第30話 JC分からせ計画【ざまぁ】

――――【雅人目線】


 原田の野郎……オレが黒瀬の情報を教えてやったっていうのにオレにまだ手を出すんじゃねえなんて命令しやがる。


 ふざけんじゃねえぞ、クソ教師が!!!


 はっ! 


 そのとき、八乙女と黒瀬が話していたことから、オレは名案が思いついた。



 つい一週間ほどまえのことだ。


『八乙女くん、これ……見て』

『ん?』


 教室でクラスメートどもとは、ほとんど話さない黒瀬が柔らかい笑顔で八乙女の野郎にスマホを見せながら語りかけていた。


 オレは気になって、会話に夢中になっている2人の様子を後ろから、こっそり盗み見ているとスマホの画面にはネコを抱えて頬ずりしているどちゃくそかわいい美少女が映っていた。


『わあ! 檸檬ちゃん、すごくかわいいね』

『うん、近所のネコをだっこさせてもらったんだって』


 トゥンク……トゥンク……。


 くっ、オレはその画像を盗み見た刹那、下半身を抱えてうずくまってしまう。肥大化してパツパツのズボンに歩き難さを覚えながらも、すぐさま男子トイレの個室に駆け込んでいた。


 オレの股間が真っ赤に萌える! 逸物を掴めと轟き叫ぶ! ゴォォォルド……フィンガアアアアアッ! ヒィィィト……エンドッ!


 はぁ……はぁ……すっきりしたぜぇ……。


 黒瀬似の整った顔立ちをそのまんま幼くした感じで、下の毛が生え揃ってねえロリっぽさがオレの女日照りの股間を直撃していた。

 


 おそらくあのロリっぽさを残した美少女は黒瀬の妹に間違いねえ! 黒瀬がダメなら妹とやりゃあいいんだよ。なんなら八乙女や原田に中古にされた黒瀬よりもがきんちょのほうが締まりは抜群かもしれねえしなぁ!


 オレは自分がコワい……。


 天才すぎる!!!


 こんなアインシュタインすら思い浮かばなかった素晴らしい発想が思いつくなんて。クソを漏らした程度でイケメンかつ天才的頭脳を持つオレをハブるとかあり得ねえ。



――――黒瀬の自宅前。


 ブー♪


 早速、原田から聞いていた黒瀬の自宅に向かい、


 ブー、ブー、ブー、ブー♪


 くそったれ!


 呼び鈴の分際でオレが屁と勘違いして、クソを漏らしたことをあざ笑ってやがんのかぁ!


 拳を握って、安っぽい音を立てる呼び鈴をぶっ壊そうとしたときだった。手すり壁の外の風景にあの画像で見たどちゃシコの美少女の姿があり、どこかへ向かっていた。


 オレはすぐさま階段を駆け下り、黒瀬の妹を追跡する。るんるん♪ と鼻歌混じりに黒瀬の妹はオレのまえを歩いていた。


 頭にはパステルオレンジのキャスケット帽、肩あきのトップスに、ホットパンツからスニーカーにまで伸びる生足が、がきんちょのくせにやたらエロいぜ……。


 2、30分ほど跡をつけていると八乙女牧場と看板の上がっている場所へ着いた。するとずんずん関係者みたいに敷地内へ入ってゆき、ポニーテールにジーンズ生地のサロペットにゴム長といういかにも牧場って感じの三十路女が歩いてきた。


「おはようございますぅ!」

「おはよ、檸檬ちゃん! よく来たね~。今日はひとりなの?」

「はい。お姉ちゃんは用事があるって……」


「そっか、でも向こうに若葉お嬢さまたちがいらっしゃるから、行ってみてごらん」

「ありがとうございますぅ!」


 檸檬は三十路女に気持ちのよいあいさつをするとニコニコしながら、軽い談笑を交わしていた。


 くそっ、なんつうかわいさだ……。


 ぜったいにオレ好みの女に調教してやりてえ!


 オレが牧場の奥へ行ってしまった檸檬を追って、牧場のなかへ入ると三十路女がオレを呼び止める。


「あの、ここは関係者以外立ち入り禁止なんですが……」

「申し訳ありません、申し遅れました。オレは八乙女くんの同級生の稲垣雅人っていいます。今日は彼に呼ばれてたんですが……」


「えっと、善行お坊ちゃまからは何もお伺いしていないのですが……」

「おかしいなぁ、今日はここに来てくれと言われてたんです」 


「分かりました、確認を取ってきます。少々お待ちを」


 女はオレを置いて、向こうに見える小屋のほうへ走っていってしまう。


 ははは! 八乙女の名前をだしゃ、すんなり入れちまったぜ。


 これで女日照りも今日で終わりだ!!!


 ブリュッ、ブリュッ、クリームブリュレ♪


 誰だか知んねえが、TikTokにオレのクソを漏らした動画にふざけた歌をつけて、流しやがったためにナンパしても、『デート中に漏らされたら、最悪ぅ』と断られ、すっかりオレだと特定されて、ブスですら誰も引っかかりもしねえ。


 檸檬さえ物にすれば、オレの状況は一変する。


 女とやりゃー、翌日は不思議と身体中にエネルギーが満ちあふれてたようになるからだ。


『セックスあとに休息を取ると体力の回復量が通常時の3倍になる、それがあなたの固有スキル、

精力増進バイパーバーストだから』


 そういや周防すおうの奴が、なんてわけの分かんねえことを言ってやがったな。


 どんだけ広いんだよ、このクソ牧場はよぉ!


「うんしょ、うんしょ!」


 みぃつけたぁ!!!


 無意味にでけえ牧場内をうろうろしていると柵のなかで馬にやる干し草を積んでる檸檬の姿を見つけた。


 なんてことだ……。


 ただ、誠に残念なことにホットパンツからサロペットに着替えてやがった。


 ホットパンツの股の隙間から、ペロペロしてやろうと思ったのにアポロ計画より綿密なオレの計画が台無しじゃねえか!


「ふう、疲れたぁ」


 オレの期待を裏切った檸檬に怒りを覚えたのだが、檸檬は気にも止めていない。干し草を積み終え、積んだ干し草にもたれかかって座り汗を拭う檸檬を見て、JCの汗をペロペロしてやりてぇと思ったときだった。


「檸檬ちゃ~ん!」


 げっ!?


 なんで若葉……それに生徒会長に、白石までいやがんだよ! くそっ、どっか馬小屋にでも檸檬を連れ込んでやるしかねえ。


 オレは慌てて、柵に手をつき華麗に飛びこえ……、


 ――――バキッ!!!


 なっ!? 柵が腐ってやがるだと!?


 バランスを崩したオレは檸檬がもたれかかって休憩する干し草の山にたたらを踏んで突っこんでいってしまう。


「えっ!? だれなの?」


 オレに気づき、檸檬が表情をこわばらせ、逃げようとするが、足が竦んだのかその場に留まっていた。


 チャンスだっ!


 と、思った刹那だった。


 ちょうど窪んだところに置かれた干し草用のフォークの先端を盛大に踏んでしまったオレに勢いよくフォークの柄が襲いかかってくる。


 避けられねぇ!



 ゴンッ!!!!!



 梃子の原理で跳ね上げられたフォークの柄はオレの股間を直撃していた……。


「あぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


 ぜってえ潰れたって!


 そんな衝撃がオレの股間から全身を貫く。


「檸檬ちゃ~ん!」

「若葉お姉ちゃ~ん!」


 檸檬は駆けつけてきた若葉の声を聞いた途端若葉のいるところへ逃げていってしまう。一方、オレが股間を痛打した痛みで、ぴょんぴょん飛び跳ねているとメェメェうるせえ鳴き声がしたので後ろを見ようとたら……。


 ドゴォォォォ!!!


「ふんぐぅぅぅ!?」


 子羊の分際でオレのしりに全力でタックルしてきやがった!


「やめろ! オレのけつを掘るんじゃねえ!!! ぶっ殺して、ジンギスカンにしてやっぞ!」


 メェ……。


 オレは子羊をなぐろうと拳を振り上げる。


 しかし、なにか不気味な気配を感じたので振り向くと親羊らしき奴が前脚を上げて、子羊と同じようにタックルしてきやがった!


 ンメェーーーーーー!!!


「や、やめろぉぉーーー! このヴィーガンの畜生の分際で肉を食う人間に逆らうんじゃねえよ」


 いま股間に突っこまれたら、オレのハーレム計画が終わる。オレは股間を守るためにしりで親羊のタックルを受け止め……、



 られるかぁぁぁーーー!!



 しりに走る凄まじい痛み……。


 ぶりゅ……。


 子羊とは比べもんになんねえ衝撃にオレは軽く漏らしてしまっていた。オレの身体は猛烈に吹っ飛び前のめりに転んでいた。


 目の前にはふさふさの尻尾と馬のけつ。


 飛ばされた先で顔を上げるとボトッボトッと臭い茶色いモノが落ちてくる。馬糞まみれじゃねえかよぉぉーーー!!!


 馬糞まみれになったオレはそこで股間としりの痛みで意識を失ってしまう。



――――【善行目線】


 どうして、雅人がうちの牧場でう○こまみれになって倒れてるんですか?


 原田の件で理事長に一報を入れたあと、原田と雅人がいっしょにいないことに不安を覚えた俺は急いでハラマセオーを返しに戻ると、現場猫のように受話器を持って訊ねたい気分になった。


「なにこれ……」

「分かりません」


 若葉に訊ねても、よく分からないらしい。だが檸檬ちゃんが若葉にひしっと抱きついて離れずにおり、乗せていっしょに戻ってきた黒瀬の顔を見ると大粒の涙を浮かべて泣き出してしまっていた。


「お姉ちゃぁぁーーーん、怖かったよぉ!」

「うん、大丈夫。私がついてるからね」


 黒瀬は檸檬ちゃんを抱きしめ、慰めていた。


―――――――――――――――――――――――

次話にて、黒瀬姉妹と……♡


昨日なんですけど、エロいからノクターンで書けって、★1レビューがついてたんです。内容に触れてないので削除させてもらいましたが、ノクターンの垢はすでにないですし、作者もカクヨムの規約から逸脱しないように配慮はしているつもりです。R15範囲内かどうかの最終的なご判断は運営さまがされることで、作者はそれに従うのみです。


冷や水ぶっかけるようなレビューに負けず、(エロ方向に)止まるんじゃねえよ! という読者さまはフォロー、ご評価、コメントでご支持いただけるとありがたいです。

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