幕間2  津村冴恵の後悔


 夕方、フードコートもまばらになり、今日のバイトも終わりに近づき、更衣室で帰り支度をしている所だった。私もあんなタイミングで例の二人に会うとは想定外だ。

「津村さん、さっき二人のお客さんに絡んでいたけど、あれクラスメート?」

 横から先輩のチーフが話してくる

「うん、そうです……クラスメート」

「あの二人、私もちらっと見たけど、何かお兄ちゃんとか言ってたの見たよ」

 え、お兄ちゃんって?

「クラスメート? 兄妹に見えるよ、どう考えても」

「確かにクラスメートです」

 お兄ちゃんって? 内野君、西原さんに何言わせてるの? 二人の様子がおかしかった。何か隠しごとしているようだった。兄妹と言われれば確かにそう見える。あの服装は。西原さんってそんなに私服に不器用なはずはない。西原さんの外見で言えば、クラスでも制服は綺麗にこなしているのに。あれなら服のことは分ってるはず、私はファッションや髪などお洒落や容姿を高校生になって猛勉強してきたから普段の西原さんの言動見ればそう言うのは分る。

「まだ、西原さん、怒ってるのかな……」

 ——小学生の時、西原さんは去ってしまった。私の前から。内野君は中三の時のクラスメートで今年同じクラスになり再開した。小中学生の時に接点ある同級生は二人だけ。

 私はその間の時を悟られることが凄く不安に思った。

 私は元々根暗で色々あった。でも高校生になり色々努力して今の地位を手に入れた。

 もうあの時の自分とは違う。

 ——あの時のことがクラスでバレてはいけない。だから分っててさっき西原さんを引き離してしまった。小学校の時に仲良くしてくれたのに。私本当に取り返しのつかない態度を西原さんにしてしまった。

 でも二人と深く関わると、私の身が危険だ。 

 でも西原さんとはもう一度仲良くしたい。

 私も西原さんも隠しごとをしてるのは一緒だ。さっきの態度は明らかにそうだった。互いに隠しごとしてるならもう二人とはあまり関わらないようにしよう。クラスにも友達は沢山出来たし。

「それがお互いの身のため」 

 私服に着替えた私は、今日のバイトを終えて帰路についた。

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