第54話 あそこが熱いの……
ありがとう、百科事典!
日下部を見て思うに努力もせず、汚い方法で女の子にモテようっていう考え方がそもそも間違ってる。
「はは、本を大事にしねえから罰が当たったんだ」
「うん、八乙女くんの言う通りだと思う」
あの日下部が図書室を訪れたことに俺は夕霧が酷い目に遭う前兆じゃないかと危惧したが、早々に立ち去ったことで一気に緊張が解け、安堵する。
やはり初手で雅人がヒロインと出会うなど、イベントのフラグを折った影響が大きいんだろうと思えた。
だがまだ安心はできない。
日下部が話していた図書室の美少女について……だ。『スクダイ』はモブの女の子たちであっても総じてレベルが高い。だが図書委員で夕霧を越える美少女は残念ながら、いない。
奴の言っていた美少女は間違いなく夕霧のことだ。雅人から聞いたらしいが、その雅人に話したのは周防だろう。
あいつがいる限り、ヒロインたちは常に危険にさらされている。雅人や他のクソ野郎どもにヒロインたちの人生をめちゃくちゃにされてたまるか!
彼女たちは俺が
周防への監視の目を緩めないよう注意していると、俺の隣にいる別の監視対象はたいへんなことになってしまっている。
「八乙女……くん……わたし、身体が火照って仕方ないの……なんでなの? こんなのはじめて……。男の子のまえで裸になったからかな……?」
慌てて隠れたから忘れていたが、俺と夕霧は狭いテーブルの下で身体を寄せ合っており、当の夕霧は半裸状態と言ってよかった。
地味だけどおっぱいの大きな女の子……。
男子のなかじゃ、夕霧とヤるとかありえねえ~と口さがないことを言う奴がいる一方で、ブラウスの生地をパンパンに突っ張らせたたわわを揉みたい、挟まれたいと言う奴もそこそこいる。
俺はそんなクラスの男子が誰も見たことのない夕霧の素顔と乳房を目の当たりしていた。
「なんで八乙女くんに見られるとわたしのここがせつなくなっちゃうの……わかんない……わかんないよぉ……」
確認しなくても分かるくらい夕霧の発情度は高まっているのだろう。瞳を潤ませ、セクシーなおパンツの中心を自らさすって、俺にそのせつなさをなくすための解決方法を訊ねてきていた。
俺だって、もうどこに出ても声をかけられてしまうような美少女となった夕霧の半裸姿を見て、どう興奮を抑えればいいのか分からなくなってしまいそう。
「夕霧、大丈夫だ。抑える方法はあるから、俺の家に来てくれ……」
「うん……八乙女くんといっしょなら行く……」
「じゃあ、ちゃんと服を着ような」
俺の言葉にこくりと頷いた夕霧だったが、明らかに汗ではなさそうな滴が太ももを伝って夕霧の靴下を濡らしていた。後ろを向いてブラジャーをつける夕霧の色っぽい背中を見るとなんだか、事後みたいに思えてきてならない。
夕霧が着替えている間に俺はゲーム内で日下部が盗撮用のカメラを置いていた場所を中心に調べていたが、なにもそれらしいものは見当たらず……。
ほっとして、夕霧のほうを向くと彼女はふらふら~っと俺の胸元に倒れ込むように飛び込んできた。
「いっしょに八乙女くんと帰りたい……」
「もちろん、そうじゃないと俺の家に寄ってけないだろ?」
「うん……わたしと……並んで歩いたりしたら、八乙女くんに迷惑をかけちゃうんじゃないかと……」
「迷惑どころか、夕霧みたいなかわいい子といっしょに下校できるなんて光栄ってもんで、それがうちの男子に見つかったら、俺は明日吊し上げられてしまうんじゃないかと思うな」
「わ、わ、わ、わたしが八乙女くんにかわいくて光栄って言われちゃうとか……そんなそんな……」
上下左右色んな方向を見て、おろおろする夕霧だったが、やっぱり人間直ぐに変われないと思ったが……。
「おろおろする夕霧もかわいいな」
「はうんっ!?」
俺の素直な気持ちを伝えると夕霧は顔をどんどん赤くしていって限界を越えたのか、ボンっとなにか蒸気みたいなのが弾けてしまった。
――――あの子、かわいい!
――――アイドルかな?
――――かわよ!
――――チクショウ、彼氏持ちかよぉぉーー!
目を隠さないで、と夕霧にお願いして2人で下校していたのだが、人とすれ違う度にみんな夕霧をほめてくれていた。
俺の睨んだ通り!
夕霧本人はというと……。
「はうぅぅ……ま、周りの人がわたしを騙そうとしてくるぅぅ……」
「いいや、みんな夕霧がかわいいからほめてくれてるんだよ。夕霧はえっちな配信なんてしなくても、みんなからほめてもらえるんだ」
「ほ、ほんとうですか?」
「ああ! 俺の言うことが信じられない?」
「信じます! 八乙女くんの言うことなら!」
なぜかそこだけは力強く答えた夕霧だった。
とにかく夕霧ぐらい自己肯定感がない子には、俺がほめるだけじゃなく、周囲の肯定も賞賛もぜったいに必要だ。
なぜ俺が夕霧をプロデュースしようかと思ったのも、エロ動画が関連していた。
普段、おどおどした夕霧も不思議とカメラのまえなら、吃音の気もなく普通にしゃべれている。だから自信さえ持てれば、夕霧は変わるはずだ!
そして自己肯定感をなくしてしまう原因を作った毒親から救ってやる。
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