第1章 暴走少女 9

 無言を貫くカナリアだったが、とうとう静寂が破られた。


「この雑誌と新聞の見出しの事件、どう思われます?」


 ここからが本題。


 この話題のために、部屋の掃除は少し前置きとして長かった・・・。


「そうですね、女性ばかり狙うのはいかがなものかと」

「確かに。か弱い女性を狙って。しかも女子高生ときました。犯人は恐らく変態に違いません」

「男性被害者が0人というところを見るとそうかもしれませんが・・・」

「他に何か理由が?」


 怪訝そうな顔つきで黒入を見つめる。


「いや、その言いぶりだとカナリアさんは犯人がと決めつけているので」

「あら、そうじゃないのですか?」


 ええ。と黒入は続ける。


「実は、この犯人ですが女性の可能性が非常に高いです」


 黒入がそう言い放つと、カナリアは、ふむ、と思考する。


「なるほど。可能性として犯人が女性の場合、男性相手だと体格は不利ですものね」


 コクリと、黒入が頷く。


 続けてカナリアが、

「しかし、それだけでは犯人は女性と断定もできないでしょう?」


 確かにそれも一理ある。

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