第3話 危険な行き先
残っている3人も固まってはいない為、PTよりも僕のように振り分けに時間を掛けた人達なのだろう。
残り組の中で、少し大柄だが落ち着いた雰囲気のある男性が咳払いを一つした後に喋り始めた
「あー、ゴホン。もう最後まで残っているという事は、1人で生きて行く事を前提に、能力を割り振ったと思っている。今更PTどうのとは言わないが、どのような世界なのかもハッキリしない為、私も不安はある。だから無理に勧誘や協力もお願いしようとは思っていないが、行き先が選べる以上、行き先が被れば安全が確保出来るまでは協力出来たらと私は思う。私は北の王城へ行くとだけ伝えておく・・・」
そういい残し、男は光に包まれて消えた。
その言葉を聞いて、残りの2人もすぐに消えて行った。
結局自分が最後になったか・・・この空間さえ非日常なのに1人だと不安が増してきた。
時間は残り10分か・・・
僕もそろそろ行先を決めようかな。
北の王城に、東の港町、町外れの墓地に、西の森etc...
場所も50以上はあるのかー・・・どうしよう・・・
まぁあの人、北の王城って言ってたよな、最初は協力するのが丸いのかな?
そう思い北の王城にチェックをいれたら、少し寒気の様な物を感じた。それはほんの些細な物。
「ん・・・?」
なんだろう、今の感覚は・・・何か悪い予感のような気持ちのいい物では無かった。
でもどうして・・・場所がよくないのかな?
なんだ?どうした・・・?考えながらステータス画面の自分がとったアビリティの項目、危険察知が目に飛び込んできた。
これっ危険察知が働いたって事かな?
だとしたら・・・北の王城は安全なのか分からないから、場所を変えてみようと思い、東の港町にチェックを入れると同じ感覚だ。
他にもチェックを入れると、寒気が走るのがある。
これは・・・行き先が危険なエリア?出てくる魔物か何かが強いとか?でも王城ってお城だよね、街も沢山あるし・・・
う~んと、少ない時間の中でまた頭を悩ますことに。
ただそんな時、近くにいた人もあの人も嫌な感じがするって言ってたような・・・と思い出す。
う〜ん・・・待ち伏せとかだろうか・・・?
そうなると誰が?異世界の原住民?魔物?先に行った人達・・・?
初心者狩りのような・・・!ありえるのか、ポイントの関係上、スキルや魔法に割り振りたいと思うのは基本だ、後から手に入るかもしれない持ち物には、あまり割きたく無いだろう。
自分もお金で手に入るものは、ポイントを消費してまで取りたくはない。それこそ長距離テレポートなんて100ポイントなんだから、簡単に買える物だったら・・・後悔してしまうだろう。
収納袋や勇者セット、スキルブックなどは奪えばいいと考えるやつもいるかもしれないのは確か。
人としてどうかと思うが、このキャラクタークリエイトのような感じからして、ゲーム感覚になっているなら分かる気がする・・・。
殺しはしなくとも、ケガをさせて盗むだけでも待ち伏せからの奇襲で簡単だろう・・・ゲームではよくある事だ。
もし異世界の原住民だとしても、沸き場所にレアな物を持ったやつらが偶に現れる場所として管理しているかもしれない・・・
そう考えると、異世界かなり殺伐としていると思い恐怖が湧いた。
いや・・・日本の様な温い感覚のままだと、簡単に死んでしまうのかもしれない。だから神の様な男は生きて行く為の力をくれたんだ。
貰い過ぎのような感じもする、種族や瞬間移動にポイントを割り振らなければ、スキルは取り放題だったのは確かだ。
こんなの100人の異世界人無双のような気がする、そうでないなら僕達地球人はかなり弱いのか。
あの北の王城に行くと言った大柄な人も、誘導していた様にしか思えなくなってしまった。
まだ考える余地はありそうなのだけど、時間が残り2分を切っていた・・・
危険察知が働かない場所を選ぼう
サイシアール 丘の小屋
ここに行こう。
震える指を動かして僕も光に包まれた。
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