第1章 暴走少女 51

「何か失礼なことを考えていませんか?」

「いえ、なにも!!」


 食い気味に言ってしまった。絶対にバレてる。


「ま、まぁいいです。許しましょう」


 サンキュー、シスターカナリア。


「ターゲットを見つけました。黒入さんが近いので、至急向かってください。貴方の場所から・・・って、今どこにいますの!?」

「え、どこって。電柱の上ですけど」

「な、なるほど。ですから、そんなに上に反応があったのですね。少し驚きました」


 カナリアの探知は、何をしているかまではわからない。黒い影?魂?みたいなものが、視えるらしい。それが、魔力だったり呪力だったりする。僕の呪力はすでに知っているので、すぐに見つけられる。で、それが地上から十四メーター離れた場所にあるわけだ。飛行能力も持っていないから、そりゃ驚く。


、貴方から北西に約五百メートルほど離れたところにターゲットがいますわ」

「了解でっす!」


 不本意なあだ名を付けられてしまった。

 黒入は、両足にグッと力を入れターゲットに向かって跳ねる。

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