第1章 暴走少女 41
グネグネと曲がった裏道を走ること数分。いよいよ現場に到着する。
一歩踏み出したところで、更に空気に重圧感が増した。頭の先からつま先まで、どっしりと乗っかかる。息もし辛く、黒入とって耐え難い空間が展開されていた。顔をしかめる黒入に対して、カナリアは澄ました顔で言う。
「なんて力・・・。黒入さん、ここからは術式展開を。かなりの使い手です!」
カナリアは術式展開をしなくとも、魔術と呪力に対して抵抗力がある。すでに彼女の目には、その力の発端が目に見えており黒入に注意喚起を促す。
「分かりました。術式展開―――!」
ゴウッ、と黒入の周囲に風が舞う。
その風は身体に纏わりつき、黒い霧に変化した。
五感全てが強化され、黒入にも目の前の呪術が可視化される。
それは、目の前の道からドーム状に展開する黒い霧だった。まるで結界のようにも見える。それは近くにある電柱すら飲み込み、まさに規格外の範囲である。
「な・・・っ!これは・・・!」
「えぇ、どうやら一筋縄ではいかないようです。さぁ、いきますよ」
絶句する黒入に対し、カナリアは意を決した顔でドームに侵入する。
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