第15話 メスガキ
場所も場所だし、どう見ても前戯してるとしか思えない俺たちのまえに現れたのは幼馴染の
萌香を見ているとゲーム内で彼女が雅人に落とされるシーンが思い返されてしまう。
――――【回想】
萌香と陽キャギャル二人が善行を囲んで、善行の座る椅子を軽く蹴って
『マジ、キモ~い! きゃはは、オタクは死ねよ。生きてる価値ゼロだよね~』
『そうそう、不潔だし、汗臭そうだし、いつもオナってそう。生きる公害って感じ~』
『おんなじ空気吸いたくな~い! だから退学して、3秒以内に』
『きゃははは! みちる、それは無理だって』
善行は太った身体を小さくして、彼女たちのいじめにもグッと耐え忍ぶ。萌香は通り過ぎた男子たちが思わず振り返るくらい見た目がかわいいのだが、とかくオタクに辛く当たるところがあった。
『ちょっと待てよ。そこまで言う必要あるか?』
そこへ雅人が現れ、バンと善行の机を台パンすると萌香たちはビクッと驚き、善行から距離を取る。
『『『ま、雅人くん!?』』』
『なんで、かばうの? こんなゴミ!』
『オレの友だちなんだよ、善行は』
もちろん雅人が善行を友だちなどと思っているはずがなく、ただ利用価値があるから友だちのフリをしているだけ。それでも善行は雅人に救いの手を差し伸べられた形となった。
萌香たちは女子受けのよい雅人が善行をかばったことで、しぶしぶいじめを止め、自分たちの席へと戻って、善行の陰口を叩いている。雅人はまえの席を勝手に引いて、拝借すると善行の机に両肘をついて、ふうとため息を漏らした。
『まったくおまえも災難だな。女なんて、一発ガツンと分からせてやりゃいいんだよ』
『ボクには無理だよ……』
雅人と善行には多少認識の
『じゃあさ、善行! 白石の情報を教えてくれ。オレは白石にいじめられてるおまえのことを助けたいんだよ。な、だから頼む。見てらんないよ、親友がこんなにけなされてるなんて……』
『萌香ちゃんはホントは悪い子ぢゃないんだ。ただ寂しがり屋でハブられないためにボクをいじめてるだけなんだよ。だから幼馴染を売るような真似はできないって……』
善行はいじめられてるにも
『善行がそう言うってんなら、いいんだけど矛先がさ、若葉ちゃんに向いたらどうするんだよ。そうなったら手遅れだ。さっさと対策を取らないと』
『ううっ、どうすればいいんだ。もし若葉になにかあったら、ボクは生けていけない』
『大丈夫だよ、ブラザー! オレに任せときゃ、ぜんぶ上手くいくって。だから白石のネタ、頼む』
だが雅人の口八丁手八丁のまえに善行は、若葉の身の安全を優先する選択を取ってしまう。本編では若葉はまだ善行に心を開ききっていないため、同じクラスではないのだけど。
『分かったよ……萌香ちゃんはみんなに内緒にしてるんだけど、アニメとか漫画とかゲームが好きなオタクそのものなんだ。でもみんなには黙っててね』
『マジ!? あの白石がか? ひゃぁぁーー、オタクに厳しいギャルが実はガチオタとか、すごいな。ありがと、善行。オレが白石のこと静かにさせてやるから、安心しろ』
同族嫌悪って奴から、萌香は善行をいじめていた。
それから数日も経たないうちに……。
『あれ~なんか落ちてない? 剣術戦嵐? うわ~マジ陰キャ女子が好きそうな奴ぅ』
『どれどれ? あはは、こんなの好きな女って、ぜったい彼氏とかいないよね』
天草四郎時貞をキラキラしたイケメン風に描いたファイルが落ちており、それを見た萌香のグループのみちると千晶がせせら笑っていた。
『ふんじゃえ、こんなの』
『マジの踏み絵じゃん、あははは』
そこへ着替えるのに戸惑っていた萌香が戻ってきて、みちるたちの暴挙に真っ青な顔をして慌てていた。
『な、なんで落ちてるの!? だ、ダメ……踏んじゃダメーーーーッ!!!』
ガバッとタックルをするかのように萌香は天草ファイルを自分などどうなっていいといった感じで身を呈して、抱えこんでいた。
『えっ!? 萌香?』
『いやだって、これオタの持ちもんじゃん』
『あたしの推し……だから』
『はあ? 萌香、うちらに黙ってとかサイテー』
『ホント、オタって信頼できないよねー』
それからというもの、いじめの矛先は善行から萌香に変わってしまう。最初こそ、萌香をハブり、陰口を叩くくらいだったが……。
ある朝、萌香が登校してノートを机のなかに入れようとしたときだった。ぬちゃっとした感触が彼女に伝わり、なかから原因らしき物を引き出すと彼女の表情はこわばり、すぐに眉間にしわを寄せ怒鳴っていた。
『なに、これ!? 誰よ、あたしの机のなかに使用済みの
萌香が席を立って、怒っているとみちるたちがくすくすと笑っていた。
『も、萌香ちゃん……大丈夫?』
『うるさいわね! あんたなんか助けにもなんないのに声かけないでよ!』
萌香を気づかい善行が声をかけたのだが、なんの解決手段も持たない善行を振り払いつつ、使用済みの避妊具を善行に投げつける。
『おい、おまえら! なにやってんだよ、萌香が傷ついてるだろ。だいたいおまえらだって、友だちに隠しごとぐらい一つや二つあんだろ。なんで萌香だけ、そんなに責められなくちゃなんねえんだよ』
そこに雅人が颯爽と現れ、萌香の手をハンカチでふき取り、善行にもウエットティッシュを渡す配慮を見せ、さながら危機に陥った姫と従者のまえに現れた勇者といった感じ。
雅人の剣幕にゆかりたちも『ご、ごめんなさい』とうなだれて謝罪していた。
その日の放課後、アニメキャラのポスターが無数に貼られ、マンガや円盤にあふれた部屋に雅人と萌香がいた。
雅人が萌香の頬に触れると彼女は目を閉じ、キスを交わし、しばらく見つめ合っていたが……もじもじ照れる萌香をやさしく抱き寄せた雅人。
『あ、あたし……はじめてだから……』
『やさしくするって。だから安心しな、萌香』
『う、うん……』
また萌香の頬に手をやり、キスを落とすと同時に萌香の乳房をまさぐると彼女は甘い吐息を漏らす。ゆっくりと萌香をベッドに押し倒した雅人はすかさずスカートのなかに手をいれていた。
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外した使用済みの
だが萌香のかばんからこっそりファイルを抜き取り、床に落としていたのは雅人だった。
すべてオレの予定通り! マジでチョロイン過ぎだろ、はははははは!!!
そんな雅人の心情がメッセージウインドウに流れていた。そもそも、みちるたちも雅人の手はず通りに動いていただけなのだから……。
さらに萌香の悲劇は続いて、雅人にオナホ扱いされ無責任にやり捨てられてしまうんだけどな。
【みちる】《仲直りにカラオケでもいかない?》
【萌香】《どうしよっかな》
【千晶】《雅人くんも一緒だよ》
【萌香】《うん、いくいく!》
LINEでみちるたちにカラオケボックスに呼び出された萌香は部屋に入って
「えっ!?」
「うっす! なかなかかわいいじゃねえか」
「ちょっと俺らの相手してくれや」
「中古でも楽しめそうだな、ははは」
そこには雅人の姿はもちろんみちるたちも居らず、入学式初日に善行をボコッた不良たちの姿しかなかったんだから。
「いやいや……いやぁぁぁぁーーーーーっ!!!」
萌香は立ち去ろうとしたとき、腕を掴まれなかに引きずりこまれてしまっていた。
てな感じで萌香にも自業自得なところはあるが、策士の雅人に
若葉のおかげで雅人に幻滅した萌香なら、もう好意を抱くこともないと思うのだが、そんなイケメンに弱い萌香は人差し指を唇に置き、小悪魔的な笑みを浮かべ俺たちに取り引きを持ちかけてきていた。
「ねえ、善行。さっきのこと見なかったことにしてあげるから、今日あんたん家に行ってもいい?」
「べつに言いたきゃ言えよ、俺も若葉もやましいことはなにひとつしてないから」
雅人もそうだが、この手の脅しには屈しないのがいちばんだ。そう俺はただ若葉が便秘じゃないかチェックしていただけで、決してアナルを舐めようとしてたわけじゃない!
「ふん、強がっちゃて。私に『クラシス』で負けるのが怖いんでしょ? 口止め料として勝負しなさい。子どもの頃に負けたあの
俺は若葉と見合わせ、小声で相談する。ちなみに『クラシス』とは倫観堂の大激戦クラッシュシスターズって対戦格闘ゲームのことだ。
「どうする? 俺は萌香が家に来ても大丈夫なんだけど……」
「ああ言われては仕方ありません。告げ口されても困りますし」
しぶしぶと言った感じで若葉は萌香の来訪を認めてくれるようだ。
「あたし、自慢だけどぉ、日本ランカーになんだから。善行に万が一にも負けるはずなんてないわ」
「わかったわかった、受けるから」
「負けるごとに一枚服を脱いでいくルールで!」
「なっ!?」
「なんなの? 受けるって言ったじゃん。それとも男のくせに逃げる気? 本気? イケメンになっても意気地なしなところは変わんないね、ヘタレのよ・し、ゆ・き・く・ん」
「仕方ないなぁ……受けりゃいいんだろ」
「いひひひ……目にもの見せてあげるんだから」
後出しルールとか汚いなぁ……まあでも、いま明かすと萌香のプライドをズタズタにしそうなので言わないでおくが、俺は『クラシス』のオンライン対戦で世界1位になったこともあるんだけど。
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アホだと扱き下ろされてる雅人なんだけど、すべてがかみ合うとヒロインたちはすぐに股を開いちゃんです……。
とりあえず、萌香をすっぽんぽんの全裸にして、いっぱい分からして欲しい読者さまはフォロー、ご評価お願いいたします。それまで全裸待機おねしゃすwww
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