第2話 地球ではない星

「はじめまして!私の名前はリオル。予想してたより冷静だから助かる!とりあえず、そこ座ってよ」


〜ソファを指差し、自分も向かいの椅子に腰を掛ける謎の女性。その瞬間、後ろにあった白く光る空間?は消えてしまった〜


「ちょ、ちょっと待って!部屋に戻れなくなったんじゃないこれって!」


「大丈夫だよ。いつでもさっきの出してあげるから」


「あっそうなんだ。良かった」

よく分かんないけど、言われた通り座るか。

「えーっと、俺の名前タクミ。まずここって何処なの?何が何だかさっぱり分かんないんだけど」

「まさか漫画でよくある異世界ってやつじゃないよな?」

あれ待てよ。俺って部屋で寝てただけだしなぁ。転生とかって訳でもないよな。


「あーっ地球で流行ってるアレね。異世界漫画ね。地球に行ってるとき何種類か見たよ。おもしろいんだけど残念!違うよ。」

「この場所は地球よりはるか遠く、地球の単位で言うなら約26万光年先にある星、サイル星」

「ここはその星のマレニア王国マレニア城の中にある研究室というわけ」


「なんでそんな遠くの研究室と俺の部屋が繋がったんだ?」


「ゲートって魔法だよ」


さっきの白く光った空間のことだな。って魔法?

はぁ?なに当たり前のように言ってるのこの人。

「ものすごーく普通に言っちゃってるけど、魔法って…。漫画じゃあるまいし」


「あー!地球には魔法ないからね。ビックリでしょ。この世界ではものすごく普通なんだよ」

「むしろ魔法がないと不便なくらい。そっちでいう電気みたいな役割だね」


なんだか夢のような、とてつもない話で頭の中

パニックなんだけど…。

「えーっと、で、そのなんとか王国のリオルさんが、どうして魔法使って俺の部屋に来たの?

目的が知りたいんだけど」


タクミがそう言うと、リオルは急に真面目な顔になり語り始めた。

「諸事情は長くなるから追々話すとして、簡単に言うとこの国を救って欲しいの。国は全部で4つあるんだけど、ずーっと前から睨み合いを続けてるわけ。で、とうとうガルバという国がこの国に攻めてくるという情報を得たのね」


げっ!やばい。なんか、めんどくさそうな話だ。

「救うって…俺ってまだ15歳の子供だし、何もできないと思うよ。ていうか、そもそも何で俺なわけ?」


「まぁ確かにまだ子供といえば子供なんだけど、

諦めるわけにはいかない理由があるんだよ」

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