第1章 暴走少女 22

 裏路地。

 街灯もまばらに配置されており、表の道より更に暗がりになっている。住宅街で、背丈以上のブロックが二人を囲んでいる。


 辛うじて人が二人並んで歩ける道を淡々と歩いていく。


 今のところ、

 魔術師、呪術師が放つ独特の気配も感じ取れない。


 一時間周辺を歩いてみたが動きは無い。


「ん~~、今日は外れですかね」


 両腕を夜空に向かって伸ばしてみる。


「そうですねぇ、不定期に襲っているみたいですし」


 まぁ、何もないのが一番でしょうけど・・・と付け加える。


 実際問題ランダムに襲撃があるので、中々骨が折れる。そう思うと、戦略の『急襲』ってかなり強い戦術だよなぁ、としみじみと黒入は思う。しかも、相手が分かっていないこの状況だと更に強みが増す。犯人のタイミングで襲う襲わないを選べるのだから。何なら、こちらを遠目で確認したのちに犯行を止めればいい。


 結構、詰みっぽくないか・・・コレ?


 そう考えると、次回の行動として相手の所在を突き止めるのに汗を流した方が効率が良い。


 で、あればアンプちゃんに調査依頼するか。

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