第5話 いざ特訓
広い庭に少し重たい風が吹く。暗い雲が太陽を隠し、今にも雨が降り出しそうな空模様にネリエは愚痴をこぼす。
「天気が悪いねえ……こんな空だと憂鬱な気分になっちまうよ」
「そうなの? 僕は涼しくて好きだけど……」
「にしても、随分と広い庭ポン。ここならいっぱい動いても大丈夫ポンね! 」
ぐるりとラムポンは辺りを見回す。庭はネリエの屋敷と同様に広くコレと言った障害物も無いためシャルの訓練に最適と言えるだろう。
「そうだね。それじゃネリエさん、最後に……」
「最後に結界を張ってくれ、だろ? わかってるさ! 」
ネリエがパチンと指を鳴らす。その瞬間、シャルの足元に青い魔術陣が現れ、そこから溢れた光が障壁を成形していく。
「よし……これで大丈夫かい? 」
シャルは軽く結界の障壁を叩くと納得したように頷いた。
「うん、大丈夫。ありがとうネリエさん! 」
「はいよ。特訓、頑張ってね! 」
軽く手を振りシャルは屋敷の中に戻っていくネリエを見送った。
「それじゃ、始めようか」
「了解ポン! 」
「変身ッ! 」
『CHANGE!』
すっかり慣れた様子でシャルは魔法少女へと変身する。まだ少し恥ずかしいようで頬が僅かに赤く染まっていたが、シャルはパシンと自身の頬を叩き気合を入れた。
「……よし、特訓始めるけど、やること覚えてる? 」
『えーっと、剣の出力の調整、だったポン? 』
「うん。あと、この服にも慣れるように……慣れるかなぁ……」
『が、頑張れポン!! 』
改めてフリルだらけの甘すぎるコスチュームを見て、遠い目をするシャルをロゼットになったラムポンが励ます。
スウ、と一つ深く息を吸い、ハーッ、と勢いよく吐き出す。そうして気持ちを整えたシャルは邪魔な横髪を耳にかけ、剣を抜いた。
相変わらずキラキラと光っている剣を軽く振るとゴブリンキングを倒した時と同じ光の斬撃が飛んでいく。斬撃が結界の壁に命中した瞬間、鼓膜が破れるのではないかと思うほどの爆音が二人を襲う。
『ポンンッ!?!? 』
「びっ……び、びっくりした。まさかこんなに大きな音が出るとは……」
『きっとそれだけのエネルギーがあるってことだポン』
「……それなら、ちゃんと制御できるようにならないとね。誰かを間違って傷つけることがないように」
《とは言え、どうすれば出力の制御ができるんだろ》
《ノープランポン!? 》
「うわぁっ!! 脳に直接来たっ!? 」
シャルが脳内で呟いた言葉にラムポンが反応を返して来たことに驚き、思わずシャルの肩が跳ねる。
「な、何? テレパシー? そんなの隠し持ってたの? 」
『こ、こっちのセリフポン! 急に頭に来てびっくりポン』
「ええ……じゃあ、これも魔法少女の能力なのかな? 」
《そうかもしれないポン》
「わ、わぁ〜〜……なんか気持ち悪い……」
他人の声が勝手に直接頭の中に入り込んでくる不快感にシャルは頭を抑える。
『でもこないだの鑑定のときはこんな能力があるとは言われなかったはずポン。どういうことポン? 』
「うーん、多分……ヴェルグレイさんにも見えてなかったんじゃないかな。ほら、最初に変身した時、光の障壁みたいなやつがゴブリンキングの攻撃を防いだでしょ? でも、鑑定の時はそれに言及されなかった」
『そう言えば……あの時は、シャルに付与された光属性のおかげで魔物に対して打たれ強くなってる、っていう説明で納得してたポンけど、よくよく考えたら打たれ強いからってバリアが張れる訳ないポン』
「これは僕の推測、というか妄想の域に入っちゃってるけど、多分魔法少女は七つの種族が女神から天与職を授かる前――災厄の氾濫以前の技術なんだと思う」
『災厄の氾濫……』
災厄の氾濫、それはおよそ千年前の出来事。世界の裏側で暮らしていた魔物達が
それまで表の世界には魔物のような人々を害する存在がなかったため、七つの種族は侵攻に対抗する力を持っていなかった。為す術もなく、ただ終わりを待つしかない生命を哀れに思った女神リシュテルは女神の力の一端を七つの種族の子どもたちに与えた。
天与職と呼ばれるその力のおかげで七つの種族は何とか滅亡を免れたものの、魔物を完全に退けることはできず、今もまだこの世界には魔物が存在している。
『確かに千年以上前の技術なら鑑定しきれないのも納得できるポン。実際に災厄の氾濫以前の遺物には天与職による鑑定が通用しないって聞いたこともあるし……』
「あくまで予想だけどね。仮に本当に魔法少女が氾濫以前の技術だとして、なんで僕らが急に魔法少女に変身できるようになったのかはさっぱりだ、しっ」
ドゴオオオオン!
『ゔわああああ!? 』
「ありゃ」
シャルが話しながら再び剣を振ると先程よりも大きな音が結界中に響く。結界に防音機能がついていなかったらとんでもない近所迷惑になっていただろう。
「出力抑えたつもりだったんだけど……」
『全然抑えられてないポン! むしろ悪化してるポン!! ……うう、耳が、キーンってする……』
「それはごめん。……うーん、ノープランでも何とかなると思ってたけど、我ながら浅慮が過ぎたな」
『ホントにポ』
「よし、もう一回! 」
『ええ!?!? 待って、ストップストップ!! 』
ラムポンの小言を無視してもう一回挑戦しようとするシャルに慌てて待ったをかける。
「なに? 」
『何じゃないポン、がむしゃらに剣振っても上手くいくわけないポン! 』
「そう? 特訓の時はいつもこんな感じにやってるけど……」
『ええ!? 』
「だって、考えるより剣振るほうが効率的じゃない? 」
『ええ……』
《もしかして、シャルって脳筋……? 》
「聞こえてんだけど」
『おっと……』
ラムポンがうっかり漏らしてしまったテレパシーにシャルは不機嫌そうな表情を浮かべる。
「そんなに言うってことはあるの? 効率のいいアイデア」
『ポンンン……』
「無いならこのまま続けるけど……」
『ちょっ、ちょっと待つポン! 』
あんな音二度と聞いてたまるかとラムポンは少し焦りつつも頭を捻る。だが、戦闘経験はおろか剣を振ったことすらないラムポンには中々いいアイデアが思いつかず、ただ時間だけが過ぎていく。
「まだ? 」
『もうちょっと待ってほしいポン、もう少し、あとちょっとで何か……』
「じゃあ後十秒」
『じゅっ!? 』
「十、九……」
シャルの容赦ないカウントダウンにラムポンの焦りが加速する。
(ど、どうするポン! 喉まで来てる気がするけど、出てこないポン〜〜!! )
『……感覚を……』
(……? )
焦るラムポンの脳内で不意にいつかの記憶が再生される。
『……変身した時の感覚を思い出してみてはどうでしょう。魔力の流れ方、音や匂い、熱の感じ方などを忠実に再現することができれば……』
『……あ、そうポン! 』
「何か思いついた? 」
『感覚ポン! 』
「感覚……? 」
『シャル、この間の鑑定の時のアデラスのアドバイスを思い出すポン』
「アデラスさんのアドバイス、っていうと……変身の感覚が〜、ってやつだよね? 」
シャルが不思議そうな顔で問い返す。
『それを応用してみるってのはどうポン? 』
「応用……斬撃を飛ばすときの感覚を意識するってこと? 」
『そうポン。剣を振った時の魔力の流れ方を思い出して、その流れる魔力を少なくしていけばうまくいくんじゃないポンか!? 』
「なるほど……わかった、もうちょっと意識してやってみる」
『頑張れポン! 』
(って、アドバイスしたはいいけど流石に感覚的すぎる気がするポン……今のうちに他のやり方を考えておくべきポンね)
集中し始めたシャルの邪魔をしないようにラムポンは口を閉じ、静かに考え始める。今度はある程度時間の余裕があるからか、ラムポンは落ち着いて思考を巡らせることができた。しかし、落ち着いて考えられるからといっていいアイデアが浮かぶ訳では無く、ラムポンは一人頭を悩ませていた。
そんなラムポンの集中を破ったのは、小さな破裂音だった。
『ポン? 』
「で、できたー! できたよラムポン! 見てた?」
『え、できたポン? 本当に!? 』
「見てなかったの!? そんな……」
折角の瞬間をラムポンが見ていなかったと知りシャルは力が抜けたのか、勢いよくその場に座り込んだ。
「あー、疲れた……めっちゃ神経使うなぁ、コレ」
『きゅ、休憩終わったらもっかい見せてほしいポン! 今度はちゃんと見るから! 』
「うん、次はちゃんと見ててよ」
シャルの言葉からは疲れと自信の色が見て取れた。
およそ十分後。休憩を終えたシャルが徐に立ち上がった。
『休憩はもう大丈夫ポン? 』
「うん、もう十分休んだからね。今度こそ、ちゃんと見ててよ? 」
『ポン! 』
ラムポンの元気な返事にシャルは頷き、再び集中し始めた。
誰も喋らず、何も動かず、結界の中にはただ少年の呼吸だけが響いている。数分の沈黙を切り裂いたのは淡く光る剣だった。飛んでいった斬撃は障壁にぶつかると控えめな破裂音だけを残して消えた。
『お、おお……!? 』
「はーっ……どう? できてるでしょ! 少しずつコツも掴めてる気がするし」
『ま、まさか、あんなアドバイスだけで調整できるようになるとは……』
「あんなって、僕的には結構わかりやすかったけど……あれこれ難しい言葉を使って説明されるよりはずっとマシだと思う」
『ほあー』
シャルの言葉にラムポンは間の抜けた返事を返す。
『何というか、シャルは感覚派なのかもしれないポンね』
「あ、いいね、感覚派。脳筋よりはだいぶ良い響きじゃない? 」
『根に持ってるポン……』
「それは置いといて。ここからが本番だね。出力調整のコツを完璧に掴んで、実戦でも使えるようにする! 」
『プランはあるポン? 』
「もちろん、できるようになるまで剣を振る! 」
『……うん、ファイトポン! 』
ラムポンは感覚派という評価を心の中で密かに取り消した。
数時間後。
宣言通りシャルはただひたすら剣を振っていた。途中、結界を破壊してしまうトラブルが起こりはしたもののシャルの特訓自体は順調に進んでいるようで、事実、最初は眩い光を放っていた剣も淡い光を纏う程度まで落ち着き、飛んでいく斬撃の威力もそよ風程度まで抑えることができるようになっていた。
「はっ……はっ……」
息を切らしながらシャルはただ剣を振ることに集中する。いつの間にかコスチュームのフリルも高いヒールも重たい髪の毛も気にならなくなっていた。
「ふッ……! 」
鈍い光が弧を描いた。しかし、斬撃は飛んでいかない。シャルが手を止め剣を見る。
「光が、消えてる! 」
完全に消えたというわけではないだろう。剣には『魔法少女の加護』によって光属性が強制的に付与されている。剣の光が消えたように見えても光の属性が失われたわけではない。だが、そこは二人にとってさほど重要ではなかった。
「ラムポン、掴んだよ。出力調整のコツ! 」
『わあ……! やったポン、特訓成功ポン! 』
二人は声を上げて成長を喜びあった。と同時に地面に倒れ込んだ。
「疲れた…………そんでもってなんか暑い……」
『言われてみれば確かに暑いポン……まあ、何はともあれお疲れ様ポン』
地面の上でシャルはゴロリと寝返りを打ち、空を見上げた。見上げた空は沈んでいく夕日と同じ燃えるような茜色で、シャルは思わず息を吐く。
「もう夕方か……」
『もうすぐ晩御飯の時間ポンね。シャル、変身を解除するポン! 』
「うんー……」
ラムポンに言われるままシャルはロゼットを外した。
「ポンンンー……やっと体動かせるポン」
「僕はもう動けそうに無いよ……」
「諦めないでポン、せめて自分の部屋までは行ってくれポン」
「冷たいな」
ラムポンに文句を言いながらシャルはゆっくりと起き上がり屋敷に向かって歩きだした。
屋敷に入るとキッチンの方から何とも食欲を掻き立てられる匂いが漂ってきた。それに気づいた二人の足は自然とキッチンの方へ歩いていく。ちょうど夕飯ができあがったらしく、ネリエに言われて二人は自分の分の食事をダイニングへと運び、美味しい料理をお腹一杯堪能した。その後、風呂で体を清めた二人は明日に備えて早めにベッドで眠りについた。
「こっちに来るぞ! 」
「早く逃げ……ぐああああ!? 」
「おかっ、おがあさああん! 」
「池の方に逃げろ! 」
「待ってよ、息子が、息子がまだ家の中にい!! 」
そこは、地獄だった。巨大な悪竜が吐いた禍々しい黒炎が家々を焼き、その翼が巻き起こした風は徒に人間を吹き飛ばす。足下を騒ぎながら走り回る人間に苛ついたのか、悪竜は鋭い咆哮を上げ前足の爪で数人を切り裂いた。
「いぎゃア! 」
「メアリ!! ぅあっ!? 持ち上げられ……お、おい、やめろ、離せ! やめろ、食べるな! 許」
悪竜は男性の上半身を齧ったが味が気に入らなかったらしく、残った下半身を地面に雑に投げ捨てた。
「パ、パ……」
瞬きの間に幾つもの命が消えていく。その混乱に乗じ悪行を働く者も現れる。
「や、やっと殺せた! やっと殺せたぞ!! アハハ、兄さんの仇をやっと……! 」
「な、なんで! なんでグリスを殺し……キャア! 」
「なんだか楽しくなってきた……ハハ、どうせ皆死ぬんだ! 最期くらい勝手してやらァ!!! 」
そんな阿鼻叫喚の中を一人、シャルはただ前だけを見て走っていた。
「はっ、はあっ、早く、逃げなくちゃ……! 」
逃げる途中で履いていたサンダルが脱げてしまったせいで今のシャルは裸足だった。そのため足裏に様々な破片が突き刺さり、地面を踏みしめる度に血が流れ痛みが走る。
それでも、生きるために走った。目の前で失われていく命から目を逸らし、聞き覚えのある誰かの絶叫に耳を塞いだ。涙で視界を滲ませながらも生きるために黒く燃える村の中を駆け抜けていく。
「あっ」
しかし、運命は非情だ。シャルは誰かの腕に足をひっかけて転んでしまった。急いで立ち上がった頃には悪竜がすぐそこまで迫っていた。
(ああ、これもうダメだ)
竜の濁った金色の瞳と目が合った瞬間、恐怖に支配されたシャルの頭は一周回って冷静にそう判断した。自分は死を見てしまった、と感じる程の恐怖にシャルの足は動かなくなってしまった。棒立ちになったシャルに悪竜が迫ってくる。終わりを覚悟したシャルが目を閉じようとしたその時、
「シャル!!!! 」
「! 」
聞き慣れた優しく明るい声が聞こえた。声のした方を見れば、そちらからシャルのいる方へ向かってリリが走ってきていた。
「姉さん、」
来ては行けない、逃げてくれ、シャルはそう伝えたかった。大切な家族に危ないことはしてほしくなかった。だが、口をついて出たのは、
「――たすけて……! 」
「うわあっ! 」
ベッドの上でシャルは飛び起きた。
「……夢、か」
熱を持った体が汗で冷えていく。心臓は未だドクドクといつもよりも速く脈打っている。
(何回目だろう、この夢を見るのは)
何度も繰り返し夢として現れては眠りを邪魔してくる記憶にシャルは心底うんざりしていた。だが、それと同時に何度もこの夢を見るのは仕方のないことだ、ともシャルは思っていた。
「てか僕、いっつも大事な所ですっ転んでるよなぁ……」
乾いた笑いが零れる。気分を切り替えて眠ろうとシャルはベッドに横になった。しかし、目を閉じると先程までの夢が脳裏に過ぎり、なかなか眠ることができない。
「……庭でも走ろうかな」
シャルは寝るのを一度諦めて体を動かすことにした。流石に寝間着のまま外に出る訳にもいかず軽装に着替えてから部屋の戸を開けた。
「ポン? 」
「あれ、ラムポン」
シャルが廊下に出たと同時にラムポンも部屋から出てきた。
「どうしたの、ラムポン」
「変な夢見ちゃったから外の空気を吸いに行くポン。そっちは? 」
「僕も嫌な夢みちゃってさ、中々眠れないからランニングしようと思って」
「ええ!? そんなに動いたら明日動けないポン! 」
「ああ……確かに。じゃあ、外に出るだけにしとこうかな」
そう言って二人は静まり返った屋敷から出て庭へと向かった。庭の隅に座り込んだ二人は暫く生ぬるい夜風に吹かれながら空を見ていた。
「……シャルはどんな夢を見たポン? 」
「…………悪竜が村に来た時の夢」
「わ。わぁ……ッそ、そう……」
「地雷踏んだみたいなリアクションやめてくれない? 」
「地雷じゃないポン? 」
「地雷だけど」
「ごめんポン……」
本気で後悔しているようなラムポンの声にシャルは小さく笑う。
「別にいいよ。ラムポンは何の夢見たの? 」
「僕ポン? 僕は、オミに囲まれる夢を見たポン……」
「なにそれ? オミさん……は清廉なる誓いの人だよね」
「そうポン。今日の夢はひどかったポン……オミが急に十人くらい出てきたかと思えば、僕を取り囲んで『酒なんて飲むな〜』『怪我したらちゃんと言え〜』『金返せ〜』『研究の邪魔をするな〜』ってめっちゃ大きな声で言いながらどんどん増殖していったんだポン! 」
「よくわかんないけどオミさんの言ってる事は全部正論だね」
「この夢はまだ良かったポン。夢から覚めてもっかい寝た時の夢がすっごい怖くて……」
「怖いって、どういう感じ? 顔がないとか? 」
「ひたすら追いかけ回される感じポン。銀髪のエルフが急に目の前に現れたかと思えば『罪人、お前の首を切る! 』って言われてそれからしばらく追いかけっこポン……」
「あー、確かにちょっと怖いね……」
「……」
「……」
二人の間に沈黙が流れる。だが、それは不思議と少し心地よく、二人は黙り込んだままただ座っていた。耳をすませば風に揺れる木々の葉が擦れる音や鳥の鳴き声が聞こえてくる。それのおかげかすっかりリラックスしたシャルはぽつりと言葉を零した。
「僕はさ、ラムポンに会えて良かったって、思ってるよ」
「え!? きゅ、急にどうしたポン? 」
「最初は、酒の飲み過ぎで死にそうだな〜、て思って話しかけに行ったんだけどさ、結果的に魔法少女とかいう、よくわかんないけど凄く強いのに変身できるようになって……」
「……ポン」
「強くなればなるだけ、僕は『
「
「スウ……スウ……」
「あれ寝てる!? 起きろー! 起きるポンー! 僕じゃシャルを運ぶのも難しいんだポン! というか
座ったまま眠っているシャルを揺さぶってもまるで起きる気配がない。
「起きてポンー! 」
ラムポンの悲痛な叫びも眠ってしまったシャルには届かなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます