第1章 暴走少女 11
もちろん、触角が優れているだけではない。彼女には、別に内なる力をその身に宿している。
「あー、すみません。この雑誌では、『女子高生連続昏睡事件の犯人を追跡!?その正体は高校教師だった!?』と書かれてますね。あとは・・・」
変態現るだの、売春だの、挙句の果てには正体見たりだの。煽る内容を書きなぐっているだけで、どれ一つ真相に近いものはない。要は、刺激が欲しい一般人に向けてのエンタメなのだ。
この事件については一般の警察では解決できない、常軌を逸している。超常現象的なエッセンスを孕んでいるとみた。
「どれもこれも、適当な感じがします・・・。ここには欲しい情報はありませんね」
読ませた割には、やはり、と自分の推理が当たって満足気なカナリア。ティーカップの紅茶をクイッと飲み干し、ソファーに座り直す。
「で、黒入さん。貴方はこの事件の情報をどこまで入手されているのですか?」
少しばかり微笑んでいるように見えたが、その後ろからは、『ゴゴゴッ』と見えない圧を感じる。
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