第3話 1000億ゴールドのピラミッド


 さて、婚約解消からの決闘騒ぎ。


 そして、そこからの天領権利書・詐欺売り作戦が開始され。すでに1週間が過ぎた。


 結果から言おう。作戦は……。


「まさかここまで稼げるとはねー」


「~~~!!! すっごい金貨の海! 札束の山ですよ! お嬢様!!!」


「そうね。リザ」


「なんで落ち着いてるんですか!? 1000億ですよ! 1000億ゴールド!!」


「おどろいてるわよ。はえー、すっごい」


「すごい棒読み!?」


 大 成 功 !!!


 うん! 目の前に広がる! 黄金の金貨の海と! 札束……大商人・大貴族・王族・大司祭などが主に使うお金。平民や伯爵以下の貴族は、一生観ないお金……の山!!


 1000億のマネーを! 稼いだのでしたァァあ!!!


 イエーーー!!!


 ああ、本当に成功してよかった(安堵)!!!


 めっちゃ心配だったわァ。


 でも、確信はあったのよね。


 うん。奴隷商から秘密裏に買い付けた外国の奴隷たち! 彼らにこちらの指示通りに行動すると契約を結ばせ、準備完了!


 外国から忍び込んで買ってるだろうから、礼儀作法はいらないっというロレーヌ家の私兵隊長のアドバイスで、ぐっと楽になった。


 あとは外国人が天領権利書を買って! 天領の正統支配を主張! 戦争仕掛けようとしてるぞぉ!!


 っと、国王側にうわさを流せば。


「報告です! 国王側からの使者が接近とのこと!」


「言い値で買うとのことです!!」


「こちらにも同じ申し出が!」


「こちらはまだですが、話し合っている模様」


「お金には限りがありますからね。順番を考えて、あ! 緊急報告! 使者が現れたと! 今、宿屋! 宿屋です!!」


 面白いほど釣れまくりィィい!!!


 うん! 報告では、我が家の私兵たちが変装して詰めている、宿屋や飯屋の奥の部屋で待ってれば。相手が必ず現れたそうですわ。


 そうして、相手は奴隷が提示する額で必ず払う!!

 

 奴隷に手を出せば戦争だから、釣り上がる値段で買うしかない!!


 やり過ぎれば実力行使に出てきたでしょうが、そこは国の経済にも精通している我が家の執事長が、払えるギリギリを計算し、通達!


 奴隷にそれを提示させることで、怒りで顔が真っ赤の国王代理(おそらく財務関係者)が、耳をそろえて払ってくれたのです!!!



 その結果が、この1000億ですよ!! ヒューーー!!!



「作戦大成功ね」


「ええ! このお金を支払ったことで、国王の動きはだいぶ鈍くなったそうです」


 それはそうでしょう。


 今頃、大慌てね。


 吐きだした金を、どうやって稼ぐのか。国王と大臣がもめてるのが見えそうだわ。へへへ!!!


 っま、何はともあれ。


「これで少なくとも、すぐに戦争はないわ」


「それはいいですね! 平和な時間が伸びました!」


 その通りね。


 では!


「散財の時間よ! 稼いだ1000億! 使い切るわ!!!」


 思いっきり使いましょう!


 生き残るために!!


「という訳で、孤児院、学校、娼館、私兵冒険者。そして、私の護衛部隊の拡張と、船を作りましょう。あと、食料と酒も大量に買いまくりなさい!!」


「え、そんなにですか?」


 父上が仕事で出ている執務室。


 そこに入って、執事たちを呼び出した私の命に、若い執事が首を傾げた。


 ちなみに、執務室の椅子に座っている後ろに、リザも控えているのだが、同じく首をかしげている。


「そうよ。金がなくなった国王は、重税を課すわ。でも、それは他の貴族にすれば、反発は必須! ここで貴族に反乱を起こされたら、王は金がないので反撃できないから、死ぬ可能性が高い」


「だから、反発して暴動が起きても鎮圧しやすい。王都の民に、重税を課すでしょう。下手したら、冒険者に税の徴収権を与えて、徴収したうちの何割かを褒美にとか言い出しかねないわ。そうなると」


「ああ、王都の民は逃げますな。っで、うちにくると」


 そういうこと。


 うん。リザも執事たちも、皆納得したみたいね。


 じゃあ、さらに話を続けよう。


「まァ、全員ではないでしょうがね。でも、来るでしょう。だから、その受け入れ先である孤児院や学校。娼館に、私兵冒険者。護衛部隊がいるのよ。あと船も」


「なるほど。理解しました。しかし、船も作るのですか? かなりの出費となりますが」


 そうね。船はかなりの出費になるわ。


 我がロレーヌ侯爵家は、西に海を持っている家で、船も作っているけれど。それでも船は高く。船の数は多くない。


 そういえば、この船を作る命令を聞き返されるのは、分かっていた。


「ええ、そうよ! 船を作るの! 今後、時がたてば王家は今度こそ攻めてくるわ! その時のために、力と金が要るの! それを得るためには、兵と船がいるのよ!」


「そこを惜しんじゃ絶対ダメ! 1000億使い切っていいから、やりなさい!!


 だからこそ、力強く言う!


 金はあるの! 作りなさい!!(悪役令嬢感)


「は、はァ。分かりました。指示しておきます」


「頼んだわよ! 船はでっかいガレオン船! 食料と酒も買い込んで! 海賊旗もつくってね!!」


「「「「「「はは! 承りました! って、海賊旗???」」」」」


 そう指示して、孤児院、学校、娼館、私兵冒険者、私の護衛部隊など設立!


 領地内の船大工に金をバラまき! 大型ガレオン船! 5隻と! 髑髏とバラのイカス海賊旗も作れた! 


 やったね! イエーーー!!!


 そして!


「98! 99! 100ぅ!! おーし! 腕立て100回終わり! 飯食ったら、ランニング! 行くわよぉ!!」


「「「「「ウイーーー!!! お嬢様!!!」」」」」


 船や施設が出来上がった、頃!


 私は、護衛たちと一緒に! めっちゃトレーニングしていたのであった!!!


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