第1章 暴走少女 49

「見つけましたわ・・・!」


 探知成功が成功し、ぼそりと呟いた。場所は、黒入の方が近い。


「できれば私の近くにいて欲しかったですけど・・・そればっかりは仕方がないですね」


 残念そうな表情を見せる。カナリアはこの事件を起こしている犯人に聞きたいことがある。このような事件を起こして何になるのか。単独での犯行なのか。バックには誰か別の人間がいるのか。そいつは、男か女か。考え出すとキリがない。カナリアがの手がかりを持つ人間ならば、彼女は鬼になるだろう。


 場所の探知は出来るものの、現状何をしているのかは分からない。犯行に及んでいるのか、はたまた獲物を探しているのか。恐らくだが、すでにターゲットはこのドーム型の結界内にいるだろう。ターゲットが二人に見つかっていないのが、この結界の大きさに拍車をかける。

 ターゲットが一般人だと、感知できないのが唯一の弱点だ。自力で見つけなければ保護すら叶わない。


 カナリアは一旦諦め、右耳に装着したイヤホン型の無線機を二回タップした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る