第6話 出逢い

 カーテンの隙間から朝日が射し込み、風に乗って小鳥のさえずりが聞こえてくる。シャルは自室のベッドで何とも爽やかな目覚めを迎えた――床にボロ雑巾のようになったラムポンが倒れているということ以外は最高に爽やかだ。

「うわーっどうしたのラムポン!? 」

「ポ、ポン……」

「しっかりして! 」

 シャルはラムポンに駆け寄り、起き上がらせた。その表情はなんだか苦しそうだったが、脈は正常で呼吸も整っていた。

「大丈夫!? 」

「……いたい……ろ、は……た」

「痛い!? 一体何が……とりあえず王都の病院に……! 」

「ラムネ風呂は流石に痛いポン……」

「全然大丈夫っぽいな……」

 ラムポンはただ悪夢に魘されているだけだと気付き、シャルの肩の力が抜ける。それと同時に、シャルは昨夜庭でうっかり眠ってしまったことを思い出し、もしかしたらラムポンが運んでくれたのかもしれない、と少しだけ申し訳ない気持ちになった。

「おーい、ラムポン。朝だよー」

「……んあ……? 」

 シャルはラムポンを起こすために優しく頬を叩いた。暫く叩いていると目が覚めたのか、ラムポンは頬を叩くシャルの手を止めて立ち上がり伸びをした。

「おはようポン、ふあ〜……」

「おはよう。床で寝てたけど、体大丈夫? 」

「大丈夫ではないポン。全身の骨が痛い……あ、あと! 昨日のこと、文句言ってやろうと思ってたんだったポン! 」

「ああ、昨日はごめんね。庭で寝ちゃって……というか、どうやってここまで運んできたの? 引きずられたにしては痛みも汚れも無いけど……」

「シャルを浮かせて運んだポン」

「う、浮かせて? 」

「普段の浮遊の応用ポン。マスコット族は皆自分自身を浮かばせる力があって、それを応用すれば他人も浮かせることができるんだポン」

「へえ、知らなかった。凄い便利だね」

「全然便利じゃないポン、すっっっごい疲れるポン! 自分が浮く時の百倍は疲れるポン! だからもう変な所で寝るなポン! 」

「う、うん……ごめん」

 物凄い剣幕で怒られ、シャルは素直に謝った。それを見て多少気分が落ち着いたのか、ラムポンは不機嫌そうな顔のままシャルの肩に乗った。

「僕はもう疲れて飛べそうにないから、王都に戻る時はシャルが運んでいってくれポン」

「それは別にいいけど……肩に乗せるには重すぎるからカバンに入ってもらって良い? 」

「滅茶苦茶失礼ポンね! いいけど! 」

「あ、ダイニングまでは行ける? 行けないなら運ぶけど……」

「ダイニングまでなら大丈夫ポン」

「そう、なら行こっか。さっさと朝ごはん食べて出発しないとね」

 そう言って二人は一階のダイニングへと向かった。

「あ、おはよう! シャル、ラムポンさん」

 ダイニングに着いた二人にリリがトーストを食べながら声をかけた。

「姉さん! おはよう。珍しいね、こっちでご飯食べてるの」

「今日は起きたときから調子が良くってね、せっかくだから部屋から出ようと思ったの」

「そっか。調子が良いなら良かった」

 シャルはリリの様子を見て穏やかに笑った。リリの隣の椅子にシャルが座ろうとした時、ネリエがトーストを持って現れた。髪が乱れているのとトーストの焼色が微妙なのを見るに身だしなみなどを整える前に急いで準備をしたのだろう。

「ごめーん! 寝坊しちゃって朝ごはんトーストしか無い! 」

「大丈夫だよ、ネリエさん。トーストも美味しいし」

「そうポン。作ってくれただけですごく有難いポン! 」

 焦った様子のネリエは二人の言葉を聞きながら髪を整え始めた。

「ホントにごめんよ、これだけで王都まで持つかい? 」

「大丈夫だよ、気にしないで」

「そうかい、わかった」

 身だしなみを整えたネリエは帽子をかぶり、部屋を出ていく直前で二人の方を振り返った。

「私はこれから用事があるから二人を見送れない。だから今のうちに言っとくよ。くれぐれも無理はするな! わかった? 」

「……うん。ありがとう。ネリエさんも無理しないでね! 」

「もちろん! じゃあ行ってくる」

 ネリエは走ってダイニングから出ていった。バタンと扉が閉じたのを確認してからシャルはトーストに齧り付く。ブルーベリーのジャムが塗られたトーストはちゃんと焼けていない部分や逆に焦げてしまっている部分があったが、シャルは大して気にせずにあっという間に食べ終えた。

「ふう、ごちそうさま」

「もがっ!? もごもがもご……」

「そんなに急いで食べたら危ないよ。喉に詰まらせたら大変だ」

 一口が小さいせいでまだ三分の一程度しか食べられていなかったラムポンが急いで食べようとするのを軽く注意する。その様子を見ていたリリは徐に口を開いた。

「安心したよ」

「え? 」

 急な言葉に少し驚いたシャルはリリの顔を見る。

「……なんでもない! 二人とも冒険頑張ってね、あとお土産もよろしく! 」

 顔を綻ばせるリリにつられてシャルの口角もわずかに上がる。

「わかった。次はもっと良いやつを買ってくるよ」

「頼んだ! 」

「もぐ……ごちそうさまポン! 」

 ようやくトーストを食べ終わったラムポンが元気よくそう言うと、それに気づいたシャルは椅子から立ち上がり食器をまとめリリに声をかけた。

「じゃあ、僕たちは行ってくるよ」

「短い間だったけどお世話になったポン! 」

「うん。シャル、ラムポンさん、いってらっしゃい」

 元気よくダイニングから出ていった二人にリリはひらひらと手を振り、自身も食器を片付け始めた。


 朝に話した通り、シャルは自身のカバンにラムポンを入れて屋敷を発った。太陽はまだ低い位置にあり、風も吹いているため、行きよりは快適だと二人で喋っている最中にラムポンはふと昨夜のことを思い出した。

「そうだシャル、癒箱コリヴェズボックスって一体何なんだポン?」

「えっ、その話したっけ……」

「昨日の夜、名前だけ言ってたんだポン。強くなれば近づく、みたいなことも言ってたし気になって聞いたポンけど……ダメなら答えなくていいポン」

「あー………………いやいいか、話すよ」

 長い逡巡の末、シャルは癒箱コリヴェズボックスについて話し始めた。

癒箱コリヴェズボックスって言うのは七、八百年前の遺物で、ざっくり言うと何でも治せる使い切りタイプの治療器具みたいな物なんだ。箱の底面に制作者のコリヴェ・コルーヴァのサインが掘られてるから『コリヴェズボックス』って呼ばれてる」

「何でも治せる……ってことは、もしかしてリリの呪いも治せるポン!? 」

「うん、僕の聞いた話が間違ってなければね。でもコリヴェはこの箱を全部で十個しか作らなかったんだ。十個の内、六個はすでに使用済みで二個は中身が抜かれて使用不可になってる」

「ええとつまり、シャルはリリの呪いを解くために、残った二つの癒箱コリヴェズボックスを探してるってことポンね」

「そういう事」

「なるほど、最初にシャルが言ってた手がかりって言うのはコレの事だったんだポン」

「最初……あ、スライム討伐の時の話覚えててくれたんだ」

「ふふん、僕は結構記憶力が良いんだポン! 」

「自分の所持金は把握してないのにね」

「うぐっ……」

「ふっ、ハハハ! 」

 痛い所を突かれて押し黙るラムポンの表情を見てシャルは声を上げて笑った。そのリアクションが気に入らないラムポンから不満気な視線を向けられ、咳払いをし口を閉じたが、何故かツボに入ってしまったらしくその後も度々小さな笑いを零していた。


 約一時間後。二人は予定通りの時間に王都に到着した。

「やっと到着ポン……どうする、一旦休憩でもするポン? 」

「いや、まっすぐ冒険者ギルドに行こう。パーティ登録とかの面倒な手続きを全部終わらせてから休憩した方が良いだろうし」

「わかったポン。そうだ、パーティの名前は考えたポン? 」

「名前か、考えてなかったな。うーん……よくあるのは『ナントカ団』とか『ナントカの集い』みたいな感じだよね」

 顎に手を当てシャルは思案を始める。パーティ名が冒険者に与える影響は少なくない。それこそシャルがラムポンのことを『清廉なる誓い』の人と認識していたように、パーティと冒険者をセットで覚えている人も多い。自分に生涯付き纏ってくる可能性があるが故に皆パーティ名は慎重に考えるのだ。

「どうせなら個性的な感じにしたいポンね」

「個性的……『魔法少女の剣』とか? 」

「それよりは『最強シャル軍』の方がいいんじゃないポン? 」

「ダサっ」

「なっ、そっちもセンス無いポン!! 」

「は、はぁ? 絶対ラムポンのよりマシで……」

「ねえ、そこの子ォ〜」

 二人が言い合いになりかけたその時、二人の背後から軽薄そうな声が聞こえてきた。

 振り返ればそこには数人の男の集団が立っていた。シャルに話しかけてきた金髪の筋肉質な男はニヤニヤと下卑た笑みを浮かべながら、二人をじいっと見つめていた。

「……何か? 」

「オイオイ、そんな怖い顔すんなよォ! 俺らはただお嬢ちゃんが可愛かったから声かけただけだ」

「おじょっ……!? 」

「で、どう? 俺らと一緒に遊ばなァい? 」

(コイツらマジか、ナンパ!? )

 女性と間違えられナンパされたことにシャルは強いショックを受け、絶句する。流石のシャルもこの時ばかりは自身の顔立ちと低身長(154cm)と着痩せ体質を恨めしく思った。

「……ずっと黙ってるけど、何? オッケーてことかなァ? 」

「触らないでください」

 流れるように肩に回された手を払い除ける。シャルは男を強く睨みつけたが相手は相変わらずへらへらと笑っていた。

「えーなんだよ、冷た! 」

「やめてください、そもそも僕は」

「僕? へー、変だけど可愛いね」

「いや、だから、」

「ほら、早く行こうよ。時間は有限だぞォ〜? 」

「やめるポン! 」

 話を聞かずに押し切ろうとする男とシャルの間にラムポンが割って入る。その瞬間、初めて男の顔が曇った。

「あァ? なんだテメェ」

「シャルはお前たちと一緒に行きたがってないポン。それでも強引に連れて行くつもりなら騎士団に……ポンン!? 」

「へえマスコット族かよ、初めて見たわ。マジでぬいぐるみと変わんねえじゃん」

「や、やめるポン! 首の後ろを掴まないで! 」

「ポンて(笑)」

 金髪の男とは別の小太りな男がラムポンの首の後ろを掴み持ち上げた。それに焦ってジタバタと暴れるラムポンを嗤う男達に、シャルの手は無意識に剣の柄の方へと伸びていた。

「その手を離せ」

「ウン? どしたのお嬢ちゃん」

「聞こえなかったか? その手を……」


「その薄汚れた手を離せ。嫌がっているだろう」

 雑踏の中に凛とした声が響く。シャルの言葉を遮って現れた少女にその場の全員の視線が注がれる。

 清潔感溢れる白のスタンドカラーシャツと上品な黒のスラックスをスラリとした長身に纏った彼女にはまさに端麗という形容が相応しいだろう。遠目に見てもわかるほどに艷やかな陶器めいた肌に少し癖のついた真っ白なショートヘア、切れ長の翠玉には冷ややかな光が湛えられている。

「テ、テメェ、女ァ! 今何つったよオイ! 」

「その薄汚れた手を離せ、と言った。どうやら聴力に難があるようだ、病院に行った方が良い」

「こッ……クソアマァ!! 」

「ポン!? 」

「ラ、ラムポン! 」

「おいおい熱くなるなって……! 」

 少女の言葉にカッとした小太りの男がラムポンを放り投げて少女に殴りかかろうとしたのを他の男が止める。怒りを抑えられず暴れる男を横目に金髪の男が笑いながら少女に話しかける。

「なんだ、あの子の知り合いかァ? なら、ちょうどいい。お嬢ちゃんも一緒に……」

「三点言わせてもらいたいのだが」

「……なに? 」

「一つ、私はそこにいる彼らの知り合いでは無い。二つ、私はお前たちと遊ぶつもりは毛頭ない。三つ、お前たちはそこの彼を女性だと思っているらしいが、彼は男性だ」

「は? いや、女だろ、どう見ても……」

「男ですけどぉ!?!? 」

 男の勘違いにシャルが声を荒らげると、ぽかんとした後に男の顔がみるみる赤くなっていった。

「このヤロウ、騙したな!? 」

「騙した!? そっちが話聞かなかっただけだろ! 」

「恥、かかせやがってェッ!! 」

 男が叫びながら拳を振り上げたのを見て、シャルはラムポンと少女を庇うように立った。と、その場にいた全員が認識した次の瞬間、男は地面に転がされていた。

「……っが、はあ、っ!? 」

「お前に恥をかかせたのは他ならぬお前自身だろう。彼に責任を転嫁するな」

「い、今、何が……」

(速い……! 相手の攻撃の勢いを逆に利用して体勢を崩させたのか? 『拳士』だとしても、あまりに強い! )

「男か女か見分けられない程見る目が無いのならナンパなんてしない方が良い。いずれ身を滅ぼすことになるだろうから」

 少女の早業に皆が唖然としている中、少女は手を軽く払いながらそう言い放つ。その言葉に何も言い返せなかった男は無言のまま他の男達を引き連れて走り去っていった。

 ようやくいなくなった、とシャルとラムポンが息を吐いたと同時に少女が二人に話しかけてきた。

「大丈夫? 怪我はないか? 」

「僕は大丈夫。ラムポンは? 」

「僕も大丈夫ポン。掴まれたり投げられたりはしたけど、怪我はしてないポン」

「そうか、よかった」

 その言葉を聞き、少女は僅かに表情を綻ばせた。花のような、というには少々硬い笑顔ではあるが、シャルは柔らかな光を宿し弧を描いた古木の葉を思わせる双眸から何故か目が離せなくなってしまった。

「では、私はこれで。もし、体に不調が出たらすぐに病院に行ってくれ。ああいう輩は話かけたタイミングで何かしらの魔術を仕込んでることが多いからな」

「あ、あのっ! 」

 立ち去ろうとする少女にシャルが声をかけると、彼女は少しだけ不思議そうな顔でシャルのほうへ振り向いた。

「何かあったか? 」

「ありがとう、助けてくれて」

「ああ……礼には及ばないよ。きっと君なら私の介入が無くても解決できていただろう? 」

「いやいや、そんなこと……」

「謙遜しなくていい。その筋肉のしっかりついた身体を見れば君がある程度戦えることはわかる。……むしろ謝らなければいけないな、私の介入のせいで危ない目に遭わせてしまった」

「いやいやそんな! 」

 少女の言葉にシャルは目を丸くし、両手を振ってその言葉を否定した。

「確かに殴られそうにはなったけど、それはあなたのせいじゃない。ねえラムポン? 」

「そうポン! 結果的に怪我しなかったし、問題は何も無いポン! 」

 二人の言葉に今度は少女が目を丸くする。

「……お人好しだな。ありがとう、その言葉で少しすっきりした気がするよ。それじゃ、私はこれで」

「待って! 」

「まだ何かあったか? 」

「名前を、」

「名前? 」

「あなたの名前を教えて。お礼がしたいんだ」

「礼なんて……」

 シャルの言葉に少女はそう言いかけたが、途中で口を閉じ、寸刻の沈黙の末再び口を開いた。

「私の名はキラヴィエだ」

「キラヴィエ、さん」

「呼び捨てで構わない。それで、礼、だったか。君の気持ちは嬉しいが私はこの後用事がある。だから、その気持ちだけ受け取っておこう」

「そっか、わかった。ありがとう、キラヴィエ! 」

「ありがとポン! 」

「ああ。じゃあ私はこれで」

 今度こそキラヴィエは二人に別れを告げその場から立ち去っていった。その背中を見送った二人は冒険者ギルドへと歩き始める。

「はぁ、一時はどうなるかと思ったけど解決してよかったポン」

「うん、キラヴィエが間に入ってくれて助かったよ」

「ホントポンね。にしても、あの男をひっくり返したのにはびっくりしたポン。滅茶苦茶かっこよかったポン! 」

「そうだね、凄くかっこよくて、綺麗で……」

 シャルはあの一瞬のキラヴィエの動きを頭の中に描く。目にも留まらぬスピードで繰り出される無駄の無い鮮やかな技はシャルの記憶に焼き付いて消えそうにない。

「僕もああいう風に絡んできた人を地面に転がしたいなぁ……」

「思考がちょっと攻撃的になってるポン……」


 数日ぶりに訪れたギルドは多くの冒険者で賑わっていた。どの依頼を受けようかと頭を悩ませる人、討伐帰りなのか返り血まみれになっている人、まだ午前中なのに酒を飲んでいる人など様々な人がいるロビーの中央の受付で二人はパーティ登録のための書類を受け取り、空いていた席に腰掛けた。

「……あ、パーティ名結局決められてなかったね」

「ああ、途中で邪魔されちゃったからポンね」

「うーん……」

 書類の空欄を見つめながらシャルは唸る。

「さっき思ったんだけど、僕らってネーミングセンスが無いよね」

「……確かに無いポン、認めたくないけど」

「だから、無理に個性的な名前にするんじゃなくてシンプルな単語……例えば『大樹』とかにするのが良いと思うんだよね」

「なるほど、一理あるポン」

「何か案ある? 」

 そうシャルに聞かれ、ラムポンは頭を捻る。中々良い言葉が出てこない中、ふと昨夜見上げた空を思い出した。

「……『月』とか? 」

「ああいいね、月…………そうだ! 『月下』ってのはどう? 」

「おお、良いんじゃないポン!? 」

「じゃあコレにしよう」

 シャルは書類の空欄にペンを走らせた。

「僕たちのパーティ名は『月下』だ! 」



 一方その頃。

「クソっ、あの女ァ……! 」

「おいおい物に当たるなって……」

「ウルセェ!! 」

 王都の路地裏、人通りの少なく薄暗いその場所に男たちは屯していた。金髪の男はその苛立ちを隠そうともせずに壁を殴りつけ、仲間に苦言を呈された。

「舐めやがって……」

「でもよぉ、中々キレーな子だったよなぁ。あの引き締まり具合と体捌きからして、きっと『拳士』だぜ! 」

 空気を読まない仲間の発言に金髪の男は顔をしかめつつ、小太りの男に話しかけた。

「オイ」

「なんだよ? 」

「ノーセンを呼べ、人も何人か集めろ」

「! おう、待ってろ」

「マジかよお前! マジギレじゃん! 」

「くく……ああいうふざけた女にはちゃんと社会ってモンを教えてやらないとなァ……」

 バキバキと指を鳴らした男の顔には再び下卑た笑みが浮かんでいた。

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