第1章 暴走少女 23
一人で悶々と考えていると、とカナリアが足を止めた。
どうかしましたか―――。
と、言う直前にシッーとジェスチャーをした。
「気配が変わりましたわ。注意を」
いつものホワホワした空気から一変、ピリッと緊張の糸が張った。
先ほどまで少し肌寒い気温から、じっとりと肌に纏わりつくモノになっている。
「これは・・・、結構強烈な力ですね」
「えぇ!相当な実力者ですわ。気を付けないと私達も病院送りですよ」
「では、僕が男性被害者の第一号ですかね」
「そうならないよう奮闘してください――――!」
などと冗談を交えつつ、異常な気配に向かって駆けていく。
慣れない、狭い道をスイスイ進んでいく。こう見えて二人とも戦闘については、プロフェッショナルなのだ。特に目の見えていないカナリアは、それこそ異常なほどに。
そして近づけば近づくほど、ねっとりとジワジワとした空気になっていく。
確実に対象に近づいている証拠だ。
鬼が出るか蛇が出るか。
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