第2話 ディティマールは神の子孫
丁度1時間が経過した頃に、近くにいた人が周りに聞こえるように喋り始めたのだ。
「ねぇちょっと聞いてー、今能力を振り終わったんだけど、これから行く場所選べるみたいよ、みんなで固まって行けば、安全じゃない?良かったらここでPTみたいな感じで組んで行かない?私ヒーラーみたいな回復よりにしたから、アタッカーかタンクを担当してくる人いない?」
若くて綺麗な見た目だが、耳が尖っていて喋り方が少しキツい感じからして、種族や年齢なども変更済みなんだろう人が周りにいる人に聞こえるように喋りだす。
そしたら優男のような男が返事をした。
「僕も同じ様な事を思ってたんだよ。でも最初から役割を決めてしまったら、これからの人生が掛かっているからね、スキルの割り振りにあれこれ、指示や意見はしたく無かったんだ、だから声を掛けるタイミングを伺ってたんだよ」
ふむふむ、なるほど。2人が言うことはもっともな事だ、周りを見ても頷いている人がいる為、思う事はみんな同じらしい
「僕は、剣術スキルと火魔法、回復魔法を平均的にとってるよ」
「俺は攻撃を最大限に活かせる様に割り振った、高火力アタッカーだー!」
などなど、PTを組むことを前提となり交渉、勧誘が始まりだした。
ただそんな中で僕は一人立ち上がらずに、自分の思うままに生きる事を決めている。
僕は瞬間移動がしたいのだ。逃げる時は逃げる、ソロで生きていく事を前提にしている為、他の人とどうこう考えていない。
それにまだスキルの詳細も確認出来ていない為、僕はステータス画面へと戻った。
とりあえず・・・まずは種族だ、一番割り振るポイントが大きく先に決めないと調節がきかなさそうだからだ。
4種のピックアップした種族の中だと・・・正直デミゴッド一択の様な気がする。
デミゴッド 不老不死 HP自動回復(中) 神からの助言
デミゴッドの名前の横に種族特性が書かれている。他の種族の特性はどこかおまけのような物なのだが、こいつだけは能力値もさることながら、特性も別格なような気がする。
だけどテレポートを考慮すると・・・ポイントの関係上無理そうだ。
破格な性能故に、これを選ぶ為には700ポイントも必要としたからだ。
空間魔法のレベルが今後上がるのか、スキルブックは簡単に手に入るのか全く分からない今・・・デミゴッドを選ぶのはリスクが高すぎる。一番の目的は瞬間移動で悠々自適に暮らす事だからね。
となるとデミゴッドは選べ無い。残りの3種だ。
ハイエルフ 不老長寿 MP回復率(中) 魔法適正(小) 200ポイント
ハーフデビル 不老長寿 HP自動回復(小) 火属耐性(小) 300ポイント
ディティマール 不老長寿 MP回復率(大) 魔法適正(中) 400ポイント
うーん・・・比べてみるとハイエルフがディティマールの下位互換っぽいな?
僕がいまだに種族を選ぶ初期段階で、隣では既に転移先をどこにするかで話し合いをしているのが聞こえた。
「この港の街とかどう?」
「まぁいいんじゃね?俺魚すきだし」
「う〜ん・・・あっ、なんか嫌な感じがしたかも・・・」
「じゃあ無難に王都って場所は?」
少し聞き耳を立てたが、場所も結構選べるのか・・・これは急がないと!
時間は残り40分となっている、周りは意気投合しているような感じでPTでの固まりが見え、談笑かこれからの事とか喋っている様子。
急げ急げと僕もまたステータス画面と種族決めへと戻る。
もし魔力や能力値が上り辛いなら、長距離テレポートのスキルブックと空間魔法4は最初はくさってしまう・・・
テレポート以外にも、目ぼしいスキルは沢山ある。と少し種族が決まらないことで寄り道をし目移り気味に・・・
持ち物系のアイテムでもセット装備があるのだ
旅人セット(服一式、バックパック、銀貨10枚)
戦士セット(服一式、鉄の剣、皮鎧、銀貨10枚)
勇者セット(服一式、聖剣、ミスリルの鎧、金貨5枚)
後、収納袋と言ういっぱい入れられそうな袋などもある。
残り30分となり、騒がしかった周りから徐々に人が消えて行っている。残った人達も、もうほぼPTが決まっている様だ。自分も時間があれば声を掛けようか迷っていたがもう遅かった、それにまだスキルも取りきれていない。
周りに人が居なくなっていく様で焦りを感じ、僕は僕は一つの決断をした。
ディティマール!ディティマールで行こう!
デミゴッドが半神半人という何となくだがそんな意味だったはず・・・だからあの性能。
そしてディティマールのディティは・・・確か神のようなという意味だった気が・・・そんな浅い知識も加味して決めたことだ。マール?それは知らん!
種族が決まればそこからは早かった。
ディティマール 400ポイント
短距離テレポートスキルブック 50ポイント
長距離テレポートスキルブック 100ポイント
空間魔法3 300ポイント
水属性魔法2 20ポイント
MP消費軽減5 50ポイント
危険察知3 15ポイント
反応速度5 50ポイント
絵3 5ポイント
旅人セット 10ポイント
合計 1,000ポイント
スキルレベルが上がる事に賭ける事にしたのだ。もし上がらなかった場合は短距離テレポートだけで我慢・・・苦渋の選択だが仕方ない。そして長距離テレポートのスキルブックは使えなければ売ればいいと思った。
正直スキルブックの100ポイントがあれば、もっと沢山アビリティは取れてはいたが、そこまで長距離テレポートを捨てることが出来ない優柔不断な結果となった。
後はポイントに関係のない年齢や外見などを残すのみ。
年齢は不老との事なので・・・17歳にして中肉中背にしてっと。見た目は・・・鏡がないから分からなくない?
なんで見た目とかも+-なんだろ?
とりあえず、普通よりちょい上ぐらいな・・・いや少し見栄をはって+8ぐらいで行こう!
それと種族のディティマールって、どこか見た目変わったのかな?今どんな感じになっているんだろ?
まぁ・・・肌は白人よりに白く、耳も・・・うん、尖っていないなら大丈夫か。
ここでやっとひと段落出来た・・・ふー、テスト終わりの様な感覚だ。
もう、この空間にいるのも僕を合わせて残り4人しか残っていなかった
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