第6話 悪役令嬢が教える、合法ドラゴン肉詐欺


「っということで、助けたのは私だけど。リザに仕えて欲しいの。いいかしら?」


「「いいよー!」」


「あ、ありがとうございます! 精霊様! はァァあ~~~♡♡♡!!!」


 そう、回復した精霊の二人!


 水で出来た小人のような姿をした、水の精霊たちと話をし! 無事、リザを精霊の巫女にできました!


 これで稼ぎの準備はOK!


 やっていきましょう!!!


「では、こちら奉納脳お酒です! どうぞ!」


「「ゴクゴク! おいしいいい!!!」」


「ありがとう! とても美味しいよ!」


「お礼に何かしてあげよう!」


「あ、でしたらこの船にあるお酒を、高級なものにしてほしいです。そうすれば、精霊様にも高級なお酒をお出しできるので」


「「高級酒! やるぅぅう!!!」」


「「それぇぇえ!!!」」


 ――水の精霊の祝福! 発動!!


 ――船の中にある酒が、全て最高級酒になりました!!!


 まず、精霊さんたちに頼んで、全ての船の酒のレベルを最高級に上げます!


 酒は水なので、問題ないですね! 祝福!


 すると!


 ――酒漬けクジラモンスター肉が、最高級酒漬け・鯨モンスター肉になりました!


 はい! 商品が変化! もっといい商品員ランクUP!


 ヒューーー!!!


 これが、目的の商品だったのよ!


「ではアルバーノ。これ食べてみて」


「はい。いただきます。お! 手に持つだけで、凄い酒のいい香り。肉もすごくいいですね! ハム……!!! うっまあああ!!!」


 ――食事効果! 全能力UP! 体力自動回復(微)


 よしよし! 順調ね!


「「!!! このお肉! おいしいいい~~~♡♡♡!!!」」


「!? すっごく美味しいです! さっきのお肉より! 何倍も! すっげえええ!!!」


 うん! 精霊たちやリザの反応も素晴らしい!!


 いい品質の品になりましたわ!!


 では!


「これを売りましょう」


「ええ、絶対に売れますよ! この最高級酒漬け・鯨モンスター肉! イタリアーノで売りましょう!!」


 そうね! リザ。売れると思うわ!


 ただし。


「最高級酒漬け・鯨モンスター肉ではなく。最高級酒漬け・ドラゴン肉としてね」


「「え」」


 そう! これが私の作戦にして! ゲームの王道金策!!!


 最高級酒漬け・鯨肉を、最高級酒漬け・ドラゴン肉として売る!!


 酒漬けドラゴン肉・販売詐欺です!! 


 商人プレイや冒険者プレイでみんなやる! ポピュラーな金稼ぎ法ですね!!


 イエーーー!!!


「い、いやいや! お嬢様! それはできないのでは!」


「そうですよ! 確かに、すごく美味しいですけど! ドラゴン肉はさすがにばれるんじゃ」


 と、思うじゃない?

 

 でも!


「バレないのよ。なぜなら。っは!」


 魔力流し込み!!! 錬成!!


 はァァあ!!!


「っふん! こうして、最高級酒漬け・鯨モンスター肉に、魔力を流し込んで錬成すると!!


最高級酒漬け・ドラゴン肉になるんだから!!」


「「え!?」」


 ええ、そうなの。


 この金策が、ポピュラーな金策と言われるのは、錬金術を使えば、鯨から龍を錬成できるから。


 すなわち、低ランクモンスター肉を、最高級モンスター肉に! 錬成!!


 文字通りの、錬金術が! 出来るからなのよぉぉお!!!


 オーホッホッホ!!!


「アルバーノ。鑑定で確認なさい」


「は、はは! では、鑑定! ……!!!」


「ま、間違いありません!! 先程まで、最高級酒漬け・鯨モンスター肉でしたが! 今は!!


最高級酒漬け・ドラゴン肉になっています!!」


「え!?」


「あ、味も見てよろしいですか!?」


 どうぞ。


「では、あむ……!!! ぜ、全然違う!!! さっきのよりも! うまい!! おお! おおおお~~~♡♡♡!!!」


 ――全能力強化! 体力自動回復! 発動!!


「わ、私も!」


 どうぞ。


「あむ! !? !? え!? えええ~~~♡♡♡!?!? 蕩ける! コク! 濃厚さ! ジューシーさ! 肉の味!! 全部違うぅぅう!!! おっほおおお~~~♡♡♡!!!」


「「おいしいいい~~~♡♡♡ イエーーー!!!」」


 ふふん! そういうことよ!


 クジラをドラゴンにできるから、鑑定でも、味でも、効果でも! 


 絶対にバレないって、訳!!


「「な、なるほどぉ!!」」


 だから、大船に乗ったつもりでやりなさい!


「「はい!」」


 ちなみに、これ売った稼ぎも当然凄い。


 最高級酒漬け・鯨肉が、1個1万。


 最高級酒漬け・ドラゴン肉が、1個100万。


 っで、鯨一頭で食べれる分が平均2万個はあるといわれてるから、約2億。


 なので、鯨モンスター1頭を、最高級酒漬け・ドラゴン肉にして売れば200億の儲けになるわけよ。


「「!? おおお!!!」」


 だから、目的地に着くまで! 鯨モンスターを見つけたら狩るわよ!


 バンバン狩って、加工! 錬金の繰り返し!!!


 報酬も払うから! 頑張って!!


「「お任せください!!」」


 よし!!


 っという訳で!


 私たちは、目的地に着くまでバンバン鯨モンスターを取り、加工・錬金し! 商品を増やしたのである!!


 そうして!!


「見えたぞぉ!! 目的地!!」


「イタリアーノだァァあ!!! イエーーー!!!」


『『『『『「「「「「うおおお!!!」」」」」』』』』』



 船は! 美食と芸術の国!



 イタリアーノへと、到着したのであった!!!



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