幕間1  西原春香の妄想


「内野君はやっぱり、小学生のあどけない女の子が好きなんだ……」

 私は家に帰り、悩んでいた。ソファーにくつろぎ、「あの本」のことが気になって仕方がない。

「私はまだ体も精神も、小学生みたいだ……」

 改めて体つきが幼く、小学校高学年で体の成長がほぼ終了してしまったことを色々思ってしまう。だからあのスクール水着でも問題無く着ることが出来た。

 内野君と行動して、色々怒られたな。私。自分の言動が幼いことを自覚した。

「小学生のような体型の私、内野君は私のような体型が好きなんだろうか。さっきあんなにロリコンとか罵ったけど私の体とか好きなんだろうな、絶対——」

 同時に、これは私にとって大チャンスと思った。もう津村さんと関わることは無理。だから、内野君に分ってもらおう。私の長年の夢を果たすために——。

「一か八か、内野君にかけてみよう——」

 ボランティア終わったら、実行に移そう。

 ——そう思いながら、私は自室のクローゼットに向かい、奥からある箱を取り出した。

「まだ、大丈夫だ。問題無く着用できそう」

 私のこの姿、絶対内野君なら好きになるはず。あんな強烈なもの好きなら絶対リアルの世界なら脳死するレベルだろうこれは。リアルの世界での実現だから。

 併せて、以前私が着用した「あの姿」も絶対好きなはず。

「内野君は絶対に虜にしてみせる」

私はニヤニヤした。これを着て、絶対に念願の夢を果たす。



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