第1章 暴走少女 37
少女は、スースー、と年相応の可愛らしい寝息を立てていた。その表情は黒入より楽そうにも見えた。
サヤカが少女をグッとお姫様抱っこで持ち上げる。その身はまるで羽のように軽い。さきほどまでの暴走が嘘のようだ。
「あれまぁ。あんだけ吸ってやったのに、ぜーんぜん余裕じゃねぇか。ったく、末恐ろしいガキだぜ」
そう、あの封印術を喰らってなお少女には余力があると見えた。まるで底が見えない海のよう。
少女は辛うじて壊れていない、木製の長椅子に降ろされた。黒入も息が整ったのか、息切れから回復している。が、座り込んだままだ。
「ハァハァ・・・、ふぅー。疲れた・・・」
「ダハハハッ!!まぁ、かなり吸ってやったからな!さすがのお前も堪えたろ」
サヤカはそう言いながら、地面に突き刺さる無銘伝則重―――しげちゃんを引き抜く。その刀身は、黒く渦巻く魔力と呪力を帯びていた。そのまま、スッーと鞘に納める。
対照的な二人だが、この事件に多いな貢献をもたらした。
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