあるって!」
「すっげえええ!!!」
「管理が大変ね。旦那様に、メイド部隊・追加要請をしましょう」
「「「「「「異議なし!」」」」」
っと、新聞にも載ってて、メイドたちが話している! イタリアーノの別荘!
ええ、アメリア大公夫人にもらったのよ。
白を基調とした巨大なお城で、広い庭があり!
城の中にはプール、演劇館、サーカス場もあり! 上演できるそう!
今度旅行に来たら、是非見たいわ!! アメリア大公夫人も誘いましょう!!!
「今日の分の塩トマト! できましたー!」
「うおおお!!! やったあああ!!!」
「昨日も思ったけど、めっちゃ多くできるよね! 凄くいい!!」
「ええ! 植物栽培室、本当に便利です! 大公夫人、ありがとうございます!!」
で、お土産は当然。これだけではなく。
次にもらったのが、植物栽培室! 植物の栽培速度が上がり、品質も上がる! 凄い魔法道具!! これで、塩トマトがもっと最強になるわねぇ! ぐへへ!!!
ええ、作ったわよ! 黄金の実!
水の祝福で出来て、精霊様たちに献上したら『『!! おいしいいい~~~♡♡♡///!!!』』って大好評!!
メイドたちや兵士たちにも大人気で、ドンドンつくってるから! ミラージュ王国で売りまくるわよぉ!! へへへ!!!
「っは! それ! は!」
「ジャブ! ジャブ! ストレート!」
「タックル! ローリング! ローリングからの蹴り! パンチ! 突き! タックル! 投げぇ!」
「「「「「「おおお!!!」」」」」」
そして、めっちゃありがたいお土産がこれ!! ゆっくり砂時計!
これ、ひっくり返すと時間がゆっくり流れて、1日が倍となるのよ!
つまり、訓練し放題!!!
なので!
「剣! 盾! 構え! 盾パリィ! 剣を振り下ろし! 上げ! 突き! 盾で殴りつつ、ガード!
相手の攻撃を流すのを意識しながら、踏み込んで胴を払う! 払う! 突く!」
「剣を引いて、盾で殴りガード! そして、そのまま回転切り!!
盾でしっかり守りながら、来る攻撃を盾で殴り! 殴り! 殴り! 視線を隠せ! 相手を建てに引き付けて、剣を見えなくしろ! そこでぇ!」
「ジャンプしながら剣を振り下ろし! そのまま、振り上げぇぇ!!! おおお!!!」
「「「「「おおお!!!」」」」」
「ナイフを構えて、素早く切る! 刺す! まずは、相手の手足! 体! そして、相手の首を狙うこと! 組み付いて、ここ、ここ、ここを斬りなさい! ココを斬れば動けなくなる。ここを斬れば血が止まらず死ぬ。ここを斬れば、痛みで気絶する!」
「正面からなら、ナイフで距離を稼ぎ、当たりの物を使う! 熱いお茶! 皿! モップ! 相手の意識をそれに向かわせ、魔法を使いなさい!
相手の嫌がることをする! 自分が主導権を握る! 常に動き、考え、リラックス! 自分と主が生き残ることを優先!!」
「「「「「はい!!!」」」」」
私の私兵とメイド部隊! そして!
「盾構ぇ! タックル! 盾殴り! 殴り! ガード弾き! タックル!! 回転・盾ブロー! 蹴り! 盾ぇ! タックル! ドラァァあ!!!」
「槍構ぇぇえ!!! 突き! 抉り! 刺す! タックル!!
飛んで刺す! 投げる! そのまま、踏み込んでぶん殴れ! 拳タックル!!
槍を持って、振り払え!! 周囲をブン回し、タックル! ブン回し! タックル! 飛び突き! タックル突き!!」
「全身に力を! 突撃・突きィィい!!! チャージ・ランス・タックルぅぅう!!! どっらあああ!!!」
「「「「「うおらァァあ!!!」」」」
奴隷戦士のスパール人たちが! めっちゃ訓練しているのである!!!
あ、そうなのよ! 私、スパール人の代表に勝って忠誠を得たわ!!
いやー、ありがたいわよねぇ。
腕相撲でも、勝ちは勝ちで!!
そう。これが、必勝法! 腕相撲!!
めっちゃ強いスパール人と戦い、勝率は6割あるけど、もっと確実に勝ちたいじゃない?
だから、腕相撲も勝負に入るってゲームで知ってたから、それを提案し! 向こうが了承!
そうして、樽の上に手を置き! はじめって言った瞬間!!
相手が、獅子を握り殺す力を発動させようと! 神経・筋肉が動いた瞬間に!!
「合気投げ!!」
――グルン!!! ドタァァァンンン!!!
「!? ぐわあああ!!!」
っと、合気で勝ち!!!
ええ! よーいどんで、来るタイミングは分かるし!
あとはそれに合わせて、相手の力を利用し! ひねり投げればいい!!
まさに、精度はパワーに勝ち、タイミングはスピードに勝つですわ。
スパール人も、まさか細腕で、彼らより小さい私に投げ飛ばされた上。腕の骨を折られるとは思っていなかったようで、ポカンとしてました。
でも、それも一瞬の事!
全員スタンディングオベーションで、私の勝利を称え。『あなたの勇に忠誠を!!』っと、スパール人として最高の忠誠を誓ってくれました!
ですので、こちらも腕を治し。
「盾ぇぇえ!!! タックル!!! うおおお!!!」
――必殺・盾タックル! ドッゴォォお!!!
今日も、一緒に海の上で!
トレーニングでしまくりですわァァあ!!! ヒューーー!!!
「その調子です! お嬢様!! 脱力からの、爆発が一番効きます! 崩す意味も大きいので、リラックスから爆発!! 下から上へカチあげるように! 上から下に押しつぶすように! あ、そうです! その動き! 凄くいい!! そのイメージで行きましょう!! すごくいい!!」
「槍! 突き! タックル! ジャンピング・ランス! っはァァあ!!!」
――必殺・スパールの槍! 超パワー・ドリル・ランス!!!
「素晴らしい!! そうです! 槍は武器にあらず! スパールの体そのもの!! 足の踏み込みから全身を使う物や、腰だけ、肩だけ、腕だけ、手首だけ、指だけで扱う! だからこそ、抉り、回転し、振り回せ! なんでもできるのです! あ! 完璧です! 今の、全身の個所を動かしての、タックル突き! 巨人程度なら殺せますよ! もう一度やりましょう! どりゃァァあ!!!」
「剣を構えて! はいはい! はい!!」
――達人の剣!! フランシーヌ剣術・奥義! 華麗なる貴婦人の構え! 習得!!
「!!! そうです! それこそが、フランシーヌ剣術奥義! 華麗なる貴婦人の構え!! ぶっちゃけ構えなどどうでもいいのです! お嬢様の今やった、相手の動きを見切り! 最小の動きで仕留める!! タイミングと精度に重きを置いた攻撃こそ! フランシーヌ剣術の基礎にして、奥義なのです!!!」
ああ、楽しい!!
自分が成長し、強くなっている!!
ガンガン実感で来ますわァァあ!!! おっほおおお~~~♡♡♡!!!
「……なァ、お嬢様のあの盾捌き。凄くね?」
「ああ、お嬢様の盾すごいぞ。殴り、ガード、弾き、回転ブローの精度・タイミングがすごい。当たれば芯が崩れる。あれだけで死ぬわ」
「でも、盾タックルが一番やばい。数倍デカいスパール人が、数十人。押されてたからな」
「マジ強い。マジパワフル」
「お嬢様の盾は、響くんだよな。芯を崩して重い。肉体じゃなく、重心。魂に来るんだよ」
「すっげえええ!!!」
「いやいや、本当にすごいのは槍ですわ。あれは、オークや巨人。龍でも倒せる! 最強の槍!! 全身の力を槍に込め、その威力を何倍にもできる技術をすでに極めている! 達人の槍です!!」
「いや、お嬢様の剣こそ最強!!! 魔力も、パワーも、何もいらず! タイミングと精度だけで勝てる剣! それをすでにものにされたお嬢様に、敵はない!!」
「見事なナイフ術です。さすがはお嬢様」
「おお! おお!!」
「な、何泣いてんだ? スパールの爺さん?」
「分からんのか! お前には! お嬢様の、あの突きが! 蹴りが! 組合からの投げが! 関節技が! ディフェンスからの一本勝ちスタイルが!!」
「確かに、盾・槍・剣もいいだろう! ナイフは知らんし、興味もないから省くが! ――あァ?(メイド長)それだけで、剣闘士の上位に行ける!! 常勝無敗の化け物どもと切り結び、多くの名誉と金を得られるだろう!」
「しかし! しかし! 儂は断言する! お嬢様の本当の才は、間違いなく素手! パンクラチオンじゃ!!
あの拳! 儂も初めて見た、ジャブ! ストレート! フック! アッパー! 多彩なカウンターに、ガゼルパンチ! スマッシュ!!!」
「ぶつかり合うタックルからの、見たことない関節技! 投げ! 防御技術に、コントロール技術!! 素晴らしい!!!」
「是非! 是非お嬢様には! パンクラチオンをしていただきたい!! これでせんのは、世界の損失ですよ!
儂があと20年若ければ! 試合をセッティングできたのに!! イタリアーノのトップに駆け上がり! 全世界に名を示せたのに!! ああ、口惜しい!!」
「「「「「えぇ……」」」」」
ええ、良い練習でしたわ!!!
っで、それが終わると!
「では、マッサージを教えましょう」
「「「「「うおおお!!!」」」」」
今度はこっちが教える番!
マッサージの時間ですわ!!!
ええ、さっき言った、スパール人の折れた腕。
あれを魔法で治すときに、マッサージもしたんですが。
それで、『疲労が消えた!?』『すげぇ!!』っとなって。教えておりますの。
まァ、システマ式のマッサージですからね。動き続けられるように、ストレスを発散するように、ダメージを抜くように行うマッサージは、戦闘民族スパール人にはめっちゃ高評価ですわ。
なので。
「ここをこうして、マッサージしながら。回復魔法を流すと」
「~~~♡♡♡ おっほおおお~~~♡♡♡!!!」
「気持ち良い! その上、体が軽くなるぅぅう~~~♡♡♡!!!」
「「「「「あああ~~~♡♡♡!!!」」」」
っと、教えつつ。
「では、次は整体柔道マッサージ魔法です! 行きますよ! そいや!」
――ドッカン! ドッカン! ズダァァァンンン!!!
「うおおお!?!? ぐっへえええ!!!」
「投げられてからの、回復!! しゅごいいい!!! おおお~~~♡♡♡!!!」
「これぞ、破壊からの再生ィィい!!!」
「人体大復活ぅぅう!!!」
「「「「「イエーーー!!! ウイーーー!!!」」」」」
魔法と整体柔道を交えた、整体柔道・マッサージ魔法も! 教えておりますわ!!
ちなみに、これもすごいです。
もともとは、背骨ががたがただったおじいちゃんスパール人や、半身焼けて炭になってても生きてるスパール人たちの痛みを和らげるために、うろ覚えの知識と魔法で、なんとかなれー! とやってみたんですが。
柔道でスパール人を投げながら魔法を掛けることで(絶対に前の世界の、整体柔道と違う)!
なんと! おじいちゃんの背骨どころか、全身の骨が再生し! きっちり並び! 全身の痛みが消えて、強くなりまくり!
炭となっている半身に技をかければ! みるみるうちに生身に戻り! 神経・血管・筋肉・骨などが再生!! 視力や皮膚も戻り、健康体からの爆裂パワーUPを遂げました!!!
もう分かりますね?
スパール人たちは、このなんちゃって整体柔道マッサージ魔法に泣いて感謝し! 是非覚えたいと、是認が習得!!
メイドたちや兵士にも広まり、日々実践と研究が行われているんですわ。
……自分でやってなんですが、うろ覚えの知識と魔法でもここまで効果があるとは。
確認しただけで、新たに習ったスパール人やメイドたち・兵士たちも、古傷やケガ、骨のゆがみを治せてるし。
すごい可能性を秘めてない? 整体柔道マッサージ魔法。
これは是非、スパール人たちに研究してもらい! マジの医術にしたいですわね!!
頑張れスパール人! 君たちは、医療の神になれるぞ! 頑張れ!!
っということをやりつつ!!
「では、休憩!! ご飯を食べますよ! 強い体を作りましょう!!!」
『『『『『「「「「「イエーーー!!!」」」」」』』』』』』
私たちは、砂漠の国・ミラージュの海岸に到着し!
そこから、陸! 砂の海を渡航できるよう船を変形させ! 砂の海を超えるまで!
訓練しまくったのでした!!
ヒューーー!!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます