第7話 悪役令嬢。イタリアーノのホテルを満喫してたら、誘われる。


「ぷっはー! アー気持ち良い」


 うん。何度も往復したけど、気持ち良いわァ。あー。


 っと、ごきげんよう。


 ここは、イタリアーノのホテル。そのプール。


 訓練の一環として、泳いでおりますわ。


 あー、良い気持ち。


 そろそろ季節は夏に入りそうですものねー。プール日和ですわ~。あああ~~~♡♡♡


 あと、30回往復したら、上がりましょう!!


 って、タダ泳いでるだけではありませんの。


 そう。このイタリアーノ……ゲームにもあった国で、演劇とコロシアムとピザやパスタ。カジノが有名な国なんですが、そこに船団を入れてから、3日ほどたちます。


 その間、何をしてるかというと。


「お嬢様! 報告です! 最高級酒漬け・ドラゴン肉! めっちゃ売れてます!!」


「今日も売れるのが止まりません! オークション形式でも、ドンドン売れていると報告が!」


「イタリアーノ新聞に出てますよ!『食べれば美味の塊!』『長寿のドラゴン肉! イタリアーノへ!』『金貨と札束を回せる大貴族・大富豪たち!』とか!」


「こっちの新聞もです!『国外の美食家・富豪・貴族・教会も興味津々!!』『万病を治すとか直さないとかいうが、とりあえず! 極上の珍味というのだけは確か!』」


「外国の新聞にも出てますよー。『城と領地を撃っても食べたいレベル』『食べて天国が見えた』『全部売り切って、1200億ゴールドの利益か!?』『持ち込んだサーシャ・ド・ロレーヌ侯爵令嬢は、億万長者間違いなし!』って」


 へー。そうなんですねー。


 まァ、プールサイドで、報告書と新聞を持って興奮している。


 リザをはじめとした、メイド隊の反応で分かるように。


 偽ドラゴン肉を売って、稼いでるわけですね。ええ。


 いやー、物凄い売れ行きですわ。


 結局、イタリアーノに入るまでに5頭のクジラ・モンスターが取れて、加工・錬金。


 つまり、6頭分の鯨をとれたわけで。


 最高級酒漬け・鯨肉にして、6頭12億。


 それを最高級酒漬け・ドラゴン肉にして売って。


 全部で約1200億!!


 正確に言うと、一部オークションで値が上がったり、大商人や富豪が競りバトルしたことで。


 1500億ゴールドの稼ぎとなりましたわ。


 うん。ものすごい金額ですね。


 ゲームでもこれくらい稼げたましたが、まさか権利書詐欺より稼げるとは! 


 これでフランシーヌ国王に勝てるよう、買い物ができる!!!


 そういう訳で!


「プール出ますわ。着替えを」


「「「「「はい!!」」」」」


 私はプールから出て、メイドたちに着替えさせてもらった後。


 近くのレストラン(もちろん貸し切り)に赴き。


「いらっしゃいませ! サーシャ様! 本日も例のメニューで?」


「ええ。よろしく」


「かしこまりました! どうぞ!」


「イタリアーノ・ピザ、トマトとチーズのスパゲッティ、イタリアーノ・カツレツなどなど! お楽しみください!!」


「「「「「おおお!!!」」」」」


 彼女たちと一緒に、ピザとスパゲッティに、イタリアーノ風カツレツを食べたのです。


 うん! 美味しい!


 たっぷりのチーズとトマトが最高!


 カツレツもジューシー! トマトとバジルのソースが良い味してるわ! あああ~~~♡♡♡!!!


 っと楽しんでいたら。


「サーシャ様ァ! どうかお目通りォォお!!!」


「儲かる話があるんです! 是非、投資を!!」


「我が商会の儲け話を! 是非! 是非聞いてください!!」


「宝石! 真珠! 絵画! 何でもあります! 是非買って! おねしゃす!!」


「ドレスもありますぞぉぉお!!! うおおお!!!」


「「「「「買ってくれぇぇえ!!! イエーーー!!!」」」」」


 売り込みきにた商人の方が来るので。


「貴様らァァあ!!! 逮捕ォォお!!!」


「ここをどこと心得るかァァあ!!! 出ていけぇぇえ!!!」


「お嬢様の時間を邪魔する?」


「「「「「許されないよなァ?」」」」」


「はい! マッスル・ボンバー・プリズン!!!」


「追放・ローリング・クレイドル!」


「ぶっ飛ばし・バスター!!」


「おっらァァあ!!!」


「「「「「『『『『『ぐぇぇえ!!!』』』』』」」」」」


 はい、兵士が捕まえ。


 追い返すー。ヒューーー!!!


 ええ、そうです。


 ああいう人々がいるので、私はわざとここに。


 ホテルを貸し切りにして、『目立つ籠城』をしてますの。


 うん。冗談抜きで、籠城だ。


 私がどこかに行ったとなると、彼ら、全力で探して迷惑ですからね。


 だから、私はホテルで注目を浴び。彼らの目を集めさせ。


 そのうちに、執事のアルバーノたちが! 私の名を受けて、取引をする。


 そういう風にしていますわ。


 ……あー、でもいい加減うざったい。


 全然自由にできないし。ロードワークもできない。


 筋トレとプールで泳ぎまくるのと、魔法の稽古。


 水圧と重力増加しての、軽い戦闘訓練しかできてないからなァ。


 早く自由にしたい!!!


 やることやって、さっさと出たいわ。イタリアーノ。


 フーーー。


 っと、考えていると!


「お待たせいたしました。お嬢様」


「! アルバーノ!」


 執事のアルバーノがやってきて、報告!!!


「待ってたわ! っで、買い物は上手くいった?」


「はい。まず、ご指令のあったトマトの苗をたくさん買いました」


 おお! でかした! よくやった!!


 これを船で運びながら育てれば、良いものになるわ!


「いい物? ですか?」


 ええ、良い物よ。リザ! 売るときに教えてあげる!


「「は、はあ?」」


 ふふふ! アルバーノやリザだけでなく、他のメイドたちも?顔してるけど。


 イタリアーノで、トマトの苗をたくさん買えた! これはすごくいい物よ!!


 そう。船で育て、祝福されたトマト。


 ゲームで言われたそれの名は、『塩トマト』。


 塩分のしょっぱさのお陰で、甘みも増したそれは! イタリアーノに加え、全ての国で売れる。


 黄金の野菜!!


 のちにイタリアーノでは、『天国のリンゴ』と呼ばれるほど愛され!


 作れば作るほど売れまくる! 黄金の実!


 それが、塩トマトだ!!


 この秘密は、絶対にバレてはならない。


 イタリアーノを出てから、教えましょう。 ええ!!


「では次です。ご指令通り、ワインも買いまくりました。

食料も買ったので、5隻の船が、ワインとトマトと食料で、いっぱいですな」


 ありがとう! いい報告ね!


 っふっふっふ! 先ほど、塩ワインは黄金の実といったな?


 ならば、このワイン! 海を泳ぎ、祝福を受けたワイン! 海ワイン!


 これは、『黄金の水』!!


 飲めば歓喜を全身が巡り、あまりの美味しさに病人・けが人・死人も飛び跳ね、歌い、踊り! 


 寿命を10年は伸ばすという! 命の水!!!


 全世界で、出せば売れるほどの一品!!!


 ゲームユーザーで、お世話にならなかった人間はいない! 神の奇跡!!


 それこそが、海ワインだ!!!


 これも、ここで説明はまずい。


 しっかり作らなくてはね。ええ!


「最後に、ご命令通り奴隷商店に行きまして。スパールの戦士という奴隷を、いるだけ買いました」


 ! 買えたのね! でかした!!!

 

 スパールの戦士。それは、ゲームでも認められた最強戦士の一角!!


 素手でライオンを握り殺せる一族で、盾と槍の使い方も天下一品!!


 強さを追い求めるあまり、策略などにハマって数を減らし。奴隷の身分に堕ちても!


 尚も変わらぬ戦闘力!!


 正直、良く育てたスパール戦士1000人で、フランシーヌとその隣のゲルマニア。エンリケや、その他小国を蹂躙できるくらいには強いわ。


 まァ、それを為すには200人以下に減っているスパールの戦士。


 一人1億はする彼らを買い取って、育て、自分たちの戦力を示して忠誠心を示してもらうという。血のにじむようなプレイと、運が必要なんだけど。


 *スパールを全員買える金策プレイ。奴隷商にスパール人がいる運。スパール人に勝てるプレイ&運。


 今回は、かなり儲けてるし! スパール人もかなりいた!


 100人買えたら大勝利!!


 あとは、スパール人の代表とサシで勝負して、勝つだけね!!


 やってやるわよ!! うん!!!


「良くやってくれたわ。ああ、彼らが船に合流したら、風呂と食事を全員分におごってあげなさい。

万全な状態で、彼らの伝統。サシ勝負をするわ。

その分の予算はあるわよね?」


「え、サシ勝負? ……あ、はい。分かりました」


「予算についてですが、はい、問題ないです。

ただ、私も驚いたのですが、スパール人が高く……1500億のうち1000億を使いまして。

のこり、500億です」


 ええ、全然いいわ。


 次で稼げるし、戦力もアップできた。むしろ500も残せて凄いわ。買い物上手ね!


「は、はァ。ありがとうございます?」


「あの、お嬢様。サシ勝負って?」


「スパール人たちの忠誠は、お金や奴隷契約では買えません。戦って手に入れる必要があります。これは、彼らの文化なので、絶対に曲げてはいけません」


「は、はァ。分かりました」


「そして、彼らが忠誠を誓うなら私。つまり、私がサシで勝負し、勝つ必要があるのです」


「「「「「え!?」」」」」


 止めても絶対にしますよ。


 フランシーヌ国王に勝つには、彼らの戦力は絶対に必須なので。


「し、しかし!!」


「危ないですよ! お嬢様!!」


 ここでサシ勝負に応じない方が危ういですわ。


 それは、彼らの戦士としての誇り・文化・魂を、踏みにじる行為です。


 殺されても文句言えませんよ。


「「「「「ええ!?」」」」」


 安心なさい。相手はサシ。つまり一人。


 そして、今の私なら……そう。ゲームでない私なら、絶対に勝てる方法もあるので。


「あ、そうなんですね」


「ええ。負けられない戦いには、勝てる算段を付けてから挑む。貴族の常識でしてよ」


「そういうことならば、我々は反対しません。お嬢様を信じます。が」


「何かあったら、絶対に私たちを頼ってくださいね」


 当たり前でしょ。


 頼りにしてるから、お願いね?


「「「「「お任せくださいませ。お嬢様」」」」」


 よし! やることはやったわ! 今より、イタリアーノを出る!


 次は、沙漠の国・ミラージュを目指すわよ!!


「「「「「ははァ!!」」」」」


 っと、皆を連れ! 


 レストランを出ようとしたその時!!


「あら! サーシャ様! サーシャ・ド・ロレーヌ侯爵令嬢様ではありませんか!」


「おお! あの大金持ちの! 奇遇ですね!!」


 なんか、知らん女と男に、挨拶されて。


「もしよろしければ、カジノにきませんか? 今から、皆で遊ぼうって話をしてて!」


「是非、サーシャ様を紹介させてください」


 っと、カジノに誘われたんだが。うん。


 ……。


 誰ぇ???



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